1、絶望と再会
☆藪本英二サイド☆
彼女に裏切られた。
裏切られたというのは寝取られたという意味だ。
俺、藪本英二は高校2年生になってから最大にして最悪の状態に陥った。
彼女が浮気した現場を...というか。
ラブホに入って行く姿を見てしまった。
(何をしているのか)と追い掛けたのが運の尽きだったな。
思いながら俺は悲しげな顔をしてからマジに感情がぐちゃぐちゃのまま家に帰って来る。
それから日中は俺1人しか居ない玄関のドアを開け...あれ?
鍵が開いている。
「...まさか泥棒か」
まあでも泥棒なら泥棒でも何でも良いや。
今の俺から全てを奪うなら好き勝手にしてくれ。
そう考えながらやけくそ気味に上がるとドアが開いた。
そして真っ裸の美少女が出て来る。
「...ふぁ?」
俺は目をパチクリしながら家を見渡す。
あくまでここは俺の家だよな?
少女は俺と目が合ってから恥じらうかと思った。
だが少女は予想外の行動に出る。
「おにーちゃーん!!!!!」
「どぁ!」
真っ裸の女子に押し倒された。
栗毛色の髪をした長髪の美少女。
バスタオルが宙を舞う。
そして俺は床に叩きつけられた。
何だってんだ!
「おにーちゃーん。会いたかったよぉ」
「...おま!?誰だ!っていうかお前!裸だろ!強盗にしては最悪だ!!!!!」
「強盗?あ、私、強盗に見える?それはそれでまあ。えへへ」
「誰だマジで!?」
「酷いなぁ。お兄ちゃん。昔、生き別れた女子の名前を忘れるなんて」
「...ああ。成程...ってそうはならんやろ!お前まさか!?何でこの場所に!?」
飯島りん(いいじまりん)か!!!!!
俺は真っ赤になりながら反応する。
姉妹の姉の方だ。
嘘だろ...3歳だったろあの頃!?
ってそうか。
生き別れてから相当経つもんな...。
そりゃそうなる。
「だがだからと言って裸で抱き着いて来るな!?」
「別に良いじゃない。裸見られているし?3年間も」
「アホかお前は!!!!!状況が違い過ぎるからな!6歳までの話な!?」
「うーん。あ。...分かった!」
「???」
「もしかして起つから?」
「...」
俺はりんに真っ赤になった。
それから「もう降りてくれ。重いんだ」と告げる。
そしてりんに俺の上から降りてもらい。
バスタオルをぶっかけた。
「いい加減にしろ。...何でお前が突然この家に」
「嬉しいでしょぉ?お兄ちゃん」
「...久々の再会だしな。とても嬉しいけど何でだ」
「お母さんがお兄ちゃんのお父さんと再婚したの」
「おう。そうか...なにぃ!!!!!!!!!?」
(そんな重要な事を何故っ!親父の野郎は何を考えているんだ!?何も言わなかったぞ!)
そんな事を思いながら俺はりんを見る。
するとりんはいつの間にか俺の下半身を見ていた。
というかズボン越しだが。
「え?お兄ちゃんってEDなの?起たないの?」
「お前な!もういい加減にしろ!」
「え?だって起ってないじゃん。私の身体じゃ駄目?興奮しない?」
(ああもう!しんみりしたものが台無しだ!彼女に浮気されたってのに!?)
そんな考えを浮かべつつ俺はリビングに入る。
するとそこにすずが居た。
つまり、りんの妹。
居るなら助けろ!!!!!
「ふざけんなすず!お前居るなら俺を助けてくれよ?!」
「カブトムシ」
「...は?」
「廊下で交尾かなって思った」
「...」
ぶっ飛びすぎて何もついていけない。
俺は額に手を添えながら「すず。人目もわきまえない様な交尾をすると思うか。俺が」と聞く。
すると読んでいる文学書を閉じながら俺を真顔で見てくるすず。
それから黒髪の艶やかな髪を動かしながら俺を見上げてくる。
その顔は成長しており美少女過ぎた。
ゴクリと生唾を飲んでしまう。
「話は聞いた。私と今からしたいって言ったらお姉ちゃんと違い生物学的に所謂、勃起するの?」
「...」
「...」
「女の子が勃起言うな」
さっきまでの悲しみは何処へやら。
思いながら俺はすずを見る。
すると奥から「ぷはー!」と聞こえた。
それはりんだった。
りんはクマさんパンツ丸見えの状態でTシャツ一枚で麦茶を飲み干していた。
「うまい!」
「...りん。取り合えず下を履け」
「え?だって勃起しないじゃん。性欲ないんでしょ?」
「...」
俺は額に手を添えた。
そして苦笑する。
コイツらの明るい姿で浮気の件が吹き飛ばされそうだ。
だけど絶対に俺は。
そう思いながら俺は唇を噛み外を見た。




