北国の現状
そんなこんなでグランたちは
ガゼルの足跡を辿りながら小さな小屋に辿りついた。
ガゼルがドアをノックすると
ドロシーとライが笑顔で出迎えにきた。
第23話 北国の現状
「おかえりなさい。ガゼル様、そちらの方は一体?」
ん?
ガゼル、、様??
グランは軽くガゼルの肩を叩いて
そっと呟いた。
「おい、お前なんで様付けで呼ばれてんだよ。」
「そんなの俺も知らん。勝手にあいつが呼んでるだけだ。」
コソコソと会話をしている側に
前回からずっと空気になっているアダムに
ライが目を向ける。
「貴様、どこかで一度会わなかったか?」
と言っているがアダムにはそんな記憶なかった。
「いや、ここで会うのが初めてだと思うけど?
あ、忘れてた。僕は空間の魔導術師のアダム・クレア。よろしくね」
その自己紹介を聞いてライは驚いていた。
「ほ、本物なのか?本物は空気にすらなることができるのか?」
「え?ちょっ、。酷くない?ねぇ??」
アダムはもうすでに半泣きでぐすぐすしている。
そんな中でグランが話を進める。
「ほら、アダムも泣いてないで早く進めるぞ。
今回の暴走危惧種の討伐に関してなんだけど、その中からでてきた赤い石について
何か知っていることはないか?」
ライとドロシーは顔を見合わせて首を傾げている。
ガゼルの表情からも何も知らないというのがわかった。
「んじゃあ、俺の知ってることを教えよう。」
全員が不思議な顔でグランの後ろを見つめた。
グランは大きな音を立てながら
椅子から落ちていた。
「は!?お前がなんでここにいるんだよ!?」
そこに立っていたのは
フードを深く被った一人の男の人だった。




