久々の対面
列車の出来事のあと
グラン達は喫茶店にて昼食をとることになった。
第3話 久々の対面
大将は一番奥の席を指定し
グランとアダムは隣
前には大将が座っていた。
注文を済ませ料理がくると
大将が話を持ちかけてきた。
「さて、今回の収穫を聞こうか」
グラン達はいろんな国を周っていた。
ただ一つの答えを探しに。
「そんじゃあ聞かせようか。
まず西洋国のリオール、あそこには興味深いものがあった。」
大将は真剣な目つきで続けろと言った。
「リオールの果てにいったところに何があるかわかるか?」
少し大将は考えた後
「あそこは森林が中心として国が成り立っている、
果てにいっても森林しかないのでは」
と答えた。
「確かに森林しかなかったよ。でもその森林を大きく抜けたところに大きな石盤があった。」
大将は手に持っていたコーヒーカップを
机に置いた。
「石盤だと、、?」
「あぁ。まだ実態は掴めていないからそれが何に使われていたのかはわからない。だけど、、。」
グランは少し言葉を止めたあと
小さな声で続けた。
「あの石盤に描かれていたのはおそらく魔術増幅器、魔導石を作るための術式の一部だ。」
「魔導石だと!!??」
大将は驚いたあと、グランやアダムと目配せした。
魔術増幅器と呼ばれている魔導石。
アステロル殲滅戦でミストラルの兵器が
実験として使っていた石だ。
その効果は絶大的で初心者魔術師でも
魔導術師並みの力を手に入れることができる。
殲滅戦が終わった後、その石を悪用して
国家を乗っ取ろうとしたり、殺戮を繰り返そうとした
者がいた。それ以来魔導石に関わる全てのものは排除したはずだった。
それがグランの話によると
その製造術式の一部がリオールにあったという。
大将は深く深呼吸をすると
「よし、とりあえずリオールでの出来事はなんとなく掴めた。次に進もうか。」
グランは次の話を始めた。
「あと俺達が行ってきたのは
南の大国ウォルガと東の番人クロンだ。
クロンでは特に何もなかったんだけど
ウォルガは領地問題で暴れていたよ。」
相変わらずうるさい国だな、ウォルガは。と大将は言うとコーヒーを少し飲んだ。
「グラン、アダム。お前たちまさかウォルガで暴動に参加などしていないだろうな?」
「参加はしなかったけど止めには入ったよ。
でも領地問題の話だったからとりあえず
一時休戦という形にはしておいた。」
「お前達、もしリオールにあった術式の一部の続きがわかったなら連絡を入れろ。すぐこちらで対処しておこう。」
「さんきゅ、助かるぜ。大将。」
話が終わったところでグランとアダムは
大総統閣下に顔を見せるために本部に立ち寄った。
大総統閣下の部屋の前までたどり着き
軽くドアを叩いた後中に入った。
「閣下ー。久しぶりですー、、。あれ?」
部屋の中に大総統閣下の姿はなかったのだが
二人の人がいた。
「あれ?グランにアダムじゃん。どうしたの?」
「あらあら、わざわざ閣下のところにくるなんて珍しいこともあるのね。」
そこにいたのは選ばれし7人でグラン達と同じ魔導術師の
雷撃のジラードと天空のフィリアだった。
「おう、久しぶり。フィリアとジラードはなんでここにいるわけ??」
フィリアは少し笑ったあと
「私は少し散歩していたところを閣下に見つけられて
部屋で待機しておいてくれ、と言われたの。」
グランが少し驚いた表情をみせたあと
「じゃあそろそろ帰ってくるかな?」
と尋ねると
「多分帰ってくるわ」と答えた。
「ジラードは?」
「俺はレオさんに雷の使い方の応用を
教えてもらっていた。」
同じ電気を使う術者なので話が合うのだろう。
「大将と特訓とかお前よくやるな。
俺ならすぐ逃げ出すぞ。」
「それはグランが面倒くさがっているだけだろう。」
などと会話をしていると
ドアから大総統閣下が帰ってきた。
「えらく賑やかな声が聞こえてきたのでな。
フィリアとジラードはとにかく
グランとアダムがいるとは驚いたな。」
「閣下、久しぶりです。体調の方は大丈夫なのですか?」アダムが聞くと
大丈夫だ。と答えてくれた。
相変わらず元気そうだな。閣下は
「ところでグランくん?君あちらこちらで色々しでかしてくれているようだな??」
グランの行動が派手すぎたため、閣下にも情報がまわっていたようだ。
「すみません。ちょっと色々あって派手なことをしてしまいました。」
顔を上げなさい、と言われ顔を上げると
閣下は何か満足そうにしていた。
「久々に君達に会えて嬉しいよ。
あ、そうだ。フィリアさん。ほら、これをあげよう」
フィリアは何かを閣下から受け取った。
それは紅茶のパックだった。
「これはジャスミンティーの香り。
よいのですか、閣下?」
「よいぞ。何せお前さんは紅茶が好きだったろう?
ゆっくり飲みなさい。
では、私はこの辺で。次の仕事があるのでな」
そう言うと大総統閣下は笑いながら
外にでていった。
するとグランも
「アダム、俺達も外に行くか。」と言うと
フィリアが何をしに行くつもりなのですか?と聞いてきた。
「なぁに。軽く運動しにな。お前達もくるか?」
フィリアとジラードはグラン達と共に
外にでた。
久々の対面だったので
魔導術師同士で力比べをすることになった。
グランはフィリアと。アダムはジラードと。
まずはグランとフィリアが前にでた。
アダムが開始の合図をすると
グランは早速無気力パレットを繰り出した。
軽く手を振りフィリアに攻撃を開始する。
だがフィリアも腕を上げているので
そう簡単には当たらない。
「手を抜いていると私が行きますよ!」というと
フィリアは空高くまで舞い上がった。
そして
「久々に会えたのです。私の新技を見せてあげます。」
と言うとフィリアは天に向かって右手を伸ばし何やら
光エネルギーをためていたようだった。
一目でやばい。と判断したグランだったが
一足遅かった。
「まっず!反応が遅れたっ!!」
「いきます!砲撃魔導!!ホーリーゾーン!!!」