第15.5話 〜エミリア視線〜 魔物のタマゴ?魔獣のタマゴ⁈
今週も2話掲載です。
未熟な点も多く、文章や設定に至らないところがあるかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると幸いです。
ギルドのカウンターで書類をまとめていた私は、ふと扉の音に顔を上げた。
リオくんが、何かを大事そうに抱えて戻ってくる。
「おかえりなさい、リオくん。今日も無事でした?」
「はい。ただいま戻りました――あの……これ、“魔物のタマゴ”をダンジョンの隠し部屋で見つけたんです」
リオくんが差し出したのは、見たこともないほど立派なタマゴだった。
一瞬、私は目を見開く。
(……まさか、こんなものを拾ってくるなんて)
「……これは……“魔獣のタマゴ”⁈」
「はい。地下三階で見つけました」
「そうなんですね……本当に、地下三階で見つけたのですか?」
「はい……なにか、おかしいですか?」
リオくんが不安そうに顔を曇らせる。
私は慌てて表情を整え、平静を装った。
だが、頭の中では鑑定スキルがすでに答えを導き出していた。
(間違いない……これは“高位魔獣のタマゴ”⁈ しかも、ダンジョンの地下三階⁈)
「大丈夫です、リオくん。ギルドにきちんと申告すれば問題ないから、手続きを進めましょう」
「はい、よろしくお願いします」
リオくんは緊張した様子で、私の説明に耳を傾けてくる。
私はタマゴを丁寧に調べながら、必要な書類を用意し、できるだけ落ち着いた声で伝える。
「このタマゴは、危険なものではなさそうなので、持ち主としてリオくんが管理する形になります。
何か変化があったら、すぐに教えてくださいね」
「はい、大事にします」
♢♦︎♢♦︎♢
ギルドの手続きを終えたリオくんは、タマゴを大事そうに抱えて帰路についた。
(――やっぱり、リオくんはやらかしたわ……
普通の冒険者なら、こんな高位魔獣のタマゴなんて見つけられない――ましてや、地下三階の浅い階層でなんてありえない。
だけど、リオくんなら……不思議じゃないけど……)
私はなんとなく胸騒ぎが止まらなかった。
リオくんの妹、ミナちゃんの《蒼痕症》のことも、気がかりだった。
(あの“魔獣のタマゴ”は、きっとミナちゃんの魔力に強く反応するはず……)
ギルドの仕事を終えた後も、気持ちは落ち着かなかった。
帰り道の途中、思い切ってリオくんの家に立ち寄ることにした。
家の窓からは、柔らかな光が漏れている。
(やっぱり……何かが始まってしまったのかもしれない――どうか、リオくんとミナちゃんが無事でありますように……)
私は心配で、窓の外からそっと中を覗き込むと――そこには、リオくんが安堵の表情を浮かべて、タマゴと穏やかに眠るミナちゃんの顔を静かに見守る姿があった……
その光景に胸をなでおろすと、私はそっと窓から身を引いた――




