表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/94

シュタイナー伯爵 幕引きの後に残るもの 14

長々と書いてきましたが、シュタイナー伯爵編終了です。

今回は短めな上、若干尻切れトンボ感が・・・。

❝誰もが納得する結果❞と❝家族円満❞に向けて、奮闘中ですが、結果や如何に?

はっきりするのは、最後の後日談になる予定です。

 

「いや。西棟ではなく。ヴィアンカの体調も整ってきたから主棟に移して、君の部屋を東棟に整えようと思っている」

「ヴィアンカの部屋――――わかりました」

 客間の方が、今の立場を明確にするためにもいいと思ったが、ヴィアンカの部屋は、遠方の親族が滞在するための、東棟の端。今まで使っていた部屋だから、使用人たちも混乱なく対応できるため、それはそれで適当と言える。

 それでも。やはり、明確にしておきたいことはあるものなのだ。

 シアーシャは、すう、と息を吸い込むと、しっかりと夫を見据え、一息に言った。

「だけど、アーネスト。私はもう、貴方をノアル、と呼ぶことはできないわ」

 ノアル。それは、シアーシャだけが呼ぶことのできる、シュタイナー伯爵のミドルネームだ。ごく親しい者同士で呼び合う、所謂愛称のようなもの。

 アマンダの行動が、彼女自身を第一に考えての末であっても、()()()()()()()()()()だったことは間違いない。なのに元凶である自分が、のうのうと元に納まるなど、金輪際あり得ない。

 だが、親愛の情を表すことはできない、と告げられた相手は思いのほか冷静だった。顔色一つ変えずに、答える。

「ああ、構わない。だが、僕は変えるつもりはないから、そのつもりで」


 既に幕引きは終わった。長年の隠し事が顕わになり、崩壊した後は、脆弱な土台だけが残った。だが、それが何だというのか。

 残ったものが脆弱ならば、補強すればよいだけだ。上に何も残らなかった分だけ、楽になるだろう。それに、補強するには格好の材料が、既に用意されている。


「アマンダは、❝家族円満が理想❞だそうだ」

 一瞬、何を言われたのか理解できなかった。

 家族円満――――既に崩れ去って、もう二度と叶わないと思っていたのに、アマンダが、それを願っている―――――?

「・・・・・・貴方は、それが、可能だと思っているの」

 冷静に問いかけようとしたが、声がかすれ、涙が出そうになる。

 自嘲するかのように、引き攣った顔に、なけなしの笑顔で問いかける妻を見ながら、アーネストは宥めるかのように、答えた。

「元通りとはいかないだろうし、もちろん、僕一人では無理だが」

 そこで言葉を切ると、だけど、と自分にも言い聞かせるかのようにその先を続ける。

「時間をかければ、新しく築けるものがある。そうは思わないか?」


 シアーシャは、暫く無言で夫を見つめる。こんな時、決して急かしたりしない夫は、

「返事はいらない。ゆっくり考えてくれ」

 そう言うと、すっかり陽が落ちた部屋を出て行った。

 





 



この後、エピローグとして、ヴィアンカの結婚式、披露宴のシーンがあります。

此方は、アマンダ登場! クセモノぶりが顕著になります。

作者にとっては、このお話は全てに於いてアマンダがヒロイン!なのです。

何と言っても、彼女の存在と行動が過去の因縁さえ暴き立てるのですから、本人登場しなくても、十分にヒロインの資格あり、と考えている次第です。←独断と偏見です。(;^_^A

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