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46.そろそろ限界かもしれません…

マリリンが、一人で王都へと行った日から二週間程経ったある日のこと…


マリリンは、父ケインと母メイリーンと共に王宮へと訪れていた。


今日は、国王陛下と王妃様にマリリンの今後の王都での販売方針などが決まったので、その報告を伝える為に訪れていたのだった。


「ストラム公爵、公爵夫人、マリリン嬢よく来てくたな。」


国王のリチャードが、マリリン達へと言った。


「国王陛下、王妃様、王太子殿下にご挨拶申したげます。本日は、お話の場を用意して頂きありがとうございます。」


ケインが、リチャード、ハンナ、リードへと挨拶をした。


「うむ。それで…マリリン嬢、本日は今後の王都での販売の動きについての話であったな?」


リチャードは、マリリンへの方を向き尋ねた。


「はい。陛下。本日は、今後のわたくしの販売の動きについてのご報告にまいりました。」


マリリンは、リチャードへと応えた。


「ふむ…それでどの様な動きにするのだ?」


リチャードは、再びマリリンへ尋ねた。


「はい。今後は、わたくし自身も王都へ向かい販売もする予定ですが…わたくしもストラム公爵家の者としてやらなければならない事は他にもございます。ですので、今後の販売の動きとしましては月に二度程は、わたくしが直接販売するという形にします。その以外の二度の販売はリピーターの方の事も考えまして、現在王都にございます化粧品などを扱っているお店が二軒ほどございますが、そのどちらのお店へもわたくしが居なくても買える様に商品を置いて頂く形となりました。お店の方には既に話はつけております。」


マリリンは、決まった事をリチャードへと説明し報告した。


「そうか…マリリン嬢がしっかりと先を見据え考えた結果なのだな。しっかりとその考えは伝わった…。その様な動きならば王太子妃としても問題ないし、王妃になったあかつきにも比較的問題視をしなければならないところではないな。此度のマリリン嬢の意見を認めるとしよう。」


リチャードは、マリリンの話を聞き安心したような表情で応え許可を出した。


「そうですわね…王妃教育にも影響が出るまではいかない様ですわね…安心しましたわ。」


リチャードの横にいた、ハンナも安心した様な表情でマリリンへ言った。


(王太子妃か…陛下も王妃様も未だにわたくしが正式に王太子妃になると思っておられるのね…陛下と王妃様の事も考えると少しでも早く、わたくしとリード様の婚約は取り消しにする予定である事をご報告しなければなりませんわね…)


マリリンは、リチャードとハンナの事を考えると少しでも早くリード様との婚約の現状況を話しておいた方がいいと思っていた。


「陛下…ありがとうございます。感謝致します…今後も精進してまいります。」


マリリンは、真剣ながらも笑顔で応えお礼を言った。


「陛下、王妃様、王太子殿下、私からもお礼申し上げます。」


ケインも、リチャードへお礼を言った。


(これで、陛下からも許可を頂いた事ですし折を見てリード様に婚約の取り消しの話を持ちかける事が出来そうですわね…久しぶりにリード様のお顔を見ましたが…やはり、お顔を見るだけでドキドキしてしまいますわね…やはり…少しでも早くリード様との婚約を取り消しにして頂き、リード様にはルカ様との恋を大切にして頂き、わたくしのリード様への恋心は忘れなければなりませんわね…)


マリリンは、リチャード達との話が一通り終わり、久しぶりに見るリードの顔を見ながら考えていたいたのだった…



リチャード達との話を終えた後、ケインとアイリーンは宰相と共にリチャードとハンナとリードへ、キースとアリスの婚約の話をする為にその場に残った。

 

マリリンは、その間王宮内の客間で待っている様に言われたのでルカに案内され客間へと移動した。


ルカに、客間に案内されたマリリンは客間のソファーへと腰をおろした…


すると、ルカがマリリンへと声をかけた。


「まさか…こんなにも早くキースとアリスの婚約の話がまとまるとは思ってもみなかったな…」


ルカが、マリリンへと言った。


「ふふ…そうですわね…以前、王都でルカ様とお話した時にはまだ、その様なお話など出ていなかったですものね…わたくしもこんなにも早くお二人の婚約話が進む事になるど思いもよりませんでしたわ…。ですが、将来…アリス様がわたくしのお義姉様になると思うと嬉しくてたまりませんわ。ルカ様からするとアリス様が嫁がれるのは寂しいかと思いますが…」


