黒い縁
「どぉ♪ しよっかなニャ、どぉ♪ しよっかにやぁぁぁ♪ 今なら殺れそうな気がしちゃう、そのあと後ろのおじ様も惨殺とかス・テ・キっ、だって源十郎、呪怨解除しないまま解放しちゃうんだもん♪ だからこの姿になれたんだけど 今のわたし、源十郎を殺したい気持ちで一杯なのにゃぁぁ♪♪」
「そうか」一言、男は、目の前の美女の言葉を無視して、敵対する男の方に無造作に歩みゆく「にゃ!? にゃにゃにゃ、なんてことしてくれるニャ、無視するニャ!!」抗議つつ源十郎に注がれる銃弾を綾音は弾き落とす。
「主様、この呪怨を利用すると、そうおっしゃりますか、化け猫を剣とすると、また難儀な者を」
「今更だな、綾音、しっかりと護らないとお前以外に殺されてやるぞ」言いざま、彼は無造作に彼女の横を通りすぎ、敵に向かって歩みはじめた。
「む〜、う〜、むー、わかったニャ、わかったですのニャ、利用されてやるのですニャ、呪怨を結んだまま殺されでもしたら、洒落にならんのですニャ」
「笑止、せいぜい主様の剣として折られないよう気をつけなさい」
「神凪」
「御意!!」答える声は凛として、すかさずその一言で主の意を汲む、「剣が剣として機能するならば、私は神の意すら凪がせる盾となりましょうぞ」
「操術、杜若 綾音、その意は我が繰り意図の中にある」
「ニャ!?」言葉は鎖となって綾音のすべてを手中に「神裂、一の太刀」力ある言葉は暴風となって、彼女の意志を一つの刃に集約する。自分の身に何が起こったのか綾音が認識する間もなく、彼女は一刃の風となって、敵に殺到する。
身体中のありとあらゆる妖気を絞り出され、綾音は、意識を失い、その場に佇むのは、一人の巫女と男のみ「やはり一撃が限界か」「主様、命は守りました、誰一人傷つけることなく護りきっております。」誇らしげに彼女は言う。




