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遅くてすいません
~早朝5時~
月神家の朝は輝夜が起きることで始まる。
輝夜の部屋は部屋の大半を衣装タンスが占めてあとは勉強机とベッドがある。そのベッドで寝ていた輝夜は朝の空気を感じとり目を覚ました。そして、枕元の目覚まし時計を確認する。
「ん………ふぁ~!、朝の5時か、さてと朝飯の準備するか……」
輝夜は腰まである銀髪を手早くポニーテールにまとめ用意していたチャイナ服に着替え台所に向かう。
今朝のチャイナ服は身体が冷えないように肌の露出はほとんど無い長袖タイプの白チャイナ服である。
輝夜は台所に着くと冷蔵庫の中から食材をとりだし朝飯の準備をしながら白兎と百合のお弁当も並行して用意する。その手際は慣れたもので二十分ほどで完成した。
「こんなものか……あとは、父さんと白兎を起こしてと、」
輝夜はこのあとすることを考えながらまずは百合の部屋に向かう。百合の部屋は一階のリビングの横に和式部屋がありそこが百合の部屋である、ちなみに輝夜の部屋は二階の一番奥の部屋、白兎は輝夜の隣である。
台所を出てリビングを通り百合の部屋の襖を開ける。そこには部屋の中心で布団や着物をはだけさせて眠る百合の姿があった。
「はぁ~、まったく……父さん朝だよ、そんな格好で寝てたら風邪引くよ!」
ゆさゆさ、
「ん……あと1日…………すぅ………」
百合はアホな寝言を呟きながら起きようとしない、そんなアホな父親を一発で起こすとっておきの方法がある、この方法をすると後で怒ってふくれるのだが起きない百合が悪いのである
「父さん、さっさと起きないのが悪いんだよ……フンッ!」
「……………ひゃん!!!輝夜ー!そのお越し方やめてって言ってるでしょー!」
「でもこれが一番早く起きるから仕方ないよね」
「ぷくー!」
やっぱり百合はふくれて怒っていた。百合に輝夜がした方法は、いろいろはだけて寝ていた百合はその身体を隠すものが無くなっていたため弱点である二つのピンク色の突起をさらしていたのでそれを輝夜がつまみ上げたのだ。
「輝夜だって肌が感じやすいからわかるでしょ!痛いんだよ!」
「俺はそんなことにされなくてもすぐに起きるから大丈夫。さて、白兎を起こしに行こうっと……」
「こらー!まだ話しは終わってないぞー!」
怒る百合を放置して二階の白兎の部屋に向かう。
白兎の部屋は輝夜の部屋とあまり家具などは変わらずデカイ衣装タンスが部屋の大半を占めており、あとはベッドと勉強机位である。
違う点をあげるなら床をやベッドの上のを埋め尽くす兎のぬいぐるみだろうか、白兎は自信の名前にも入っている白い兎が大好きなのだ。だからよく兎のぬいぐるみを自作して部屋の中に溜め込んでいる。
そんな兎の山に埋もれて眠る白兎は父の百合に似て寝相が悪いので着ていた着物や下着は何故か扉まで飛んできていて白兎は全裸で特大兎ぬいぐるみに抱きついて寝ていた。
「んにゃ~んにゃ~Zzz・・・・」
「寝言は猫の泣き声って………ほら白兎!朝だぞ!」
輝夜はぬいぐるみの山を横にどかしながらベッドに近づき白兎を揺する。しかし、父である百合がこの程度で起きないのと同様に白兎も簡単には目を覚まさない
「えへへ……にぃ……おかわり……」
「まだご飯を食べて無いのにおかわりも無いだろ!」
白兎は起きる気配がなく夢の中で朝ごはんを食べているようだが、現実でたべてもらわないと身体に悪いのだ。なので輝夜は百合にしたおこしかたをすることに、
「白兎!さっさと起きない子にはこうだ!」
ギュ!
「…………みにゃ!?兄ぃ!痛いよー!」
「おはよう白兎、朝ごはんできてるから早く服着て降りてきなさい」
と、と、と、ガチャ!バタン!
