ランキングに現れる間違いだらけのコロナエッセイと、なろう運営に物申す。人の命がかかってる自覚、あります??(運営からの返信追記あり)
エッセイランキングを見て、思わず書いてしまいました。コロナやワクチンについて、なろうで書くことの意味を知ってほしいです。ぜひ最後までご覧ください。
2021/07/14
日間エッセイランキング1位ありがとうございます。これで宣伝するつもりは全くありませんが、多くの方に読んでいただき、現状を共有できたことに感謝いたします。これが改善の一助となれば幸いです。
2021/07/16
運営様からの返信について追記しました。
エッセイのランキングを見た。コロナの話題があった。まあ予想通りである。コロナの話題が出ない日はなかろう。それはいい。私も結構前にエッセイを書いた。ただこれは非常に危険なことだと考える。どういうことか。軽く説明したいと思う。
その前に、今回これを書くきっかけになった出来事を少しだけ紹介したい。忙しかったせいで最近なろうを見ていなかった私は、昨日久しぶりになろうのランキングページを開いた。ジャンル別の日間ランキングが載っている例のページだ。追放系に混ざってTSが流行っていることに驚いたがそれは本題ではない。
ハイファンタジーから下へスクロールしていき、エッセイのランキングまでたどり着いた。1位のタイトルを見て嫌な予感を覚えた。作品を攻撃するつもりはないのでタイトルを挙げるのは控えるが、気になる方はぜひ確認してみてほしい。いや、してほしくないのだが。
嫌な予感を覚えながら作品ページを開いたが、案の定であった。その方の作品はコロナのワクチン接種後死亡や医療制度についての内容だった。はっきり言って私には理解できない内容であったが、それ自体はいい。エッセイなのだから。だが問題なのはこれが私たちの健康、ひいては生命に直結するということである。
作品内では直接ワクチン接種に反対というような言説は見られなかったが、明らかに事実に反すると思われる内容が含まれていた。それは例えば有害事象と副反応の違いであったり、ワクチンの重症化予防効果であったりだ。
本題ではない上に私は専門家ではないので詳しい説明は省くが、簡単に言うと有害事象はワクチン接種後に起こった全ての好ましくない出来事であり、副反応はその中でワクチン接種と因果関係が認められると判断されたものである。つまり有害事象の数だけを取り出してワクチンを批判するのは当然適切な議論ではない。ワクチンは新型コロナウイルス感染症に対する、現在最も有効な手段と考えられており、厚生労働省は明確に接種を推奨している。
小説家になろうは規模の大きな投稿サイトである。当然未成年者も多いだろう。科学的根拠のない、不正確な情報でも信じてしまうかもしれない。そうでなくとも不安を覚えるだろう。正確な情報を得て、その上でワクチンを接種しないのなら問題ない。それは本人の自由である。しかし、不正確な情報のせいで、ワクチンを接種しないというのは、到底看過できるものではない。誰もが見られる投稿サイトという場所で、科学的根拠に基づかない言説を展開し、他人の健康を間接的に脅かす行為は控えるべきだと考える。
さらになろうはTwitterなどと違い、基本的にリプライというものはないし、炎上することも少ない。感想を書く人は少なく、評価は星1からである以上、低評価の付けようがない。これはすなわち、SNSでは明らかに間違っていると批判されたり、炎上したりするものが、なろうではスルーされてしまうということである。多くの人は間違っていると感じてもわざわざ感想を書かない。そうなると見た人が信じかねない状況が容易に生まれてしまうのである。
もちろん受け手側のリテラシーは必要である。しかしそれは、発信者側が何を言ってもいいということを意味しない。最低限、健康に関する事項については、科学的根拠に基づいて書くべきだ。少なくとも根拠のない情報を、さも事実のように書くのだけはやめてもらいたい。それが人の命に関わるかもしれないということを意識して、投稿してほしいと思っている。
これを読んでくださっている方の中には、大げさだと感じる方もおられるだろう。その気持ちはよくわかる。しかしこれは決して荒唐無稽な話ではない。全く同じではないが、似た事例はすでに生じている。それも日本で、である。
HPVワクチンというものをご存じだろうか。HPVの感染によりひきおこされる病気(主に子宮頸がん)を予防するためのワクチンであるが、この接種率が極端に低下しているのである。2013年当時、ワクチン接種後の体調不良などを取り上げたマスメディアの報道をきっかけに、厚生労働省は積極的勧奨を差し控え、接種率が大幅に低下した(一時期1パーセントを下回る)。当時は大々的に報道されたので、記憶に残っている方も多いだろう。結果的にいわゆる名古屋スタディなどの調査で因果関係は認められなかったにもかかわらず、状況は変わらなかった。そして昨年10月、大阪大学大学院医学系研究科の研究グループは、接種率減少により、死亡者が約4,000人増加する可能性があるとの研究を発表した。すなわち、科学的根拠のない不正確な情報は、十分直接的に人の命を害し得るのである。