マリリンは、ルカの話に対して応えた…


「寂しくないと言えば嘘になるが、アリスがそれで幸せになれると決めたのだからいいさ…」


ルカは、どこか寂しそうな表情で応えた…


「アリス様に、お会いしたくなればいつでもストラム公爵邸へ遊びに来てくださいませ。」


マリリンは、寂しそうな表情をするルカへと言った。


「そうだな…あと少しすれば私達は家族になるのだからな…時間が出来たらストラム公爵邸へとお邪魔するとするよ。」


ルカは、表情が柔らかくなった様な表情で応えた。


(何だか、不思議だわ…わたくしが恋した相手の想い人と家族になる事になるなんて…もしかしたら、彼秘♡のマリリンは、政略結婚とはいえリード様にわたくしの様に恋をしてしまったのかもしれませんわね…いくら、愛しても、自分の事を愛してくれる事のない相手に対してとても辛く悲しい思いをしたのかもしれませんわね…わたくしは、残念ながら彼秘♡の最終巻を読んでないからマリリンのその後がわからないですものね…少なくとも彼秘♡の中でもマリリンがリード様を愛した事は間違いなさそうね…)


マリリンは、頭の中でそんな事を考えていた。


そんな事を考えていたマリリンへ、ルカが声をかけた。


「マリリン嬢、少し元気がないようだが何かあったのか?」


ルカが、マリリンの様子を見て心配そうに尋ねた。


「え?、いや…何でもありませんよ…ただ、何事も一筋縄にはいかないなと思いまして…」


マリリンは、少し俯きながら応えた。


「珍しいな…マリリン嬢の様な者が悩むなど…」


ルカは、いたずら気味に笑って言った。


「わたくしだって…悩みぐらいありますわ…」


マリリンは、ルカに言われ少しムスっとし頬を膨らませて言った。


「そうなのか?それは…悪いことをしたな…」


ルカは、悪そうな顔で応えた。


「もう…ルカ様ったら…」


マリリンは、ぷくっと頬を膨らませてルカへと行った。


マリリンとルカがそんなやり取りをしていると、今まで聞いたことないような低いトーンの声で話しかけられた…


「ルカ…少しマリリンと話があるから席を外して貰っても構わないかな?」


リードが、二人が話しているところへやってきたのか声をかけてきた。


「??あっ…あぁ…それは構わないよ…だが、私が居ても話せる話なら私はここに居た方がいい様な気がするのだが…」


ルカが、怒っている様な表情で言ってきたリードの表情を察して言った。


「いや…ルカは帰ってくれても構わないよ…どうして、そんなにマリリンの近くに居ようとするの?」


リードは、ルカの事をスーっと言うような少し怒った様な目で見て言った。


「いや…二人だけだと気まずい話ではないのかと思っただけだからだ…私が居なくても問題ないのなら、私はこれで失礼するとするよ…」


ルカは、久しぶりに見る嫌悪に満ち溢れた様な表情を見て、一瞬うろたえたが声をかけた。



しかし…リードは、マリリンと話をしたいとの一点張りであった。


ルカは、そんなリードを見て今はリードの言うことを聞いておくのが一番の安全だと考えたのだった。


そして、ルカがその場を立ち去った後その場にはリードとマリリンだけざ残されたのだった…


(あぁ…きっとリード様の態度を見る限りリード様は、自分の想い人でもあるルカ様がわたくしと話をしているのがよほど気に喰わず嫉妬しれたのですわね…ルカ様の表情もリード様の言いたい事を察した様な感じでしたものね…やはり…ここでリード様との仮婚約は潮時なのかもしれませんわね…あんなにも声が低くなる程ですもの…それほどまでにルカ様が他の…よりによって私と一緒にいる事が耐えられなかったのね…でも、もう今が婚約の取り消しのお話をするいい機会なのかもしれませんわね…)


マリリンは、一緒にその場にいたリードの事を思うとそう考えられずにはいられなかった…


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