生徒会へようこそ
お久しぶりです。
更新遅くなりましたm(__)m
生徒会。それはこの学校のトップというトップが集まり、学校をよりよくするために活動をするところ。今のところ、一番優秀な1組の人ばかりが入っていた。
・・・なのに、それが覆されようとしていた。
昼休み。
ちょうど、真、春、美奈の3人で食堂に行こうとしていた時だった。
コンコン
教室のドアののあたりからノックが聞こえた。全員が振り返る。振り返った先にいたのは生徒会長。全員が驚きに目をむいた。
「お久しぶり、真くん」
今度はクラスメイトが真のことを振り向いた。
「お昼、ご一緒しても?」
そんな彼女が放った言葉は、一同を更に困惑させた。
食堂
食堂でも、ざわめきが起こった。
それもそのはず。理由は3つ。
1つ目は京香はいつも食堂には来ないため。
2つ目は一緒にいたのが5組の生徒だったから。それも三人。真、春、美奈だ。
3つ目は食事を共にしている。
皆は静かになり、真たちの会話に耳を澄ませていた。
「あの、俺に何か用でも・・・?」
真は思い切って尋ねる。
すると京香は、
「あら、用がなくちゃ来てはいけなかった?」
と言った。
「え、いえ、そういう訳では・・・」
「ふふっ。冗談よ」
真が弁解しようとすると、京香は意地悪っぽく笑った。
「そうですか。では、どのような?」
「うん。それがね。真くんを生徒会に誘おうと思って」
「そうですか」
真が再び尋ねると、さらりと用件を告げられる。
あまりにもさっぱりしていてスルーしてしまった真。
だが、すぐに意味を理解して。
「・・・え?」
口をぽかんと開けてしまった。
それは春と美奈も同様だ。
そして、食堂にいた全員も。
「で、ですが、俺は5組ですし、今までは皆さん1組の方が・・・」
本来、生徒会は優秀な人材を入れることが決まっており、例年通りであれば、今回も1組の生徒から役員を選ぶはずだ。
「ええ。そうね。でも、別に優秀な人材を選べってだけで、1組かどうかなんて決まってないでしょ。今までは単に1組に優秀な人材がいただけ。そうでしょ?」
「そういわれれば、そうとも取れますが・・・」
京香に案外筋の通った理由を説明され、返す言葉がない真。
「ってことで、どうかしら? 真くん」
満面の笑みを浮かべ、聞いてくる京香。
食堂の面々も真の答えを待って見守ってる。
と、その時。
「ちょっと待ってください」
誰かが乱入してきた。
「はい、どうかしましたか?」
京香は変わらぬ笑みで応対する。だが、その笑みは冷えているように見えた。
「1年1組竹中 正敏といいます。自分は1年の中で前回のテストでも学年1位でした。この5組の奴より優秀です!」
乱入してきた彼は、1年生で一番優秀らしい。そのため、生徒会役員に選ばれるのは自分だ、と言っているのだ。
真にとってはありがたい。真は目立ちたくないのだ。生徒会など言語道断。
だが、生徒会長本人からとなると断りずらい。京香はそれさえ見越してきたのだろうが。
なので、京香からすると彼は面倒くさい奴、真にとってはありがたい存在、という印象だった。
「俺も、彼のほうが優れていると思います」
真は正直に述べる。
だが、戦闘であれば、確実に真が勝つだろう。神の力を借りずとも、三代将軍の1人のもとでずっと修行していたのだ。簡単に負けるはずもない。
「じゃ、試合しましょ」
「え?」「はぁ?」
そこで京香が提案したのは、模擬戦を行う事。
真と彼は同時に聞き返してしまう。
ちなみに「え?」が真だ。「はぁ?」といった彼はかなり失礼な言動だと思うがほおっておく。
「真くんが君に勝てばいいのね。君より強ければ。じゃ、今日の放課後2人とも実習室に集合ね」
京香はそう付け足して、食器を片づけ食堂を出ていった。
彼女が出ていったあと、食堂はざわめいた。
「5組の生徒が1組の生徒に?」
「無理、無理」
というような皮肉をいうものや、
「会長が期待してるってことは、すごい人?」
「見に行く?」
「いこいこ!」
など、見学をしに行こうとする者も。
(どうしてこうなる?)
真はそれだけが心に浮かんできた。
すると彼が話しかけてきた。
「ふん、勝敗は決まったようなもの。怖気づいて来ない、だけはやめてくれよ」
それだけ言い残して去っていった。
「真、大丈夫なの?」
「行かれるんですか?」
彼が去った後、春と美奈が心配そうに声をかけてくる。
「・・・行くしか、ないだろう」
真は、暗い声で言うのだった。
放課後
真は春と美奈の3人で実習室に来ていた。
既に会長と正敏は来ていて、他にも生徒会役員や見物人の姿が。
「・・・遅れましたか?」
皆が来ているのをみて、真はついそうこぼす。
「いいえ、皆がはやかっただけよ」
京香は静かに微笑みながら言った。
そして、すれ違いざま、
『手加減なしよ』
と囁いた。
もちろん、真に最初からそのつもりはない。手加減など相手に失礼、と教わってきたからだ。
正敏と握手を交わしてから構えをとる。
皆が息をのんで見守るなか、「はじめっ」という声がhびいた。
その瞬間、正敏が魔法を構築し始めるが、
「遅い」
真はすぐに正敏の背後にまわり、手刀をくらわせ気絶させた。
一瞬だった。
「しょ、勝者、坂原 真!」
ぽかんとしていた審判だったが、すぐに声を上げる。
そして、歓声が上がった。
春と美奈が駆け寄ってくる。
「やった、すごいじゃん!」
「すごすぎです! 見えませんでした!」
2人は感動したかのように目を輝かせていた。
会長もすぐに駆け寄ってくる。
「さすが真くん! 私が見込んだ通りね!」
満面の笑みをうかべる京香。プレゼントをもらって嬉しがっている子供のような可愛い笑みだった。
「ありがとうございます。ですが、生徒会には・・・」
「あら、拒否権なんてないわよ?」
礼を述べ、丁重に生徒会入りを辞退しようとした真だったが、京香はいつものあくどい笑みに戻ってそれを拒否した。