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勇者な俺と魔王な彼女  作者: ロドニー
兵士試験編
2/33

1話 「三割くらい」

※6/11

 改稿作業完了

「冗談……」


結界の張りつめるような空気とは違う、新鮮な空気が俺の鼻を擽るように通り抜ける。体には少しの気怠さがある。何より視界には見覚えのない大地が広がっていた。


荒廃した大地、周囲の気配を探るが人らしい者は感じ取れない。


先程まで『絶対的な無』に俺はいたはずなんだが……。


「永遠の封印だと思ったんだがどういった心の変化だよてめぇ」


「…私にも……わからない……」


「あ?てめぇーが外に出たいと思わない限りこの結界は壊れなかったんだよ」


「あなたがいった……言葉を理解したかった」


何年前いつの話だよそりゃあ……」


俺自身がうろ覚えだった。結界の中でどれだけの時が流れたかはわからないが少なくともこの世で俺を知った人間が存在する事はないだろう。


「ずっと……一緒……約束……」


そう、小柄な銀髪の少女は俺の腕に寄りかかってきた。


「なんだってんだよ……」


「ぐーぐー」


「寝てるんかい!」


俺の虚しい突っ込みが新たな大地に響き渡った。



「ちっ、さっきから奇怪な視線浴びてらぁ……」


「ぐーぐー」


「間違いなくこいつのせいだな」


俺の背には薄着の銀髪の少女が背負われている。そんな俺も薄着で小汚い。そんな俺たちは巨大な城が建っていた町にいた。


かなりの距離があったが少し本気を出して走ればすぐに着いた。というか正確にはこの城の付近からしか人の気配がしなかったのだ。


「しっかし、情勢やら財政はどうなってるんだ一体?」


まぁ前の世界でも知らなかった事だが勇者っぽいので言っておく事にしよう。これで人気度アップってもんだ。


「どうして裏世界の人間が」


「あ?」


「ひっ!」


俺を見て何かを呟いた男を睨むと、男はすぐに走り去ってしまう。臆病な男だ……それにしても、裏世界とは少し興味が沸く世界ワードじゃないか。


まぁ、それよりも……。


「つけられてる」


「ああ、さっきから鬱陶しい」


数は五人?いや、四人か……気配を殺すことがなってないな。こんな生半可な気配ではあそこに行けばすぐにお陀仏だ。


まぁ、何かしらのアクションを見せないと言う事はただのストーキングだろう。まぁ大方イケメンな俺にどう言葉を伝えるか悩んでいるのだろう。


「ふっ、イケメンってのも罪だな」


「全員男」


「全員殺す」


まぁわかってたけど。


「というかお前わかってんの?俺たち無一文だぜ?」


「人間を喰えばいい」


そういう事を言いたかったわけじゃないんだが……。


「というか俺は食えねぇーよ!それと食うんじゃねぇ」


「なら何を食べる?」


「そうだな……鳩でも食うか?」


「平和の象徴……」


「あんな糞を漏らすだけの家畜は人間様の胃袋に直行だ」


「あなた……とても勇者とは思えない」


「僕は世界を救う勇者デース」


「だけど……強い」


「お前何言ってんの?俺は弱いよ、魔王すら倒せない生半可な覚悟を持った雑魚な勇者さ」


「違う。あなたは仲間全員を庇いながら尚且つ本気以下の力で私と戦っていた」


「本当にそう思うか?」


魔王は迷うことなく、コクりと縦に頷いた。俺はその答えを曖昧にしたまま町を放浪した。だが、四つの視線はまるで消えようとしなかった。


「いい加減うぜぇーな」


時間はわからないが暗くなっていた。俺は町にあった空き地のような場所に来ていた。魔王はまたもやお休み中だ。寝息が俺のストレスを掻きたてる。


「出て来いよ。もう気付いてるぜ?何の用だよ」


俺がそう公言すると物陰から四人の男が姿を現した。どいつも騎士のような姿をしていた。1000年前とは違い硬く軽そうな鎧だ。相変わらず、役に立たない兜だ事……。


