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【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線 〜セレニスに集う者たち、愛か使命か〜  作者: 久茉莉himari


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15/19

【15】セレニス恋愛戦線異常あり。〜悪魔は恋を動かし、科学者はピエロを愛す〜

セレニスのメインストリート。

クリスマス・イブ前日の午後、街は銀と赤の光で満たされていた。

その一角にある高級ジュエリーショップの前――

アンジュとロクシー、そしてルシアンの姿があった。


アンジュはショーウィンドウの中で輝く宝石を見つめ、目をきらきらと輝かせる。


「なんと美しい……! このきらめき、まるで天界の星々のようだな!」


ロクシーがにっこり笑う。

「でしょ? ここは私のおすすめ。アンジュちゃんにぴったりの宝石がきっとあるわ」


「ロクシーの選ぶものは、いつも理にかなっているからな!」


アンジュが嬉しそうに頷くと、隣のルシアンは静かに手を差し出した。


「アンジュさま。お荷物をお持ちします」


「おお、ありがとう! ルシアンは本当に気が利くな!」


ロクシーは――その様子を横目で見ながら、にやりと笑った。

(順調、順調……さて、“午後の布陣”が動き出す頃ね)


そう、店の扉の向こうに――二人の影が潜んでいたのだ。


チリン……。


扉につけられた小さなベルが鳴り、爽やかな声が響いた。


「やあ、アンジュ! 奇遇だね!」


リオだった。

笑顔は爽やかだが、額にはうっすらと脂汗。

そして、その隣には――


「うむ! わしも偶然、ここに通りかかったのだがな!」


アーチボルトが胸を張っていた。

だが、その頬も微妙に引きつっている。


アンジュが嬉しそうに笑う。


「おお! 二人とも! 偶然だな! 一緒に宝石を見ようではないか!」


(よし……セリフ、第一段階成功!)


二人は心の中でロクシーの脚本を確認していた。

――『自然な流れで会話を続けろ。バレたら作戦失敗。』


リオがぎこちなく手を伸ばし、近くのショーケースを指す。


「アンジュ、君に似合うのは……このネックレス、かな!」


「うむ! 見事な選択だ、リオ!」


「そ、そうかな!? はははっ!!」

(……セリフ通り言えた! よし俺えらい!!)


アーチボルトも負けじと続く。


「アンジュちゃん! 明日は合同でクリスマスパーティなどどうじゃろう?

リオとわしとで準備しておるのだ!」


「合同パーティ!? なんと華やかだな! 楽しそうだ!」


(……ふう、言えた……よし、ロクシーの指示通り……!)


二人が台詞を終えた瞬間――

ルシアンの背後の空気が、静かに変わった。


そのヘイゼルグリーンの瞳がわずかに揺らぐ。

無表情の奥に、確かな熱が宿る。


「……合同パーティ、ですか。」


低い声。

その一言に、ロクシーのタブレットを見ていたルチアーノが思わず叫ぶ。


「来たッ!!来た来た来たーーーッ!!!

ルシアンのジェラシー発動ォォォ!!!」


ロクシーがマイク越しに低く呟く。


「――午前の部、完遂。午後の部、効果確認完了。」


ルチアーノが震える声で返す。


「で、ででで……次は!? 夜の部は!?」


ロクシーがタブレットを掲げ、にやりと笑った。


「決まってるでしょ。

押したら引く! 夜は引き離す!

――“恋の終着点”は、明日!

セレニス・ベイのクリスマス・イブの夜会よ。」





セレニス・ベイ署――夜。

窓の外では、街のイルミネーションが波のように輝いていた。

ベックのデスクには、ナディアが差し入れたジンジャークッキーと、マシュマロ入りのココアが置かれている。


「ナディア、いつも差し入れありがとうございます!」

ベックが朗らかに笑うと、ナディアの頬がほんのり染まる。


――この笑顔、何度見ても眩しい……!

彼の笑顔と揺れる巨大だけで、私の研究データの九割は吹き飛ぶわ……!!


「ふふ……こちらこそ。ハロルドにはいつもお世話になっていますもの」

ナディアは優雅に微笑み、そっとスカートの裾を整えた。


数秒の沈黙。

そして――ナディアの瞳が、ふと真剣に光を帯びる。


「……ねえ、ハロルド」

ベックが顔を上げる。


「はい?」


「今度のクリスマス・イブの予定なんですけど…実は内輪でパーティを開こうと思ってますの?

来て下さる?」


「あ!はい!是非にッ!」

即答。ほぼ反射的だった。


ナディアは微笑んで頷く。

「そう……良かったわ。実は、少し変わったパーティでして。

研究者たちと関係者限定の“仮装クリスマスパーティ”。」


「か、仮装……ですか!?」

ベックの顔がぱっと赤くなる。


「ええ。

それぞれが“自分の理想を象徴する衣装”を身に着けて参加するの。

私は……研究者として、“知識と美の融合”をテーマにした衣装を考えているの」


「素晴らしい……!」

ベックの瞳が純粋に輝く。

「ナディアなら、絶対に誰よりも似合いますよ!」


――今よ、ナディア・ウォーカー。ここが勝負時!


「では……ハロルド。あなたも一緒にどうかしら?

あなたには“正義と勇気の象徴”の衣装が似合うと思うの。たとえば……聖騎士とか……ジョン・ゲイシーのピエロとか……」


ベックがビシッと姿勢を正した。

「ぜひ、参加させてください! 全力でピエロになります!!

……あれ?違いました?」


ナディアが上品に微笑みながら、「正解ですわ!」と言い切る。


そして、心の中で小さくガッツポーズを取った。


――もう……!!ハロルド分かってるーーー!!

そこでピエロを選んでくれるって……奇跡よ❤️

よし、第一段階成功。

あとは、私の“女神仮装”で彼の心を完全に落とすだけ……!


夜のセレニスに、

恋と科学、そして少しの策略が静かに交錯していた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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