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黒い縁の落とし物

「ががが、が〜ん、ですニャ、ががが、が〜んですニャ、わかっていたです。わかっていたです。それでも万が一の望みを、希望を抱いていたです、だからこそ努力したです、マスター、あなたが差し伸べて下さった手は私の一つの光明だったとです。それも幻でしたか、かくなる上は、かくなる上は、せめてせめて、掟に従いじじじ、自決するですぅぅぅぅ」顔中の穴から液体を吹きだし、綾音かのじょは、号泣する。


「うむ、その方が始末の手間が省けるという物だ、気まぐれの余興にしては楽しめたよ、綾音くん、せめてその命を賭した呪怨ぐらいは失敗せずに発動させてほしいものだな、では、ゴミは放っておいて続きといこうか、人形遣い!!」


 おおつぶの涙を浮かべて震える手で自身にカタをつけようとする少女の頭に上に、ぽんと暖かな手がおかれる。「杜若かきつばた 綾音あやね いま お前の力が必要だと言ったら その力 貸してくれるか」


 その言葉は、彼女自身にかけらの疑いもなくかけられた、彼女自身の無力すら受け入れると だから彼女は、その囁きに頷いてしまったのだ。


源十郎きさまぁっ!!」「主様っ!!」悲鳴じみた二つの声が重なる。その一つは純粋に彼女あやねを心配する声、そしてもう一つは、なにかの焦りを含んだ声だった。


「杜若 綾音、すでに呪怨えにしは結ばれている。操術、身も心も委ねろ、お前の全てを解放してやる。」


 空気が変わる、一体、その身のどこにこれほどのものを隠し持っていたのかという妖気を纏い、一人の美女がその場に降り立つ、切れ長の瞳は細められ、自らを解放した源十郎おとこを殺気を持って睨め付ける。少女の頃にはその身に余った服から胸元を惜しげもなくさらし、翳りの部分からのびる白い脚は、猫科の動物特有のしなやかさを持って男達の目を捉えて離さない、その身にも向けられた銃弾を爪の一閃で払いのけ、そのいくつかを気まぐれのように源十郎に向かわせ、神凪がそれを打ち払う。


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