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曹植伝異説   作者: 洛神
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第1話

 曹植にまつわるこの話は後世の創作らしいのですが、夢があっていいじゃないでしょうか、登場尾人物は実在した方ですが、事実関係の多少の誤差はご容赦ください。

 魏の曹操は官渡の戦いで、北方の雄袁紹を大敗させ2年後失意のうちに袁紹はこの世を去った、曹操は子供たちを(ぎょう)に住まわせ自らは南に目を向けていた。

 曹操の三男である曹植は十歳の頃より、文章および詩に非凡な才を見せ曹操も武人としてではなく、文人として育てていくつもりで、戦地よりはるか離れた鄴城に住まわせていた、三公子曹植(あざな)子建(しけん)彼は屋敷の書斎で教育係りの陽修を相手に詩文の論議をしていると、陽修が不意に「三公子様、たまには馬で遠駆けをなさいませんか、屋敷を出て気分を変えてみてはいかがです」楊脩は曹操より曹一門には武人は沢山いるが文人は希である、しかも自分より遙かに秀でた才である学問に支障がないよに武術で体を鍛えるようにと主君より命を受けていた。

曹植は小さい頃より同じ年の子供と外で遊ぶより書堂でじっと先人達の詩文を鑑賞するほうが好きであるが尊敬する父曹操が自分に付けた楊脩の進言である、気が向かないまま馬に乗ると楊脩が「三公子様、本日はどちらに向かいましょう」曹植は自分が遠駆けに誘っておいてどちらにはないだろうと思ったが、気まぐれに、雨上がりの空に虹が見えたので「では、虹のかなたで落ち合おう」を合図に駆け出した、本来武術は好きではないが、父より武門のたしなみとして馬術の教育を受けていたのと、曹操の世継ぎ候補の馬である、駿馬中の駿馬を与えられているしかも馬上の人物は身の軽い十三歳の少年である、またたくまに楊脩や護衛の兵を引き離し草原のかなたに消えていった、二十数里程走ると大きいが質素な邸宅が見えたので、桑の木陰で馬を降り供の来るのを待っていると、しばらくして屋敷から侍女が出てきて「三公子様ではありませんか?主人がご挨拶をしたいと申しております、屋敷にお入りください」今まで空は晴れていたが、黒い雲が広がりだし雨模様となったのと、自分の身分を知っているので父の知り合いであれば、儀礼を欠くのと降り出しそうな雨を避けるために侍女に従い屋敷の中庭の離れに案内された、やがて暗い廊下を先ほどの侍女を伴い1人の主人の娘らしき二十歳位の人物が入室し(うやうや)しく挨拶し、曹植は娘がうつむいた顔を上げると一瞬息が止まりそうになった、綺麗と言うだけなら父の宮殿に行けば目の前にいるこの屋敷の娘より美しい娘は沢山いるだろう、この娘の軽く笑みを浮かべた姿を見た時、曹植は本当に美しい人を見たと思った。

 娘はこの屋敷の主で名は甄氏(しんし)袁紹の次男袁煕(えんき)に嫁いでいたが戦乱のなか父曹操の命を受けた長男曹丕(そうひ)の一軍が助け出し、以来この屋敷に身を寄せている、甄氏の父甄逸しんいつと曹操は面識がありその末娘が「河北に甄逸女あり」と言われた美女であることも、知っていた。

 「曹植様は詩文がすばらしいですわ」甄氏に褒められたのだが、それが曹植には甄氏に自分が軟弱な、人間に思われたくない、子供扱いされたくないのと、さらに一人前の男として見て欲しいために、

 「曹家は部門の家柄です、父に出陣の願いを出してあります」

曹植の五つ上の兄曹丕は十一歳で出陣しており、曹家の世継ぎ候補としては戦の出陣は遅いほうである、外からおびただしい馬蹄の音が止み静かになると、侍女が曹植の護衛隊が到着したことを告げた、曹植の馬を見てこの屋敷を取り囲んだのだ、陽修が屋敷内に入り曹植の無事を確認すると、再び部屋から出て行った、昼も過ぎ城に帰ることになり甄氏に門の外まで見送られたが、門を出るときに礼を述べ曹植は甄氏の顔を目に焼き付けた、馬に乗ってからももう一度顔を見たいと思ったが、子供と思われたくない為にそのまま、ゆっくり振り返らず馬を走らせた。

 曹植は屋敷にもどってから数日は詩文が手につかなかった、彼には勉強の他に曹操の三男としての公務もある、甄氏に会うにはどうしたらいい、曹植は自分に問いかけたそして馬術の訓練として甄氏の屋敷に立ち寄るようにした。

 

すこしづつ書き足していきます。

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