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骨抜きにされる
さて。
あるところにクラゲがおりました。この頃のクラゲにはまだ骨があり、海の中を素早く、華麗に泳いでいました。
あるときクラゲは、とても美しいメスのクラゲを見かけました。そのメスクラゲがあまりに美しいのでクラゲはすっかり夢中になってしまい、寝食を忘れてメスクラゲを追いかけてしまいました。いつも心ここになく、気もそぞろで、ふわふわとしてしまっているため、泳ぎ方もそれまでの華麗な泳ぎから弾みをつけて浮き上がるような泳ぎにかわってしまいました。
そして、いつものようにメスクラゲの後を追っていたとき、弾みをつけて浮き上がった拍子に、とうとうすっぽりと骨から抜け出してしまいました。しかしメスクラゲに夢中のクラゲは気が付かず、何だか身軽になったとばかりにさらに勢いよくメスクラゲを追いかけます。
ついでに、追われているメスクラゲは追ってくるクラゲが骨を忘れてきた瞬間を目撃して、びっくりして飛び上がった拍子に、こちらも骨をするっと落としてしまいました。
それ以来、クラゲは皆骨がないんですってよ。




