極寒の監獄
「ひとつ頼まれてほしいことがある。」
グランの頼み事を断らず
カムイは頼み事を聞き入れたのだが用件は
「お前にしばらくミストラルに赴任配属してもらう」
「、、え??」
第19話 極寒の監獄
カムイは用件の内容を聞いて唖然していた。
突然ミストラルに配属されることになってしまったのだ。
「ちょっと待ってくださいよ!どういう理由で配属されないといけないんすか!?」
謎めいた表情でグランを見つめている。
すると大きくため息をつき話始めた。
「今回カムイを配属したのは、俺たちがしばらくここにいないからだ。」
「二人ともどこかに行くんすか?」
「あぁ、そうだ。場所は、、、」
グランが行き先を伝えようとしたとき
アダムが話に入ってきた。
「極寒の監獄って呼ばれてるとこわかる??」
カムイは必死に頭を回転させて
どこか考えている。
「あ、もしかしてミルディンっすか?」
正解!とアダムは両手で輪っかを作る。
そのやり取りを聞いてグランは
具体的な内容を話始めた。
「そう。俺たちが今回行くのは極寒の監獄と言われる
ミルディンだ。最近ミルディン国内で
暴走危惧種が出現しているらしいんだ。それでそいつを作り出してる奴らを
暴き出さないといけないんだ。
てことでカムイにミストラル配属を頼んだ訳だ。」
なるほど、とカムイは首を縦に振った。
すると少し思いついたようにカムイが話す。
「そういえばミルディンになら、あの氷河帝がいるんじゃないんすか?あいつに任せればいいのに。」
グランはその言葉を聞いて少し笑った。
「いや、あの氷河帝が暴走危惧種に殺られかけてたから、クロノスが助けたんだとさ。だから代わりに護衛に行くというのもある。」
「でもガゼルが殺られかけることなんかある?
だってただの暴走危惧種なんでしょ?」
アダムの言葉にグランは目を逸らした。
「いや、そうじゃないんだ。
クロノスが倒したあと、胸元になにか赤いものがあったからそれを引っ張りだしたら、、、」
「、、まさか!」
驚いた表情にグランは頷く。
「その暴走危惧種は
魔導石を心臓に所持していたとのことだ。
俺も本物をみた訳じゃないが
そのあとしばらくしたら、石が砂になって消えたそうだ。」
グランの言葉にカムイとアダムは驚いた。
「あの魔導石が砂になった、?
だって魔導石は魔術増幅器と恐れられる通り
なにを使っても壊すことのできない完全体じゃないんすか!?」
「それが詳しくわかっていない。だから、、」
その瞬間カムイとアダムの背中に
寒気が突然走った。
「だから、俺はその石を作り出した奴らから
石の材料を聞き出す。どんな手を使おうと。」