第8話 鑑定スキルで隠し部屋発見⁈
毎週金曜で更新の予定です。少しゆっくりにはなりますが、よろしくお願いします!
未熟な点も多く、文章や設定に至らないところがあるかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると幸いです。
「この階段を降りれば地下2階だ。ここからが本番だからな。
気を引き締めろよ、リオ」
ダリルの低く響く声に、リオは小さくうなずいた。
足を踏み出すたび、ひんやりとした空気が肌にまとわりつく。
小さな手が、緊張でわずかに震えていた。
やがて階段を降りきったとき。
リオはふと、壁に手をついた。
(……なんだろう。この階の壁、さっきの階と少し違う⁈)
指先に伝わるざらつきと、石の冷たさ。
その瞬間。
「ピコン!」
頭の奥で、澄んだ電子音のような音が鳴った。
《鑑定士スキルがレベル3に上がりました》
《新スキル:隠し部屋鑑定》
だが、ダリルは何事もなかったかのように前を歩いている。
(……えっ? ……やっぱり、僕にしか聞こえてない……?)
リオはごまかすように首を振り、奥の壁に目を凝らした。
石の並びが他と逆だ。
しかも地面近く――子どもの視線だからこそ気づける位置に、細かな彫り込みがある。
「ダリルさん……あの壁。積み方も彫り込みも、なんか変です」
「ん? どれどれ……俺にはただの古い壁にしか見えんがな」
リオはしゃがみ込み、刻み模様を指でなぞった。
触れた瞬間――模様がほのかに光を放つ。
(……これ、ただの飾りじゃない。パズルの“鍵”だ……!)
実は、この仕掛けは一度でも順番を間違えれば、模様の位置が変わり、二度と開かなくなる。
(うーん……なんでだろう、次に入れ替える場所が、頭に浮かぶんだよね……!?)
壁に刻まれた七つの印。
リオは迷うことなく、指先で順番を入れ替えていく。
カチ……カチ……
ひとつ押すたび、小さな機構音が規則正しく響く。
そして最後の印に触れた瞬間――
ゴゴゴゴゴ……!
重々しい音とともに、壁全体がゆっくりと横に動き出した。
隙間から冷たい風が吹き抜け、二人の頬を撫でる。
「……すごい! 本当に隠し部屋が……!」
リオの鼓動は、胸を打ち破るかのように高鳴った。
(押しただけで……! 本当に開いちゃった……⁈)
小さな冒険者は言葉をなくし、震える指先を胸に当てた。
「おおっ……! 壁が開いたぞ! これ……隠し扉かっ!?」
驚愕を隠しきれず声を荒げたダリル。
しかしすぐに口を閉じ、無理やり平然を装う。
(……ありえねぇ! 浅い地下2階で隠し部屋だと!? 俺だって10年冒険者やってるが一度も見たことがねぇ!
それを――こいつは“初めてのダンジョン”でやりやがった……!)
険しい胸の鼓動を抑え込み、沈黙の“平静”を装う。
二人は冷たい闇を前に立ち尽くした。
やがて、足を踏み入れる。
その時――
「ピコン!」
再び、頭の奥で音が響いた。
《鑑定士スキルがレベル4に上がりました》
《新スキル:トラップ発動予知》
リオは肩を震わせ、息を呑んだ。
(……まただ……!
“触れる”たびに、僕の鑑定スキルが成長している……⁈
ダンジョンが……いや、“誰か”が、僕を試している……?)
怯えと好奇心が、胸の奥で渦を巻く。
それでもリオは顔を上げ、唇を噛みしめた。
そして――
小さな決意を胸に刻み、暗い部屋の奥へと足を踏み入れていった――。




