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大宝小宝

 さて。

 あるところに、いつも自分の集めた宝を自慢している金持ちがおりました。これが他人に見せびらかしては鼻にかけて勝ち誇るので、見物人は面白くありません。あるとき、いつものように自分の宝を見せびらかしている金持ちに、それを見物していた貧乏人が言いました。

「あれはどうやら余程凄い宝を持っているつもりのようだが、何のことはない、どれもがらくたばかりで、大したものは持っていないじゃないか」

 これを聞きつけた金持ちは、憤慨ふんがいして貧乏人に言いました。

「そこまで言うのだから、自分は凄い宝を持っているとみえる。ならばよろしい。ここでお互いの宝を比べて、どちらの方がより優れた宝を持っているか比べてみようじゃないか」

 いいとも、と貧乏人が引き受けたので、さっそくふたりの宝比べが始まりました。

 金持ちは早速、次から次へと豪華絢爛ごうかけんらんな金銀財宝を運ばせてきて、これ見よがしに並べてみせました。その絢爛たるや、見物人たちも思わず感嘆の声をもらします。

「どうだ、私の宝の数々は。これに勝る宝を持っているというのなら見せてもらおうじゃないか」

 既に勝った気でいる金持ちに対して、貧乏人はこれといって何も携えてはおりません。ただ、ふたりの子供を後ろに連れているだけです。

「何だ、何も持っておらんじゃないか。所詮しょせんは貧乏人、口先だけのひがみだったか」

 せせら笑う金持ちに対し、貧乏人は黙ってふたりの子供を横に並んで立たせると、堂々きっぱりと言いました。

「この子らが、おれの宝だ」

 誰も何も言えませんでしたとさ。


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