飛龍の拳 Ⅲ
本エッセイ初のファミリーコンピューター(以下FC)作品です。
筆者がこの作品をプレイしたのは入手してから実に数年後。なんでそんなことになったのかというと、友人のM君からお別れの記念としてプレゼントされたものだったからです。「このゲーム、面白いからやってみ」てな感じです。
しかし、肝心のハードを持っていなかったため、FC互換機の登場を待たねばなりませんでした。当時はそんな玩具が出ることすら想像してなかったので、ショップで発見した時は歓喜したもんです。これでM君との約束を果たせる! いや、約束なんかしてないんですけどね。でも、これをくれたってことは、プレイして欲しかったのだと容易に解釈できるではありませんか。ならばその想いに応えるのは友達なら当たり前。しかも互換機は三千円前後と安い! これでいわゆる懐ゲーを堪能した人も多かったことでしょう。
数年越しで貰ったゲームを初めてプレイするのはタイムカプセルでも開けるような感慨があります。いや、筆者はタイムカプセルを開けた経験すらないんですけどね。
が、愕然としました。電源入れても起動しない! 壊れてんのか? くれたのは処分に困ったからなのか? 実は嫌われてたのか? そんな被害妄想が頭の中を巡ります。
何のことはない。カセットを正しく差し込めばちゃんと起動しました。スーファミではほとんどなかった現象なので面食らったのです。しかし起動中でもわずかのショックでフリーズするので気が抜けません。後年知ったけど、FCゲームってのは純正でもそういう仕様だったらしく、ちょっと安心。
そんなFCあるあるを玄人ゲームエッセイ風に織り交ぜつつ、ゲーム開始です。
スタート画面はちょっと時代遅れな音源ながら、ハイテンションなBGMは結構ノリノリ。しばらく聞き入ってしまいました。画面にも主人公と思しきキャラが出ていて力が入ってます。まあ、グラフィックはさすがに粗いドット絵ですけどね……。
三作目からじゃよく分かんないんじゃないかな? 説明書もないし。とも思いましたが、導入部で一作目のおさらいとチュートリアルバトルがあるので問題なし。で、二作目のストーリがちょろっと紹介され、いよいよ本編開始です。
しかし、この二作目の紹介が伏線になっているとは、想像すらできませんでした。