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13.

 レナードさんの部下たちにつまみ出されることもなく、私は彼が入れてくれたコーヒーを飲んでいた。

 ついでに彼は自分の分とマッチョくんのコーヒーも用意した。

 

 レナードさんは苦そうな顔をしたあと、ミルクを追加していた。

 マッチョくんはまだ飲んでいない。

 彼は口を膨らませないように、浅く息を吐いてふーふーしている。

 隠しているつもりなのだろうけれど、コーヒーの表面が揺れているので、残念ながら丸わかりである。


「さて、それでは聞かせてもらいましょうか」


 レナードさんが、ミルクを追加したコーヒーを一口飲んで、満足そうな顔をしてから言った。


「そうですねぇ、特に不味いというわけでもなく、かといって驚くほどおいしいわけでもなく、まあ、言ってみれば、普通のコーヒーですね」


「誰もコーヒーの感想なんか聞いていませんよ。あなたの推理を聞かせてくださいと言ったのです」


「おや、これは失礼。えっと、裏口のドアの窓を割って侵入したというのは、犯人が憲兵にそう思わせるために偽装していた、という話ですね?」


「そうですよ。あれはどう見たって、あそこから犯人が侵入したように見えますがね。割れた窓の破片だって、外側ではなく室内に落ちているのですよ。特に不自然なところはありません。それなのに、どうしてあれが偽装だと思われたのですか?」


「逆にお聞きしますが、レナードさんは、窃盗犯があの裏口からお店に侵入した時、どのように侵入したと思っているのですか?」


「え……、それはもちろん、ドアについている窓を割って、そこから中に手を伸ばしてカギを開け、ドアを開けて侵入したのでしょう。違いますか?」


「いえ、その通りだと思いますよ。普通は、そういう手順になりますね。実は、そのことが重要なのです」


「重要ですか? 特に変わったこともなく、普通の手順だと思いますけれど……」


「そう、普通の手順なのです。しかし、犯人はその普通の手順を踏んではいません。その証拠が、現場を撮影した写真に写っています」


「え、そうなのですか!? いったい、どこにそんなものが!?」


 レナードさんは驚いていた。

 彼は写真を見つめている。

 マッチョくんはコーヒーを一口飲んだあと、カップをテーブルに置いた。

 そのあと、またコーヒーの表面が揺れていた。


「ほら、この窓の破片ですよ」


 私はレナードさんに教えてあげた。


「え、窓の破片ですか? 特に、不自然なところは見当たりませんが……」


「いえ、これはどう見ても不自然ですよ。なぜなら──」

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