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貧乏神の荷造り

 さて。

 あるところに、とても貧乏な夫婦がおりました。夫婦は特になまけけ者というわけではなく、いつもあくせく働いているのですが、定職にはつかず転々としているため、まとまったお金を稼ぐことができず、常に家計は火の車でした。

 あるとき、またお金に困った夫婦は、出稼ぎに行こう、という相談をしておりました。今度の仕事は長く家をけることになるため、荷造りもしっかりしておこうと決め、荷造りを始めておりますと、何だか屋根裏からごそごそという音が聞こえます。すわねずみか猫かと夫婦がこっそり屋根裏を覗いてみると、屋根裏の薄暗い中で小さな老人が荷造りをしています。

「やれやれ、忙しい忙しい。遠くまで出稼ぎに行くって言うんだからな! 全く貧乏暇なしとはこのことだ!」

 その様子を目にして顔を見合わせた夫婦は、こっそりと出稼ぎに行くのを取りやめ、外出するふりをして老人が出ていくのを見送ると、それぞれ定職を探して仕事につきました。

 そうしてみると、不思議とお金にきゅうすることは少なくなったそうな。


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