このような事実を踏まえて、発信者側は情報の発信に自覚を持つべきであるが、運営にも物申したいことがある。不正確な情報の氾濫に、手を打ってほしい。このように、人の命に関わるようなデマは少なくない。全てをチェックするのは不可能であろうし、表現の自由的な意味でも適切な対応ではないだろう。しかし、せめてコロナに関する作品を自動的にピックアップして、公的機関へのリンクを表示するくらいのことはしてほしい。Twitterやnoteも行っている、珍しくない対応だ。今からでも対応をお願いしたいところである。
ここからは追記になる。エッセイで書く前に、直接伝えるのが先だろうということで、この旨をお問い合わせフォームから「ご意見」として送信した。数日で返信があり、その内容公開についても許可をいただいたので、こちらでその結果を報告させていただこうと思う。ただし、文面の直接引用は控えるよう言われたので、返信についてはこちらで要点をまとめたものを掲載させていただく。まず、私が運営側に送信したメッセージはこちら。
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件名:新型コロナウイルス感染症に関するプラットフォームの責任について
本文:現在、エッセイジャンルを中心に、新型コロナウイルス感染症についての極めて不正確な情報が投稿されております。小説家になろうは規模の大きな投稿サイトであり、当然未成年者も多いと考えられます。科学的根拠のない、不正確な情報でも信じてしまう可能性があります。もちろん全てをチェックするのは不可能だと思いますが、せめてTwitterやnoteなどでも行われているように、コロナに関する作品を自動的にピックアップして、厚生労働省等、公的機関へのリンクを表示するなどの対応を行っていただきたいと存じます。何卒ご検討よろしくお願いいたします。
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そしてこれに対する運営側の返信(筆者要約)がこちらである。正直なところ、直接引用しても問題ないような文章であると私は思った。
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いただいたご意見については運営内で情報共有し、今後の参考とさせていただきます。貴重なご意見、 ありがとうございました。
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要するに定型文である。もちろんまだ公表できないことが裏で動いているのかもしれない。しかし少なくともこの文面からは、この問題に本気で取り組もうという意思は読み取られなかった。ここまでが追記である。
さて、長々と書いてしまったが、言いたいことはただ一つ。
「人の命がかかっとんのやから、自覚持って正確な情報書けや!」
ということである。関西弁でまくし立てると海外でも通用するという噂を聞いて、ここでも使ってみたのだが、関西の皆様、おかしくはないだろうか。
1人でも多く、この自覚を持ってエッセイを書いてほしいと心から願っている。
タイトルや本文が少々ふざけぎみなのは、普段このような話題に興味がない方にも読んでもらいたいからです。ご理解ください。本当はあまり好きではないタイトルなのですが……
ここでは何が正しい情報か、までは書いていませんが、ひとまず厚生労働省など公的機関の情報を見ましょう。話はそれからです。
ちなみに某エッセイには感想にて色々指摘させていただきましたが、完全にスルーされ、イベルメクチンの有効性を主張されました。それにしてもなぜ彼らはイベルメクチンをそこまで推すのでしょうか。製薬会社からお金でももらってるのかしら。(こちらは反ワクチン界隈でよく見られる冗談です。くれぐれも本気にしないよう)
いただいた感想には原則全て返信しております。貴重なご意見ありがとうございます。本文にフィードバックすべき点については適宜行ってまいります。本文に書ききれなかったことについて、感想欄で触れているものもありますので、よろしければご確認ください。
追記
運営様には問い合わせフォームより、いちユーザーの意見として、お伝えしております。返信があり、公開を認められた場合のみ、追記するつもりです。
(運営様へ直接意見を述べた上で、こちらに投稿しております。したがって、運営への意見は直接言え、とのご批判はお控えください)
再追記
運営様より返信がありました。明日追記いたします。
再々追記
運営様からの返信を追記してしました。
追記
2021/07/15
HPVワクチンについての内容を追加しました。なお、HPVワクチンについて因果関係が認められなかったと記載しておりますが、それは当時体調不良を訴えた方々が嘘をついていると言っているわけではありません。
本文の大阪大学大学院医学系研究科の研究↓
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20201021_1