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14.

「いえ、これはどう見ても不自然ですよ。なぜなら、ここに窓ガラスの割れた破片があること自体が、おかしいからです」


「え……、いったい、どういうことですか!?」


 レナードさんは私の言葉に驚いていた。

 マッチョくんは、コーヒーを飲んでいた。

 やっと適温になってたのだろう、彼はコーヒーを飲み続けていた。


「えっとですね、先ほど言った手順を思い出してください。まず犯人はドアの窓を割り、そこから中に手を伸ばしてカギを開けてから、ドアを開けて店に侵入すると言いましたよね。資料によると、この店のドアは、お店の中に開くようになっています。つまり、侵入する人から見れば、ドアは押して入ることになります」


「ええ、そうですね」


「ドアを開いた時、どうなりますか?」


「どうなるって言われても……、あ! そうか! そういうことですか!」


「ええ、ドアを開ければ、店の床に落ちていた窓ガラスの破片は、ドアに押されます。つまり、破片はドアの片側に寄っていないとおかしいのです。でも、この写真はそうはなっていません。先ほど言った手順を踏んでいないからです。これが、外部から侵入したと偽装していた証拠です。実際には、お店から出て、ドアを閉めたあと、窓ガラスを割ったのでしょう。そうすれば、この写真のような状況になります」


「確かにそうですね。なるほど、そういうことだったのか……」


「そして、ここからが重要ですが、この犯人は、外部から侵入した者がいるという偽装をしました。しかし、それは裏を返せば、犯人は、内部の者だということになります。つまり、そのお店の関係者ですね。本当に外部から侵入した人が犯人なら、わざわざ偽装なんてしませんからね。誰がカギを持っているのか、カギの管理をどのようにしていたのか、お店の人に聞くのがいいと思いますよ」


「ええ、そうですね。さっそく部下に行かせます」


 レナードさんは部下に指示を出していた。


「あと、もう一つ気になることがあります」


「え、何ですか?」


「うーん、それを説明する前に……、お腹がすいてしましましたね。レナードさん、お食事はもうされましたか?」


「え、いえ、まだですけれど……」


「では、どこか美味しいお店に連れて行ってください」


「……ええ、まあ、いいでしょう」


 ということで、私たちは食事をするために、憲兵の駐屯所から外へ出た。

 マッチョくんとレナードさんに挟まれて歩いていると、私の知っている人物と出会った。


 その人物とは、アイザックの愛人であるミランダだった。


 こんな道端でばったりと遭遇したので、私は少し驚いていた。

 しかし彼女は、私の何倍も驚いていた。


「ど……、どうしてあなた……、そんな……、どうなっているの……」


 彼女は私に指を差しながら、まるで幽霊でも見ているかのような顔になっていた。

 確かに、お互いあまり会いたくはないでしょうけれど、どうして、そんなに驚いているのかしら……。


 もしかして、私の顔に、何かとんでもないものがついていたりします?

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