40話
またまた投稿期間あいてしまいすみませんでしたm(__)m
草原に若草色に染まった風が吹き抜ける。空は青く心なしか雲が流れるのが早い。いや…気のせいではないのだろう。
この地域は天候が崩れやすく昨日も夕立ちにうたれたばかりだ。
ここは任務をうけていた元ギセイニナール王国から数100km離れた異民族の地。もと諜報員で世界の情勢にも明るかった私にもここがどこなのかは分からない。だが例えどこなのかが分かったとしてもここから抜け出せないとだろう。
ふう。。。あいつはまだ私のことを覚えているだろうか? 女性になんて興味がないみたいな雰囲気出している癖に。
あいつはあれでもてるんだ。その上拗らせているときている。まったく心配で見ていられない。監視対象なのは好都合だった。
こうして何か月も顔をみることができないと何というか。少しは寂しく感じてしまうではないか。まあ国の犬として悪事に手を染めてきた私が、幸せになるなんて神は許してくれないかもしれないが。
ひとの想いは誰にも非難されるいわれなんてない。
だけどそうは言っても現実は厳しい。どんなに思いが強くたって・・・。うん? 私は何を考えているのだ? どうしようもなく腑抜けてしまったものだ。我ながら不甲斐なく悲しくなる。
とにかく早くここから脱出しなければ。こんな所でこいつらに時間を使っている場合ではないのに。異民族にさらわれて来た私はここで文明開化の情報源の1柱として保護されている。
どこかで隙を見て逃げなければならない。なにかをしなければ。
いや、今はまだ動くべきときではない。心が焦燥感で焦げ落ちていく。
私にできること。残されている希望は明日だった。いつか来る勝機をただ待つしかない。
目の前のことに無心に向き合って、心の中でこれからの展望を固めていく。より強い気持ちへと昇華しながら・・・。私は帰る。そしてやつが寂しがってなかったり探してくれてなかったら蹴とばしてやるつもりだ。
あいつは今どんな顔をしているのだろうか。新しい恋を見つけられただろうか。そばで一緒に力を合わせる、新しい仲間ができていたらいいな。誰かが支えてくれていたらそれ以外はなにも望むまい。
新しい恋は・・・。うんアイツに限ってはないな。人が一日にできるエネルギーは限りがある。無駄なことには使えないだろう。
ここでは強制労働があるわけじゃない。簡単な尋問と洗脳だ。
明日もまた狂ってきた一般人女性を演じるとしよう。なりきるのが私のもっとも得意とするところなのだから。
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「ではこれを復唱してみろ。意味はわかるか?」
「はい。我らが祖国はさらわれた20名の一般市民を助けてくれなかった。私以外は殺された。捨てられた死体の中で虫の息だった私は、天に助けられた。生きていた・・・。本当に奇跡でした。でももう生きてるか分からない。いっそのこともう死にたい。そうなにもかもお前らのせいだ。みんな死んでしまえばいい。不公平だ。みんなが不自由なく生きていているくせに。私たちは見捨てられたんだ。」
狂ったように生気のない顔で微笑した。誰もが私のことを狂っていると思いこませるために。
「おい。聞いているのか。ボス・・・。コイツもう頭がいってますぜ。脳の中まで思想の浸食が完了しているようで。ほら、もう痛みさえ感じていなさそうですぜ。ガハハッ。」
嘲るように笑い革の鞭で手の甲を思いきりうちつける。皮膚がさけ鮮血が飛び散った。
常人なら痛みで顔をしかめずにはいられないほどの傷だ。血が滴る細腕がだらりとテーブルの上から崩れおちた。
自分の心を押し殺すのは得意だ。演じつつけなければこの世界では今まで生き残れなかったから。それに私には守りたい弟がいた。彼が一人前になって任務をそつなくこなしているとき私はやっと心が軽くなった。
それがふと目を離しているときに死んでしまった。任務中だとか傍にいられなかったとかそういう後悔があるわけじゃない。
ただ・・・。弟は誰かを守るために犠牲になった。たったそれだけの情報しか得られなかった。なんだそれは。あまりにもあっけなさすぎる。贅沢をいうならば、最後に顔くらい見たかった。
今の私には満足いく内容だった。私たち命を奪う側だったものが自分を許せるのはきっと大切なものを守るために命をかけ、自らの命を犠牲にした時だけだから。
そのときはきっと手が血で汚れている私たちも、笑って死ねると思う。ただの自己満足だと言われてしまえばその通りだと自分でも思う。
だが…それで良い。それで良かったんだと思う。弟よ。君は満足して逝けた。たった一人の肉親である私はそうだと信じたい。
テントの外から金属の武器がこすれる音が響きわたる。まるでこれから戦争が始まる前ぶれであるかのように。まるで嵐の前の静けさだ。
4徹の私はもう身も心もボロボロだった。そんな時に私はあいつが私の代わりにやとうであろう補佐官(脳内イメージでは女性)がお茶をいれたり、事務作業をとなりでしたり、ときどきは談笑をしている姿を思い浮かべる。
こんなことは私に言う資格はないのかもしれない。私はしょせん他国の諜報員で味方ですらない。分かっている。分かってはいるのだが許せない。
私の代わりに他の男女が務めるのは。そこの居場所は私のものだ。だから、殿下私をどうか待っていてください。
できれば少しだけ私がいない毎日に寂しさを感じでいて欲しい。
殿下、私はもうすぐそこへ戻れます。だから私をふたたび受け入れて。そうその広い両腕で。別に愛の言葉を求めたりな致しません。
ただ、あなたの傍にいることを許して欲しい。まあそうは言ってもいつか道を違えて離れざるをえないかもしれませんけども。
今私が行くべき場所への扉が開かれる。
「さあ、国を潰すための礎になれ。もっとも頭が狂っていてもうなにも覚えてないかもしれねえけどな。その洗脳された身で任務を遂行しろ。あわれな女よ。」
そう私はただの一般人女性。その場にたどり着くまでは何にでも演じて見せよう。
それがまわりの愚かな連中が望んでいるようなので。ではごきげんよう皆さま方。ここまでで結構です。では冥土までお送りいたします。先に地獄でお待ちになって。
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●●〇×日。その日市民は中心街で起きた襲撃事件での話題でもちきりになった。一隊規模の行商人がある関係者によって日中で人目もある中で虐殺されたことが号外になり、街中に配られた。新聞を配る少年少女は思わぬ報奨金にこっそり目を輝かせていた。
そしてその数週間後に行方不明の市民が家族のもとに帰ってくる奇妙な出来事が相次いだ。そしてその場所にはいつもの王国騎士団長とその傍に補佐官がいたと言われている。
読んでくれてありがとう♪ 正直ネタ決まってて書いてるのに内容が煮詰まった感なくて。書き直しし続けていました。まだ続きます。今度はちょっと私の作品にしては新展開になるやも。




