蒟蒻はお芋
さて。
あるところに、るんちゃんという物知りな女の子と、ひぃくんという単純な男の子がおりました。
るんちゃんがひぃくんに言います。
「ねえねえ知ってる? 蒟蒻が何でできてるのか」
「知ってるぞ。バカにするなよ」ひぃくんは胸をはりました。「いつもいっつもおれをバカにするけど、それくらいは知ってるんだからな。じょーしきだぜ、じょーしき」
「へえ。それじゃあ、答えてよ。蒟蒻は何でできてるの?」
「ゴムだよ」
うわあ、とるんちゃんはあからさまに引きました。けれどもひぃくんは気が付くことなく鼻高々です。一応、るんちゃんは聞いてみることにしました。
「蒟蒻は、ゴムでできてるの?」
「そうだよ。だってあれ、あんなにぷるんぷるんしてるんだぜ。しかも、噛んだらぐにんぐにんしててさ。ありゃゴムだよ。そうに決まってる」
「ふうん……」あんまり堂々と言ってのけるひぃくんに、るんちゃんは苦笑しますが、面白いので正してはあげません。ただ、ひとつだけ訊いてみます。
「それじゃあひぃくんは、おでんのとき蒟蒻をたくさん食べるけど、つまりひぃくんはいつもゴムを食べてたんだね」
「え? それは……」
「私はゴムはさすがに食べられないなあ。さすがはひぃくんだね」
「そ、そうだよ。おれは凄いんだよ。でもおれ、ゴム食べてたのか……」
褒められて威張るひぃくんですが、ちょっと悩んでいるようです。
蒟蒻は、蒟蒻芋から作るんですとさ。




