殲滅戦の合図
「ふはははは。やはりそのペンダントはアリアからのプレゼントだったか。」
ラースは状況を気にせず笑っている。
その時を境に一気に魔導術師が動き出した。
第26話 殲滅戦の合図
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!
破壊魔導!!零マグナム!!!!!!」
グランが紅眼を使いラースの背後に回り込み
まず1発目。
ズギュュュン!!!!
その爆撃とともに白い霧が視界を遮った。
すると霧から刀が見えて
一気にその白いものを吹き飛ばした。
「その程度でやられると思ったか!」
「この程度じゃぬるいって?だったらもっといくからね!さっきの話はこれが終わってから聞かせてもらうぞラース!!爆撃魔導!メテオクラッチ!!!」
気を抜いたその瞬間を見切り
アダムが指を大きくならした。
ドガァァァンと盛大な爆発音に手応えを感じていた。
爆風がなくなると
右腕を吹き飛ばされたラースがいた。
「なんのこれしき、、!!」
ラースがそういうと一瞬で右腕が再生した。
「、、、鳳凰。」
その短い言葉がどこからともなく聞こえてくる。
「果てろ!!炎獄蘭舞!!!!」
クロノスの鳳凰が大きな炎を纏い
刃先が一気に振り落とされた。
凍える吹雪が一瞬で熱くなり
辺り一面から雪が消えてなくなった。
だがラースの姿がどこにも見えない。
「っ!!後ろだよ!クロノス!!」
アダムが大声で叫んだときにはもう遅かった。
クロノスは背後をとられ
思いっきり切り刻まれた。
「てめぇ!!零マグナム!!!!!」
その状況を見て怒りを魔導式に込めて
グランは大きく放った。
だが見切られていたのか上に逃げ込んだ。
「だから甘いと言っているだろう!魔導術師!!」
「甘いのはお前だ!!炎獄蘭舞!!!!!!」
その声にラースは驚き後ろを向いた。
そこには炎を纏ったクロノスがいた。
「お前が調子のって切り刻んだのは!!
俺の作った幻なんだよ馬鹿野郎!!!!!!!」
そうして炎が一気に大きくなり
ラースに直撃する。
そのまま勢いで真下へと吹き飛ばされた。
アダムやグランが備えて下で魔導式を展開させていた。もはやラースに勝ち目はなかった。
そう判断したラースは近くの凍りついた時計塔の上にあがった。
「ふははは。魔導術師よ。お前達がここにいてもいいのかな?これだけいれば相当な戦力になると思うがなぁ?」
ニヤニヤしながら挑発をかけている。
「どういう意味だラース。」
グランが根から吐かせようとした瞬間
突然連絡が入ってきた。
そして音声を聞き取ろうとする。
連絡を入れたのはカムイだった。
「た、、大変っすよグラン!!ミストラルが数え切れないほどの暴走危惧種に進撃してきて手が負えないっすよ!!」
その声の奥から聞こえてくる
街の人々の悲鳴や爆発音から、どれほど危機的状況なのかがわかった。
気づくとラースの姿もなくなっていた。
「今すぐ行くからもうしばらく頑張ってくれ!」
そういって連絡を断つと
グランは一斉に指示をだした。
「俺達、魔導術師は今からミストラルに向かう!ここから出発したらおそらく最高5時間で向こうに戻れるはずだ!!クロノスもこっちに来てくれ!!ライとドロシーに関してはまだこの場にいる暴走危惧種の討伐を依頼する!!」
その一声でみんなが一斉に動き出した。
そんな中グランにもひとつわかったことがあった。
きっとこれは
アステロル殲滅戦よりも派手な殲滅戦になる。と




