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砂粒金粒

 さて。

 あるところに、長者の娘でありながら、継母ままははしいたげられている娘がおりました。実母が早くに亡くなり、後妻こうさいに迎えられた継母には既に子がおり、そちらばかりを可愛がって娘を邪険にするのでした。

 娘が成人する頃、継母の奸計かんけいによって、娘は半ば強引に、とても貧しい男のもとへ嫁がされてしまいました。それによってていよく家を追い出された娘の手元には、雀の涙ほどの祝い金しかありませんでした。その少ない金を使って、娘は懸命にやりくりして生活しました。

 あるとき、娘が体調を崩し寝込んでいるときに、娘は夫になけなしの金を渡すと、これで米をを買ってくるように頼みました。ところが夫は世間一般ほどのものも知らず、鳥などを自力で捕えて食っていたため、金というものを知らず、道端で見つけた鳥へ投げつけて打ち落とすために使ってしまいました。当然、そんなもので鳥が落ちるはずもありません。すぐに金を全て使い切ってしまい、夫は手ぶらで帰りました。

 ことの次第を知った娘は大切な金を無為むいに失ってしまったことを深く嘆き悲しみ、途方に暮れながらも夫へ、あれが何であり、どのように使うのかを教えて聞かせました。しかし、それも後の祭りです。もともと少なかった祝い金もとうとう底をさらってしまったのです。これからどうやって生活していけばいいのかと、娘は頭を抱えました。

 そんな娘の懊悩おうのうなどつゆ知らず、夫は娘に聞いた金の使い方を知って成程と頷き、

「そんなものなら、うちの裏にいくらでも埋まっているのだが」

 それを聞いた娘は驚き、急いで夫とともに裏へ向かい、試みに掘ってみると出るわ出るわ、まるで湧き出るかのように次々と金が掘り当たり、一生かかっても使い切れないほどの金を手に入れました。娘はとても喜び、夫とともに生家せいかをも上回る長者となって、幸せに暮らしたということです。


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