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19.ルカ様と二人きりになってしまいました

リードが応接室へと行ったことで、その場に残されたマリリンとルカ。


(ちょっと待って…何なんですので…この状況…よりよってルカ様と二人きりになるなんて…先程からルカ様がこちらを見ているのが気になって仕方ありませんわ…もしかして…せっかくのリード様との時間を邪魔されて怒ってらっしゃるのかしら…リード様もルカ様のお気持ちを察してらっしゃらなかったのかしら…リード様だってルカ様と二人でお過ごしになりたいでしょうに…どうしましょう…何か言われたら何て応えたらいいのかしら…)


マリリンは、頭の中でこの状態を必死にどうしたらいいのかを考えていた。


マリリンがそんな事を必死で考えていたら、ルカがマリリンへ話しかけてきた。


「マリリン嬢…少し伺いたい事があるのが…」


ルカは、真剣な表情でマリリンへ言った。


(うわ〜。やっぱり予想通りの展開になってしまいましたわ…何と言ったらいいのかしら…)


マリリンは、ルカに話しかけられてパニックになりながら考えていた。


「あの…わ…わたくしはルカ様からリード様を、リード様からルカ様を奪おうなどとは考えておりません。それだけは誤解なさらぬ様お願い致します。ですので…ルカ様がわたくしの事など牽制されてなくとも大丈夫でございます…」


マリリンは、ルカの顔をまともに見れず俯き気味に必死にルカへ伝えた。


「………。」


ルカは、黙っていた。


(やはり…この言い方間違っていたかしら…では、何と言えばわたくしはお二人の仲を引き裂こうなんて思ってない…何ならむしろ前世から応援しているくらいですのに…それをどう上手くお伝えすれば…)


マリリンは、必死で伝わりやすい言い方を考えていた。


すると…


「え…っと…マリリン嬢が何を言っているのかよく意味がわからないが、私が聞きたいのはマリリン嬢が今日作っていたという薬草を使った化粧水とやらの話なのだが…」


ルカは、苦笑いしながらマリリンへと言った。


「へ?リード様とルカ様のご関係の事ではなくてですか?」


マリリンは、ルカの話に拍子抜けした様な表情で言った。


「??私と殿下の関係?何の話だかよくわからないがその話ではない。して…このクッキーといい薬草を使用した化粧水といい、マリリン嬢は肌が弱い者でも使用出来るたりするものを作っているのか?」


ルカは、真剣な表情でマリリンへ尋ねた。


「えっ…?えっと…そうですわね…やはり肌トラブルに悩む女性は成人の女性だけではなく少女ほどの年でも同じでございます。ですのでまだ、成人に満たしていなくてもお使い頂ける様な物を試行錯誤しながら作っていきたいと思っております。今日の化粧水作りはその第一歩でございます。ですが…何故その様な事をお聞きになるのですか?」


マリリンは、ルカへ説明すると不思議に思った事を尋ねた。


「あぁ…実は…私の妹の事なのだが…妹は幼い頃はそうでもなかったのだが成長するに連れて肌トラブルに悩まされる様になってな…妹は今マリリン嬢より一つ上の歳で十六歳なのだが年頃なのもありとても悩んでいるのだ…王都で肌トラブルに効果があると言われた物はいくつか試してみたのだがなかなか効果がないみたいなんだ。」


ルカは、マリリンへ妹の肌の事を詳しく説明した。


「身体が成長すると共に男女共に、ホルモ…いえ、体内に分泌される物質も変化しますのでその影響で、肌トラブルに悩まされる方は少なくありませんわ。きっと妹さんも成長に伴うトラブルかと思われますわ。んん……よろしければ今日作り始めた化粧水が出来上がりましたら、妹さんに試してみられますか?」


マリリンが、ルカの話を聞きルカに提案してみた。


「いいのか?それは、凄くありがたい事だ。妹も試してみたいと言うだろう。マリリン嬢ありがとう。」


ルカは、優しい微笑みでマリリンへお礼を言った。


(ルカ様の笑み…彼秘♡ですらほとんど笑みを見たことないというのに…漫画の中ではルカ様はとてもクールな方で笑ってる場面なんてほとんどなかったものね…リード様と想いが通じ合った時の巻でしか見たことなかったというのに…こんなところでルカ様の笑みを拝めるだなんて…リード様とはまた別の破壊力…尊し)


マリリンの脳内は、煩悩強めになっていた。


「いえ…ルカ様はとても妹さん思いなのですね。妹さんは、この様に悩んでくれているお兄様がいるなんて幸せ者ですわね。あっ…化粧水と一緒に同じ薬草の茎を干して作ったお茶も一緒にお渡ししますわね。今日は、こちらのハーブ入りクッキーを少しお持ち帰り下さい。美肌効果のあるハーブを使用していますので気にせずお食べになれますわ。毒味はルカ様が既にされているので大丈夫ですわね。」


マリリンは、満面の笑みでルカへ言った。

その笑みを見て、ルカは思わずドキリしたなどマリリンは知る由もなかった。


「マリリン嬢は…前髪を切って正解だったな。今までは気づかなかったが君はとびきりの美人だったんだな。」


ルカは、笑いながらマリリンへ言った。

ルカに言われて、マリリンは恥ずかしくなり顔が赤くなった。

それを見てルカが、また笑ったのだった。


「二人共、いつの間に仲良くなったのかな…」


二人が、笑っている所にそう言ってリードが戻ってきたのだった。


ご覧頂きありがとうございます。


読んで頂き嬉しい限りです。


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