VSドリルモグラ
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「ここは自分に任せて貰っていいですか?」
突然のレインの提案にカザミは困惑の表情だ。
「別にさっきの事は気にしなくていいんだよ」
どうやら、カザミさんはさっきのダイヤモンドタートルを気にしていると思っているみたいだ。
「そのことは気にしてないので大丈夫です」
「じゃあ、何で、任せてくださいなの?」
「カザミさんは、ここまで来た速さから、一度ここをクリアしていますよね」
「確かにクリアしているね」
「それじゃ、このドリルモグラの攻略法も当然知っているわけですよね」
「そうだね」
「自分は、何も知らない、このボスに挑戦してみたいんです」
内容を知っているゲームをやるほど、つまらないものはない。人によっては、初めから簡単に攻略したいと言う人もいるだろうが、俺は違う。自分で苦労した分だけ、ボスを倒した時の喜びがあると思う。その苦労がなく手にする勝利は、果たして本当に嬉しいのだろうか。
「そういう事から、僕は横で見ていることにするよ」
こんな話をしている間にもドリルモグラはこっちに攻撃を仕掛けようとして来ていた。カザミさんはドリルモグラの攻撃範囲から外れるようにレインの後ろに後退した。対して、レインは前に出て、逆に攻撃範囲に入るような形を取る。
「さぁ、楽しもうぜ」
腰にある刀と小太刀を抜き、俺はドリルモグラに突撃した。走ってくる俺にドリルモグラからは、俺の頭より1回りぐらい大きな岩が投げられるが、視認不能の斬撃を避けた俺には簡単に避けられる代物だった。
ドリルモグラの全長は10メートルほどで、その半分がドリルだった。ドリルの部分には刀が通らないと思い、懐に入ろうとするが、その前にドリルモグラは地面に潜ってしまった。潜る間に攻撃を加えようとしたが、土が周りにまき散らされ、邪魔されてしまった。土を掘る音で大体の位置は分かるものの、音的にはドリルモグラが離れているように感じた。
その予想通り、ドリルモグラは自分のいる位置から一番離れた場所から現れた。
「これが第一フェーズって訳か」
またもドリルモグラから、岩が投げられ始めた。同じ方法でドリルモグラまで近づくと、土を気にせず、ドリルモグラに切りかかった。どうやら、土は目くらましだけで、ダメージ判定は無いようだった。俺の刀によって、5本あるHPゲージから、1本の半分近くまでHPゲージは減っていた。この調子で攻撃できるなら、あと9回、こっちの攻撃を当てれば、相手のHPはゼロになる計算になるのだが、当然のように上手くいくわけがなく、ドリルモグラの攻撃パターンは変わる。
ドリルモグラは岩を投げて来なくなり、代わりに、壁の中を通り、天所に登ったようだった。何をしてくるかと身構えていると、先ほどドリルモグラが投げてきた岩が、大量に天井から降ってきた。先ほどとは岩の量が段違いだった。しかし、重力の加速が乗っているとはいえ、レインにとってはそんな岩を避ける事自他はさほど難しくはなかった。天井にドリルモグラが潜っている以上、こちらからの攻撃手段はなく、岩を避ける事しか出来なかった。攻撃を暫く避けていると、ドリルモグラが上から降ってきた。
どうやら、一定時間、攻撃を避けるとこっちが一方的に攻撃できるみたいだ。それなら、ありがたくとドリルモグラに攻撃を加えるが、こちらの攻撃力が高すぎて、相手のHPゲージはすぐに残り3分の1以上まで削れてしまった。HPゲージが3分の1まで行くとドリルモグラは突然、ドリルを振り回しながら、地面に潜ってしまった。
「さぁ、そろそろ、終盤だろう、早く来いよ」
俺の声に呼応するようにドリルモグラは地面から頭を出した。ドリルモグラはまるで地面を水中にいるような感じに土の中を泳ぎながらこちらに迫ってきた。その様子は水面を跳ねる魚の様で、土を掘り返しながら進む速度とは思えなかったが、ゲームならばあり得るのだろう。そんな事を悠長に考えている間に、ドリルモグラは自分に迫って来ていた。とりあえず、避けようと横に移動するが、なんとドリルモグラは俺の追うように進路を変えてきた。
「マズっ」
ドリルモグラの速度に、このままだとドリルに巻き込まれてしまうと感じた俺だが、どう考えても避けられる速度ではなかった。すぐに避けるのは無理と判断し、迎え撃つと決めた。ドリルモグラが迫ってくる中、カウンターを狙う。集中している所為か、その間がとてもゆっくりと感じた。そして、ついにドリルモグラが、地面から俺の狙うように跳ねて迫ってきた。カウンターを狙うつもりだったが、俺がその場から動かなかった所為か、ドリルモグラはしっかりとドリルの芯で俺を狙ってきた。これでは、俺が頑張って避けても、絶対に当たる。
「それなら、こうだ」
避けられないなら、避けられるようにするまでよ。
ドリルの右に体を移動させると俺はドリルに向かって刀を押し付け、無理やりドリルを避けた。いや、逸らした。しかし、刀を酷使し過ぎたのか、パキンと言う音を立て、インベントリに仕舞われた。そして俺は弾かれるように、ドリルモグラから弾き飛ばされた。
1回はドリルモグラの突進を避けたものの、また、ドリルモグラは旋回して、向かってきた。残っているのは小太刀のみ。しかも、さっきような手を使ったら、こっちから攻撃できなくなってしまうので同じ手は使えない。
考えろ。まだ、手段はあるはずだ。
そもそも、どうやってドリルモグラは俺に狙いをつけているんだ。土の中を移移動しているから、視覚は、使っていないはずだ。その考えにたどり着いた俺は、半分賭けだと思いつつも地面に転がっている石を拾い上げ、横に投げた。
するとドリルモグラの進路が横に逸れた。賭けは成功で、後は横からドリルモグラ切り、最後はあっさりと決着が着いた。
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