「もう!普通に起こしてよ~!」
輝夜はそう言うと怒る白兎を放置して一階に降りていく、そしてリビングでごはんを机に並べながら待っていると二階と和室から白いバニーガールと黒いバニーガールの格好で二人が出てくる、白いバニーガールは白兎、黒いバニーガールは百合である。
「二人とも寒くないのか?」
「ん?寒くはないよ!少し冷えるくらいだよ。」
白兎は元気な声で返事をする、百合は何か考えてるのか輝夜を見つめたまま答えない、そのようすに嫌な予感を感じながら百合にたずねる。
「父さんどうしたの、俺の顔に何かついてるの?」
「…………いや、輝夜には何色のバニーガールの衣装が似合うかなって」
「俺は朝からバニーガールの格好はしないよ、そんなことよりごはん冷めるから早く席に着いてたべて」
変なことを考えてる百合を席につかせ朝ごはんにする。ご飯のおかずは味噌汁と目玉焼きとサラダとシンプルな物、余り朝からお腹を満たすと後々眠たくなるので量は少なめで、しばらくして朝ごはんを食べ終えると輝夜と白兎は学校に行くために準備を始める。
「白兎そろそろ学校に行くからいつもの変装してきなさい」
「は~い!」
白兎は元気な返事をすると二階の自室に向かう。それを輝夜は食器を洗い終え乾燥機に入れながら見送るとリビングで食後のお茶を飲んでいる百合に一声かける。
「父さん、昼食のお弁当はキッチンに置いてるからね。」
「ふぅ~、わかったよ。いつもありがとう本当なら私がお弁当作ってあげたいけど、どうしても朝に弱いのよね~」
百合は飲んでいるお茶を机に置きながら輝夜に返事を返す。その表情は申し訳ないと思っているのか浮かない表情を浮かべている。そんな百合に輝夜は笑みを浮かべながら首を横にふる。
「父さんが朝に弱いのはよく知ってるし、俺は料理するのは別に嫌いじゃないから気にしてないよ。」
「輝夜……本当に私の息子は親孝行者なんだから………」
百合は何処から出したのかハンカチで目頭を押さえていた。そんな百合を残し輝夜も自室に登校の準備のために戻っていく。
輝夜と白兎が部屋に戻り二十分ほどたつと二人はリビングに降りてくる。二人の格好はチャイナ服とバニーガールの服から変わりサイズが大きい学校の制服になり純白な肌には目立たないように化粧を施し蒼い瞳には黒のカラーコンタクトと瓶底眼鏡をかけ、長い銀髪をまとめ上げてその上から黒のかつらを被って隠していた。
「それじゃ行ってくるよ父さん」
「行ってきま~す♪」
「えぇ、行ってらっしゃい♪」
二人は百合に声をかけて学校に向かうことに、時刻は六時十五分まだ学校に向かうには早すぎる時間だが人通りが少ないので目立たずに学校に向かえるためいつもこの時間に出発している。
家を出発して輝夜が通う高校までは徒歩で三十分ほどの距離にある。白兎の通う高峰中学校は高校のとなりに隣接して作られているため登下校はほぼ一緒である。
なので早朝の静けさとひんやりとした空気の中、輝夜と白兎は一緒に歩いていた。基本的に輝夜は騒がし空気が嫌いなため何も喋らず黙々と歩く、そんな静かな輝夜に対して白兎は元気に輝夜の隣ではしゃいでいる。そんな白兎は輝夜にある質問をする。
「ねえ!兄ぃは学校で友達できたの?家で友達が出来たとか聞かないけど……」
「友達?出来るわけないよ、白兎は俺が他人と関わるのが苦手なの知ってるだろ。」
「それは知ってるけど……いつも働いてる時は話せてるから学校でも話してるのかなって思ったの」
輝夜は白兎の質問に困った表情を浮かべる、仕事をしているときはメイド長になりきっているので話しかけるのは大丈夫なのだが学校では特に用事や先生やクラスメイトに話しかけられなければ一切話さないのでクラスでは会話をする者は誰もいない、それに見た目を地味にしているおかげで変に絡まれることもないので今ではクラスの中で静かに生活できている。
「俺は友達なんて出来なくてもいいんだよ、中学でも別に苦労は無かったしな。それに友達を作っても俺らの顔をみたらまたあの気持ち悪い目で見てくるに決まってる。白兎もそれはわかってるだろ」
「それはわかるけど……でも中にはしっかりと僕たちのことをみてくれる人もいるはずだよ?」
輝夜は中学の頃に一度変装をしないで外に出たことがあったのだが、町を歩いている時に同じ学校の男連中にしつこくナンパされるは変なスカウトは来るそれに人の身体や顔をじろじろ見られるはと散々なめに遭った。(ちなみになぜ変装をしていなかった理由は仕事場で急遽一人のメイドが怪我をしたため急いで来てくほしいと百合から連絡が入り変装をせずに店に急いだという理由である。その日は店の前に男連中が集まりお客が来なくて仕事にならなかった。)
白兎も小学の頃に変装をせずに遊びに出かけて誘拐されそうになったりキモいおっさんに追いかけられたりと酷いめに合っていた。(その時は変装をして行かなかったことに気づいた輝夜が追いかけて誘拐されそうな白兎を助け出した。犯人は再起不能になるまでぼこぼこにして木に吊し上げて放置してその後通報されて警察に連れていかれた。)
輝夜と白兎は昔の嫌な記憶を思い出して寒気に襲われていたが、そんなことは置いといて輝夜はなぜ突然こんな話をしたのかを白兎にたずねる。
「というか、白兎はいきなり友達が出来たなんて聞いてきたんだ、なにか学校であったのか?」
「え!?な、なんにもないよ!ただ兄ぃは学校でどうなのかなって気になっただけだよ!」
「そうか、ならいいんだが」
白兎は輝夜の質問返しに明らか怪しい素振りで返答を返す。その姿に輝夜は怪しいと感じながら余り追求するのはよしておく、本当になにか困っているなら白兎は輝夜や百合に相談をしてくるので取り敢えず様子を見ることにしたのだ。
そんな会話をしていると二人は学校に到着する。まずは白兎の通う中学があり高校は少し先に進んだ所にある、なので中学校の校門前で二人は別れる。
「じゃあ、白兎ちゃんと勉強するんだぞ」
「わかってるよ♪兄ぃもね!」
そう言うと白兎は校舎に走っていく、その姿を見送り輝夜も高校に向かっていく
この家族は女装をしていますが恋愛対象は女性です




