進んでく刻
「グラン!様子が、おかしいのです!!」
その叫び声は電子機器を通じて
グランの耳元に届いた。
「ミロスの民が、、突然全滅しましたわ」
第25話 進んでく刻
グランたちが討伐しているところに
奥から人影が突然現れ、
アッドロームをライとドロシーに任せて
4人はその影に戦闘態勢を向けた。
「やあ、苦戦しているようだね。
実に愉快だよ。魔導術師諸君」
そう言いながら刀を振りかざし
雪風を吹き飛ばした。
その瞬間グランは目の前にいるのが
誰かを特定することに成功した。
以前に見覚えがある。一度会っているからこそわかる。
「なんでお前がここにいるんだ!ラース!!」
スタスタと雪の上を歩くとふと足を止めた。
こちらを見てニタニタしている。
「久々だな、紅眼のグラン。近くにいるのは帝王クロノスに氷結のガゼル、そして、、」
少し言葉がつまり声を発した。
「空間のアダム、、かね。」
名を呼ばれたアダムが驚く。
「ねぇ、なんで君は僕たちの名前を知っているの?
というより会うのは初めてだけど??」
その言葉を聞いたラースは
刀を下に振り、大きく笑った。
「アダム、と言ったかな。君は、、、」
言葉を紡ごうとしたラースの目に
何かが入ってきた。
「ふふっ、。」
小さく笑ったラースに
なにがおかしい!!とアダムが怒る。
「はははは!まさか貴様、本当にその飾りで!!
笑わせるなよ!エース!!」
グランたちは話に全くついていけてない。
「アダム。貴様の首にかかっているものはなんだ」
そうラースが聞くとアダムはすぐに答えた。
「これは昔母さんからもらったペンダントだ。」
その言葉にまたラースが微笑をこぼす。
まるでアダムを遊んで、いや。
アダムで遊んでいるかのように。
「その母親の名前は?」
え?とアダムは言葉を失った。
そして次の瞬間アダムはその返答をした。
「僕の母さんの名前は、アリア・クレアだ」




