第26話 新たな仲間とパーティー名
【金曜更新】
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リズの母・ミレイアの救出から、数日が経った。
ギルド内は、事件の後処理と異端教《深紅の使徒》の調査で、いまだ慌ただしさを残している。
ダリルとバルドは王国騎士団と連携していた。
教団の背後に潜む勢力の実態を、徹底的に洗い出していたのだ。
その過程で、バルドの毒殺未遂事件の背後に「帝国」の影があることも判明した。
事態は、王都をも巻き込む重大事件へと発展していく――。
一方、エミリアは、《魂転写術》の継承者となったリズの存在を、バルドから知らされたときは、しばらく呆然と固まっていたという。
だがその後は、リオとリズの特異な能力が外部に漏れないよう、細心の注意を払い続けていた。
そんな混乱の最中でも、子どもたちは少しずつ前へと歩き出していた。
リズは正式にギルドへ登録され、Eランクとなった。
リオはCランクに、ミナとルーナはDランクへと、それぞれ昇格。
バルドとエミリアの協議により、全員が二階級昇格という異例の処遇が与えられたのだった。
♢♦︎♢♦︎♢
慌ただしくも充実した日々を過ごし、気づけば三週間が過ぎていた。
ギルド内も、ようやく落ち着きを取り戻し始めている。
ある日の朝――
ギルドの談話室に、リオ、ミナ、ルーナ、リズ、そしてエミリアの姿があった。
「改めて、リズ。僕たちのパーティーに、正式に入ってくれてありがとう」
リオは真剣な面持ちで、静かに頭を下げた。
「……私こそ、信じられない。バルドさんや、みんなに迷惑をかけたのに……。 それでも迎えてくれて……本当に、ありがとう」
リズは目を伏せ、小さく照れたように笑った。
「じゃあ、これで新しいパーティーの誕生だね!」
ミナが満面の笑みでルーナの手を握り、二人でくるくると跳ねるように喜ぶ。
「そういえば、パーティー名がまだ決まってないですね?」
エミリアがクスッと微笑みながら問いかけた。
「うーん……“リオと愉快な仲間たち”とか?」
ミナの無邪気な提案に、リオは思わず顔を赤くして慌てた。
「や、やめてよ! それはちょっと、恥ずかしすぎるよ……!」
「じゃあ、“リオとミナとルーナとリズと……”」
ルーナも「キュルル!」と元気よく鳴いた。
「それだと名前が長すぎるし、メンバーが増えたら、毎回変えなきゃいけなくなる……」
リオが苦笑しながらツッコミを入れると、リズがふと口を開いた。
「……“リアゾン”って、どうかな……?」
その一言に、みんなの視線がリズへと向けられる。
「リアゾン……“絆”とか、“つながり”って意味ですよね?」
エミリアが優しく微笑む。
「――それに、“光”も入れたいな。 バラバラだった私たちが出会って、助け合って――暗闇の中で、光を見つけたみたいだから」
ミナが照れながら言うと、ルーナも「キュルルッ!」と嬉しそうに鳴いた。
「それなら……“光の絆”って、どう?」
リオが少し照れながら提案すると、みんなの表情が一気に明るくなる。
「それ、すっごくいい名前だと思う!」
「うん。強くて……優しい響きがする」
「キュルルル!」
ミナはにっこりと頷き、そっと手を差し出した。
「じゃあ改めて――“光の絆”。
ここに、結成ね」
みんなが手を重ね、笑顔でうなずき合う。
「これから、よろしくね。リズ」
「うん。こちらこそ……よろしく」
――私、もう一人じゃないんだ。
リズの影もまた、その想いに応えるように、そっと揺れているようだった。
こうして、新たな仲間を迎えた光の絆は、強く結ばれた“絆”を胸に、次なる冒険へと踏み出していくのだった。




