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とてもじゃないけど、俺には無理です。

 晴れて私立凪高校に入学した俺は、さっそく小さな壁にぶつかっていた。

凪高校では、新入生は必ず1ヶ月以内にどこかの部へ入らなければならないという校則がある。

入らなければ、高校生活にやる気がないと見なされ、即!退学!になるのだ。

別に爽やかな青春を送ろうとも思わない俺は、普通にいけば帰宅部を選択するところだ。


だけど、さっき知らないやつが話していたが、うちのような学校にも確かに帰宅部は存在するらしい。

だが、その内容とは、ありあまった放課後の時間を有意義に利用するために、他の部活の生徒の5倍課題をこなさなければならないというものである。


ちなみに、一回入った部活は退部することは出来ない。


退部=退学と直結してしまう鬼のような我が校である。

ちくしょう・・・知ってたら入らなかったのに。

ジャージのデザインでこの学校入ってしまった。


もう4月に入ってしまっていて、タイムリミットが近づいている。

本来ならば、帰宅部に入りたい。が、入ったら青春の汗と涙どころか、冷や汗と血の涙が流れてしまいそうなので、俺はとりあえず今日の放課後体育会系ではない部活の見学に行こうと思う。


☆★☆


 5時間目の眠たくなる数字の計算式を解いた後、帰りのホームルームを終え、今日は掃除当番ではなかったため、早く部活見学に行くことができた。


まずは、男だが、料理部へと行ってみた。家庭科室が集合場所で今日はクレープを作るらしい。食べるの専門な俺でも作る方に回れそうなのかを見定めて入ろうと思う。


結果は・・・クレープ生地を焦がした上ボロボロに破いて「悲惨」というタイトルがつきそうな可哀想なクレープが出来上がった。


既存の部員である先輩たちが

「これは一種の芸術だね」

と苦笑いしながらフォローしてくれたのだが、恥ずかしくなった俺はクレープとともに部室を後にした。


次に、茶道部へと向かった。もちろん目当ては和菓子だ。

「男の子が入部希望なんて珍しいねー」

「入部の理由って何かな?」

と聞かれた俺は

「抹茶の苦さが気になって、茶道部を体験してみたいと思いました」

と、もろ茶道知りませんというありがちな理由を述べてみた。

もう一度言う。俺の入部の決め手は和菓子にかかっている。








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