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深沼の悪魔
さて。
あるところに、底を見通せないほどに暗く、深い沼があり、そこに巨大な蝦蟇の悪魔が住んでおりました。この蝦蟇は沼に近づくものへ謎かけを挑み、解けないものを一呑みにしてしまうのでした。
あるとき、近づくことを禁じられていたこの沼に、近くの悪童たちが遊びに来ました。早速、蝦蟇は悪童たちに謎かけを仕掛けました。
「夏には痩せ、冬には肥え、歩くときは二本足、走るときは四本足、木登りが得意で、甘いものが好きな生き物は何か? 答えられなければ、お前たちを一呑みにしてやる!」
おどろおどろしい蝦蟇の声に対し、悪童たちは溌溂と答えました。
「知るかそんなもの! それかかれ!」
先頭の合図で悪童たちは一気呵成に、蝦蟇に向かって爆竹、花火を投げつけました。この一斉攻撃には、悪魔と言えどもひとたまりもありません。たまらず悲鳴を上げて逃げ出しました。
これ以来、沼で人が襲われることはなくなったそうですよ。




