浮気調査~学生そんなのできるわけないだろ!!~
鮭のチーズフライにオクラ、みそ汁にご飯これだけ食べても五百円いかないのが学食の素晴らしいところである。さらに今回は人のおごりである。タダ飯よりおいしいものはない。
「どうした金田?飯おごるなんて珍しいな。」
「今回、君にご飯をおごるのは、会わせたい人がいるからである。」
とりあえずご飯を人の財布でおかわりしに行こうとしたところで小柄な好青年が話しかけてきた。
この男が、金田である。こいつはサークルメンバーの中でも異色の男で、スポーツ万能という化け物で、この大学のあらゆる部活に顔を出し、どの部活からも熱烈な歓迎を受けたにも関わらず、このサークルに入った変わり者で、身長が伸びていれば何らかのスポーツのプロになっていてもおかしくなかった人間である。
「まあ、聞いてくれよ。もう俺だけじゃ解決できそうになくてな。」
こっちこっちと誰かを呼び始めた。
「紹介するわ、こいつ津村。バイト先の知り合い」
津村というやつは一見すると暗い感じのする人間だった。たぶん人見知りなのだろうぼそぼそと自己紹介した。
「津村です。」
「俺もよくわからないんだけど、彼女が浮気してるらしい。」
と金田が言うと同時に津村は、泣き始めた。おいおい結構来てるな。
「うーんつらいかもだけど、事情説明できる?」
すると津村はぼそぼそと話し始めた。というか超え小さいなーと思っていたけど、対面に座っていてここまで聞きずらい声初めてだわ。
要約するとこういう話である。彼女は、俺たちとは違う大学の子で北川椿というらしい。知り合ったのは去年のうちの大学の文化祭で、津村のひとめぼれだったのこと。そのときは恥ずかしくて話せなかったけれど、たまたま入ったカフェで働いていてその時に勇気を出し話しかけ知り合い。仲良くなったとのこと。
その彼女が、最近知らない男を家に連れ込んでいるのを目撃してしまい。浮気だと直感したとのことである。
ぶっちゃけ、こいつストーカーなんじゃないかと思ったけど、ツーショットの写真を見せてもらい信頼した。
「まあ、浮気調査とか、うまくできるかわからんけど、サークルで話してみるか」
津村は大勢人がいるところが苦手らしく、帰らせてくれといい、そして驚いたことに、金を払うといい始めた。金はもらわない。というと俺と金田に、写真やバイト先など彼女の基本的な情報を渡して帰ってしまった。
「仲良くないの?」
「最近俺の入ってるサークル聞いたらしくて、シフト合わせて話しかけてきた。」
「お前よくそれで引き受けたな」
「人がいいところが俺のいいとこ」
と胸を張りながら問題を持っていきやがったので頭をはたいてやった。妙なやつに絡まれたなーと思いながら、俺たちは部室へ歩いて行った。てかこいつ自分じゃ何もやってなかったじゃないか。