パーティー
【定期】YouTubeで月曜から金曜まで小説作る配信します。開始時間は13時半ぐらいからです。スリーユウで検索すれば出てきます。尚、祝日とかは休みです。
「全く、おせっかいな、おじさんだな」
ようやく一人に慣れたと言うことで、とりあえず、このゲームはどんなもんかと回復や道具を買わずに適当なモンスターを求めて町の外に移動を開始した。人はある程度いたが、何故か、俺に視線が向けられていた。その理由は分からないがそんなことを無理して町の外にたどり着いた。
効率を考えるならば、シムナに言われた南を目指して、行くべきなのだろうが、なんか、しゃくなので、北に向かっていた。北のエリアは遠くから見ている限り、山岳地帯のようだ。山岳地帯に入るまでには平原を移動しなくてはいけないが、もちろん道中にはモンスターがいた。しかし、異形のサムライを相手にした後では、そこら辺の通常モンスターなんて、序の口すぎた。
「これで、10体目」
道中には、スライム、ウサギに埃を被ったようなプラクラビット、ゴブリンがいたが、異形の刀と異形の小刀が強すぎるのか、それとも急所を狙ったのが良かったのか、一撃で泡のようにポリゴンとなってしまっていた。モンスターを倒してもウィンドウは出現しなかったが、メニューを開いてみるとしっかりとドロップ品が入っていた。
どうやら、このゲームは死体からはぎ取るようなもんではなく、勝手にドロップ品が手に入る仕様みたいだ。個人的には剥ぎ取りはめんどくさい作業なのでこのシステムの方がありがたかった。
「とりあえず、見てみるか」
ドロップ品を見たが、最初のモンスターの所為か、あまり役に立ちそうなものはなかった。スライムの粘液、スライムの核、プラクラビットの生肉、プラクラビットの皮、ゴブリンの石斧、ゴブリンの棍棒、と言った感じで、ゴブリンの武器は、一応武器として使えそうだったが、今の装備よりは劣りそうなので、結局、そのまま装備で行くことにした。耐久値の概念はあったが、鍛冶屋で修復可能と説明に書かれていた。
そんな感じで山岳地帯まで最速最短で到着した。
人気のゲームなのでもっと人とすれ違うと思ったが、意外とそんなことはなく、山岳地帯まで数人しか、すれ違わなかった。特に目的も決めていないので、山でモンスターでも倒して、クラスを上げる事にした。まだ、クラス愚者の所為で意味はないだろうが、今まで体にセットしていた、水のフォースを試しに武器につけてみることにした。
「おお、なんか、濡れている」
武器に水のフォースをセットしたことによってスキルが発動していた。
スキル:流水
効果:敵の攻撃を少しだけ、受け流しやすくする。
「なんか、しょぼいな、まぁ、使わないよりましか」
最初の町を出た時には、武器にフォースをはめた時は何も起こらなかったので、恐らく熟練度が関係してくるんだろう。今、水のフォースの熟練度は2から3になっていた。ちなみに自分のスロットに当てはめた時は、移動速度上昇のスキルがついていた。
スキル確認も出来たので、山岳地帯へ足を踏み出した。しばらく、山を登っていると一人のプレイヤーがモンスターに囲まれていた。一瞬、手を出さずに見守ろうかと思ったが、余りにもモンスターに囲まれていた為、おもわず、後ろから迫っていたモンスター、ハードホーンを切り伏せた。異常に発達した角をしたヤギのようなモンスターだったが、角を避ければ、なんてことはなかった。
「あれ、もしかして、助けてくれた?」
「いえ、出すぎた真似でしたね」
「そんなことないよ、ありがとう」
この人はそう言っているが、俺が後ろの一体を倒している間に周りにいたモンスターたちは消え去っていた。
「それにしても、初心者装備でここに来るなんて、めずらしいね、いや、その武器なら来られるのも納得か、俺はカザミ、よろしく」
「レインといいます。よろしくお願いします。そうなんですか?自分は余り調べずに来たもので、そこら辺は知らないんですよ」
「だからなんだね、俺を助けたりするは」
「言っている意味が分かりませんが?」
意味がよく分からず、俺は首を傾げるがカザミさんは直ぐに手を振った。
「こっちの話だから気にしなくていいよ、それよりもあまり情報を知らないって言っていたけど、この山に登るのはお勧めしないよ」
「何か、登れない理由でもあるんでしょうか?」
「ある程度まで登ると、山上から空を飛んでいるモンスターたちから襲われる事になるんだよ。見た所、遠距離の攻撃手段が無さそうだったからね、それだと、一方的に攻撃されるだけだからね」
「なるほど」
それだと、このまま進むのは無謀すぎるか、いや、どうせ、適当に出てきただけだし、このまま進むか、いや、しかし、死ぬと分かっていくのもな、なんか違う気がするし。
「もしかして、この山の抜け方も知らない?」
「え、カザミさんの話だと山を登れないんですよね、なら、他に方法があるってことですか?」
「やっぱり知らないみたいだね、この道を真っ直ぐ進んでいくと山を抜けられる坑道があるんだよ。僕もその坑道に用があってここまで来たんだよ」
なるほど、それが運営の用意した正規ルートって訳か。
「一人なら一緒にどう?無理にとは言わないよ」
「これも何かの縁なんでしょう。自分は初心者で迷惑をかけるかも知れませんが、宜しくお願いします」
こうして、急にカザミさんとのパーティーが始まった。