そして、先程まで疑心的な敵意だったが今を持ってそれは圧倒的な殺意に変わったのがわかる。


「いいねぇ、その殺意。てっきりもう味わえないと思ってたぜ」


「何故裏世界の人間がここにいる」


「裏世界?なんじゃそりゃ」


「とぼけてるいるのか!!裏世界!スラム!!クズの居座るべき場所」


「同じ人間なのに酷い差別だな」


結局、どんなに時代が変わろうと人間ってのは偽善を振りかざすんだな……。多少、この世界に絶望感を覚える。


「黙れ!!」


「あの世界の人間は生きる事が罪なんだ!!」


「反吐が出るね、人間が人間を見下して……まぁ、そんな事は俺に関係ない要件を言えよ」


「隊長!!!こいつを殺す許可をください!!」


一人の男の剣先がこちらに向けられる。俺は素手で向こうは甲冑に剣……。ハンデにすらならない。正直こんな殺意漏れ漏れの奴らは片手で勝てる自信があった。


「駄目だ。そう簡単に人を殺す許可はできない。この人が裏世界の人間という確証はあるの?」


……ほう。


俺はそいつだけを高く評価する。


「くくっ」


「貴様!!何を笑っている!!」


微量な気配だったからこそ確信できなかったが。まさか本当にいたとはな。茂みから現れたのは長い金髪を顔を覆った兜から垂らしている少女だった。


この中で一番強いな。いい運動になりそうだ。


「おいお前。ちょっと俺と手合せしろよ」


この鈍った体を動かすには丁度いいだろう。


「貴様隊長を指名するなど百年早いわ!!この俺を……」


「この俺を何?」


俺はノータイムでその男の首筋に手を当てる。戦いは合図で始まるもんじゃねぇーんだよ。甘い兵士だ。


「殺す」


「ひっ!!」


俺は男の首に掛けていた手に力を込めて、首を回転させようとするが少女の声が二人の少女の声が俺の頭の中で重なる。


『『勇者になるなら人だけは殺してはいけない』』


「ちっ!」


俺はその男の首筋に手刀を当てて失神させる。


三人の男が明らかに動揺しているのがわかる。


「面白い、寧ろ私から手合せを願いたいわ」


「……なぁ?あんたその兜邪魔じゃないのか?兜なんて飾りだろ?視界は悪くなるし速さも減速、何より頭は守れても首を守れていない。脳を守るのはいいが首を取られても人間が死ぬ事を忘れてはいけない」


何処かの誰かに言ったことをもう一度繰り返す事になるとは思わなかった。自然に頬が緩んでしまう。


「ふっ、確かに」


そういい少女はその兜を投げ捨てた。そして、そこから現れた顔は実に美しいという言葉が似つかわしいものだった。流麗な長い金髪に透き通るような空色の瞳。可憐という言葉を持って彼女を表現しよう。


「へぇ、あんた中々俺好みな顔してるぜ?一発ベッドでかまさないか?」


「私を屈服させたら考えるわ」


「大した自信を持ってるじゃねぇーか。ますます俺好みだぜ」


あの場所にいた女性も同じように強気であった。だが、力で屈服させれば誰もが俺と一発かました。


「一応言っておくけど、先程の動きは読めたわよ?あれで勝てるつもりなら少し舐められたものだわ」


「なるほどな、それならもう少し力を入れて戦ってやるよ……」


「何?」


三割くらいだな……。


俺は左右に反復しながら少女に真っ直ぐ突っ込む。少女にとってこの攻撃は完全な規格外な動きだったであろう。だが、俺は呆気としているその少女に三割ほどの力を込めた蹴りをぶつける。


「ぐっ!!」


少女は表情を険しい物に変えて膝をついた。鎧越しとはいえかなり堪えるはずだ。


「脆いな……」


「隊長ぉお!!!」


「貴様ぁああ!!」


「よ…せ……」


隊長と呼ばれる少女は俺に攻撃しようとしていた男三人を止める。まぁ、確かに無駄死になるのは確信だしな。ちなみに魔王を背負ったままという事に今気づいた。

※6/11

 改稿作業完了

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