7話 「配属部隊」
土日なので頑張りました!
グロ注意です!
「ふんっ!」
「あべっ!!」
「ごぷっ!!」
俺は両の手を使い屈強な男二人の首を逆方向に捻じ曲げていた。己の強さを試してみたかった。ただ、それだけの理由で俺は二人の男の命を亡き者にした。
他人の命に価値なんて存在しない。この世でもっとも重要視するは自分。他人の命など消耗品である道具にすぎない。
自分より大切なモノを挙げてみろ、そう言われて即答できる人間はいるだろうか?だが、俺ならば寸分の迷いもなく己と答えるだろう。
「てめぇが最近この辺で暴れまわってるって男か……」
「おいおい、中々の大群じゃねぇーか。こりゃあいい暇つぶしになるぜ」
「ほざけっ!!」
こういった戦いでは筆頭を潰すのがもっとも賢いやり方だがそれでは余興にならない。俺がどれだけ強いか見せしめ、あの筆頭に恐怖の二文字を感じさせたい。
そう思うと俺は笑みが止まらなかった。
あいつは数で勝ってるからこそ慢心している。
あらゆる戦いにおいて勝ち負けが決まっていない時点で慢心をすることはもっとも愚かな行為だ。それこそが多大な敗因になるのだから。
「流石に……、しんどい……」
「あっ……ぁああああ!!!」
「おいおい帰るのはまだ早くないか?」
俺は逃げようとする筆頭の手首を掴むなりその骨を砕く。その痛みに筆頭が苦渋の声を漏らすが俺は気にせずその砕けた部位を握る。
その筆頭の苦い表情と恐怖がヒシヒシと伝わってくる。
「俺が今からあんたに何をすると思う?」
「い……命だけは…」
「今からお前にするのは拷問だ。しかも何の意味もない拷問だ」
「こ…殺すなら今!頼む……あぐぁっ!!ぁあああああ!!!!」
男の砕けているであろう手首を渾身の力で握る。これでさえ彼にとっては拷問だろう。
「安心しろよ、これから感じる痛みはこんな鈍い痛みじゃないからよぉ」
「ぁあ……」
「さっきまでの威勢を俺に見せてくれよ?なぁ?」
「うわぁあああああああ!!!」
両目を潰し、両手両足を切断し、両耳を削ぎ落とし、首を切断。
そんな拷問を終えた後の俺の姿は血まみれだった。
「ねぇ?」
「あ?」
そんな拷問を終えて死骸を道端に捨てた時、誰かが俺に話しかける。
いや、ただの独り言だったのかもしれない。
「この世界は美しいね」
「は?」
「私は本当に光栄だ。こんな素晴らしい世界に生まれてこれて幸せだよ」
「こんな生臭い景色より美しい物が見える世界を俺は知ってるぜ。だから来いよ」
「……え?」
何故だろう?
俺はその時、そう少女に話しかけた。
そして、その少女の手を掴み、ある場所へと駆け出した。
☆
「新兵諸君!テストの時も紹介したが私は第二部隊の隊長を務めるアスラだ!!そして君たちは今日からこの城を命を賭して守る兵士となったのだ!!」
「あの男……何考えてる」
「んだよ、お前もわからないのかよ」
「トウマが読めなかったら誰も読めない」
「俺はそんな心理戦に向いてないっての」
恐らく、悔しいが心理戦になれば俺はあいつに劣るだろう。まるで読めない男。意図的かどうかわからないがあいつはあのテストの時に俺だけに問いを投げつけた。
予測不能な行動をしたからこそテストは切り上げる形で終わったがあれはもしかすると意図的に操作されたものなのではないか?
そう思いはじめる心もあった。
「それでは今から配属部隊を発表する!!」
出来れば、アリスがいる第三部隊に配属されたいものだ。
「第一部隊配属兵士~~~」
知らない名前が淡々と読み上げられていく。そこに俺の名前がないことはわかる。
「第三部隊配属兵士、リン・ミオン!リューシュ・アルデナク!」
どうやら俺はアリスと違う舞台に配属されるようだ。あいつなら俺の強さを理解してくれてるから操作しやすかったのだが……残念だ。
「第七部隊配属兵士、ラハール・コバルト!トウマ・トウジョウ・フウ・ミサキ!」
呼ばれた俺たちは返事をして前にでる。どうやらハーミットと同じ部隊のようだ。
「だからハーミットじゃない!」
「読むんじゃねぇーよ!!」
「くっ!!貴様と同じ部隊とは胃が痛い!!」
「胃腸薬買ってこようか?お前の金で」
「そこはせめて同情して君のお金だろ!?というか貴様のせいで痛いんだよ!!」
「おいおい、君か貴様かキャラ固定しろよ……はっきりしない奴だ」
「やはり調子が狂う!!」
「というか俺たちだけじゃないだろ?」
と、俺はもう一人の名前の主の方を見るとそこには思わぬ姿があった。
「へぇ……」
「やはり、貴様はあのような平らな胸が好きなのだな」
「人をロリコンみたいに言うんじゃねぇーよ」
薬物兵士を躊躇いなく殺した少女の姿がそこにはあった。
綺麗な透き通った碧眼の瞳と緑より薄い黄緑の髪そして小柄な体ながらの反射神経のよさ。なにより殺す事への覚悟。
「こりゃあ面白い奴となったもんだ」
あれ?主人公ロリコン?