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第32話 光の継承者たち ― 星辰の終幕

本日もご愛読いただき、本当にありがとうございます。


ここまで三章を共に歩んでくださった皆さまへ、心より感謝申し上げます。

たくさんの応援やいいね、温かいお言葉が執筆の大きな力になっていました。


本作はここで一度、しばらくの間お休みをいただきます。

次章に向けて物語をさらに磨き上げるため、書き溜めと構成の練り直し期間に入ります。


より熱く、より深く、皆さまに楽しんでいただける展開をお届けできるよう準備してまいりますので、再開までお待ちいただけましたら幸いです。


これまでの長い応援、本当にありがとうございました。

そして――再び物語が動き出すその日まで、どうかお楽しみに。


王都ギルド本部・召集


数日後――王都ギルド本部。


重厚な扉の奥、バルド団長の私室に《光のルミナオブリアゾン》の面々が揃っていた。


「……王女様が、みんなに会いたいと仰っている」


そう告げたのは、王国騎士団副団長アレク・ガルナート。

落ち着いた柔らかな声が、場の緊張をやわらげる。


「ごちそう……出たりするのかなぁ?」


ミナが真っ先に反応し、目を輝かせた。


「ギュルルル!」


ルーナも羽を震わせて賛同する。


「お兄ちゃんが王女様に気に入られて、王宮入りとか〜?」


茶化すミナに、リオは顔を真っ赤にした。


「そ、そんなわけないだろ……!」


「…………」


一方、リズは何も言わず、静かに俯いている。


その様子を見たアレクは、くすりと笑って首を振った。


「今回はそういう話ではないよ。王女殿下は、命の恩人である君たちに自ら礼を伝えたいと仰っている」


その穏やかな声音が、次の瞬間、わずかに低くなる。


「……星辰儀式の進行中、リオ君が王女殿下と向き合っていた間――他のメンバーには極秘で、国王陛下と王妃殿下の警護任務に就いてもらっていた。

君たちは名実ともに“王を護った者たち”というわけだよ」


その言葉に、一同の表情が引き締まる。


光の絆(ルミナオブリアゾン)が、それほどの信頼を得たということだな」


バルド団長が誇らしげに頷いた。


「気をつけて、行ってらっしゃい」


受付嬢エミリアが優しく微笑む。


扉の向こう――王宮へ。

彼らの次なる物語が、静かに動き始めていた。



♢♦︎♢♦︎♢



王宮・謁見の間


高く掲げられた王旗の下、玉座には国王アルベルトと王女セシリアが並び座していた。


重厚な扉が開かれ、《光の絆》が進み出る。


王女セシリアのかつて病に伏していた面影は消え、清澄な気品と芯のある明るさを纏っている。


「改めて……ありがとう。あなたたちがいてくれたから、私は再び“光”を取り戻せたの」


深く頭を下げる王女。


「い、いえ……僕たちは任務をこなしただけで……」


慌てるリオを見て、アルベルト国王は穏やかに微笑んだ。


「謙遜はいらぬ。お前たちの勇気が、娘を救ったのだ」


場の空気が和らぐ。


「セシリア様。もう、お身体は平気なんですか?」


ミナの問いに、王女は力強く頷いた。


「ええ。あなたたちが持ち帰ってくれた“ミノタウロスの魔心臓”と、リュシアナの薬のおかげで、すっかり元気よ」


その名を呼ばれ、リュシアナはわずかに目を伏せた。


「……私は調合しただけ。彼らがいなければ意味はなかったわ」


その声には深い信頼が滲んでいた。


やがて国王が告げる。


「今回の功績により、《光のルミナオブリアゾン》を王宮直属のSランクパーティーとして認める。また、爵位と領地を与えようと思うが――」


「国王様、それに関しては……他に欲しいものがあります!」


リオが一歩前へ出た。


「何が欲しいのだ?」


「指導を、いただきたいのです」


「指導だと……?」


ざわめきが広がる。


「自分たちはまだ未熟です。それぞれの能力を底上げするため、訓練とご指導をお願いしたいのです」


迷いのない顔で、リオは言い切った。


アルベルトは目を細める。


「地位でも財でもなく――“向上心”とは。さすが《守誓者》だな」


一瞬の間を置いて、国王は笑った。


「よかろう。そなた達の願いを叶えよう」


厳かな空気の中、謁見は終わった。



♢♦︎♢♦︎♢



王宮・晩餐の間


「お、おいしい……!」


場所を移したリオたちの前には、豪奢な料理が並んでいた。


黄金の器に盛られた料理は、冒険者にとってまさに非日常。


「キュルルル!」


いつの間にか三本目の骨付き肉にかぶりつくルーナ。


「それ……もう三本目よ?」


呆れつつも、リズは笑う。


「ふふっ……奇遇ね。私も今、それをいただいていたの」


セシリアが微笑み、場が和む。


貴族も聖女も騎士も――

この卓では、ただの仲間だった。


食後、ガレスがリオを見据える。


「リオ。お前には剣の才がある。……俺が直接叩き込んでやろう」


「えっ、ぼ、僕にですか!?」


「当然だ。独学には限界がある。

お前には、磨けばさらに化ける才能がある」


リオは息を呑み、深く頷いた。


一方、リュシアナは少女たちを見る。


「ミナ、ルーナ。魔法の素質も悪くないわ。私の研究棟で鍛えてあげる」


「研究棟!? ……緊張するけど、楽しみかも!」


「キュルルル♪」


そこへ、銀縁眼鏡の男が進み出た。


「……セディアスと申します。かつて、リズ殿のご父君――セオドリック殿に師事し、“魂転写術”の研究に携わっておりました」


リズの身体が震える。


「帝国の粛清を逃れ、長らくリュシアナ殿に匿われておりました。今こそ彼の技術を繋ぐため……どうかお手伝いを」


「彼は変わり者だけど知識は一級よ」


「……お願いします」


こうして《光の絆》は、それぞれの修行の道を得た。


王都を蝕む《裏切り者たち》に備えるために。


それぞれが焔を胸に灯し、力を蓄えていく。


だが今は、嵐の前の静けさ。


空の彼方の星は、静かに瞬いていた。


やがて再び動き出す運命を見守るかのように――


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