表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

余 陽だまりの中で

上気する巫女と男との交わりを邪魔するように影から声がする。


「やれやれ、今回は手ひどくやられてしまったが、手の内の一つは知れた事だし、まぁ次回はもう少しうまくやるとするかね」


「次があるとお思いですか?」


「ああ、もちろんだとも、貴様達だとて、今は打つ手もあるまい、ゆるりと逃げさせてもらうさ」


*


余 日溜まりの中


 緩やかな午後の昼下がり、小さな猫が、一人の青年の膝の上で丸くなる。清楚なる巫女が現れ、その傍らにお茶を置く、そして、その後ろから、神無のどんよりとした声が響く、「…膝枕、…膝枕、わたしですらそんな事やってもらった事ないのに…」あの後、正気を取り戻した綾音は、その場に額をこすりつけながら喚くように言った。「数々の無礼と非礼をお許し下さいなのですにゃ、なんとお優しく、素敵な方なのですかニャ、杜若 綾音、あなた様に惚れたのですニャ、あなたのもとにいれば、私でも、きっとお役に立てる気がするのですニャ、ご恩返しをせねばならないのですニャ、猫又一族の厳しい厳しい掟ですのニャ」そうして、新たなる居場所を確保した子猫あやねは、主の膝の上、心地よく寝言をたらす「ここは気持ちがいいのですにゃ、ここはいごこちがいいのですにゃ、ようやくみつけた、私の居場所なのですニャ、ここは譲れないのデスにゃ」


 日溜まりの中、静寂が破られ、女達の日常たたかいが始まるのはいつもの事だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