エピローグ
襲撃の後、軍に連絡し、人質にされていた生徒たちには王子というのは誤解だった、と説明し、更には坂原 洋介の助力もあり全ては丸く収まった。
京香は、王子だということが本当かを確認してきて、本当だと正直に答えた。それ以外のことについては変に詮索されなかった。理解のある生徒会長で本当に助かったと真は感謝している。
そして、事件からは1週間がたとうとしていた。
「おはよー、真!」
「おはよう、春」
皆の生活も元通りになり、平和な毎日が続いている。
いつものように春と挨拶を交わす。美奈ともだ。
今回の事で思い出された6年前のあの事件。
真はいつにもなく妹のことを考えるようになった。会いに行こうと思えばいけるのだが、会う勇気がない。これだけほったらかしにしておいて、今更なんだと言われるのが怖い。
そして、真は、自分が妹と会った時に喜べるかが心配なのだ。
嬉しい、良かったという安堵感、感動。そのような感情諸々、もう真にはほぼないのだ。妹を助けたあの瞬間から――
真はMAGIC BOOKに感情をうった。代償として。
まぜMAGIC BOOKは力の代償として感情を奪ったのか。それはまたいずれ。真自身も知ることとなる――。