15.薬草の宝石箱や〜でございます
翌日、マリリンはカミラを連れて薬草を採りに出かけた。
薬草が生えているとされる場所は、王都の入口付近にある小さな森だった。
二人は、森へと足を進めた。
「マリリン様…この辺りにあるというのは確かなのですか?」
森に入り、歩いていたカミラがマリリンへと尋ねた。
「ええ。本によるとこの辺りに生えているはずなのよ……あっ…あったわ。あそこよ。あそこにお目当て薬草があったわ。とても沢山あるわね。」
マリリンは、カミラに応えていた時に薬草が生えている所を指差したのだった。
「本当でございますね。想像以上に沢山生えていますわね。これは大収穫になりそうな予感ですね。」
カミラは、意気込んでマリリンへ言った。
「ええ。これだけあれば十分だわ。この森は私有地ではない事を事前に調べておいたから好きな分だけ採ることができるわ。さぁ…早速摘むとしましょう。」
マリリンが、笑顔でカミラへ言った。
そして、二人は沢山生えている薬草を摘み始めたのだった。
摘み始めて三十分ほど経った。
「ふぅ〜これだけ摘めば十分だわ。」
マリリンは、額から流れる汗を拭いながらカミラへ言った。
「そうですね…マリリン様…ここに生えている薬草はほぼ摘み終えましたわ。」
カミラも、額から流れる汗を拭いながら言った。
「さぁ、必要な薬草を摘み終えたし邸へと戻りましょう。邸へと戻ったらカミラの淹れる美味しく冷たいお茶が飲みたいわ。」
マリリンは、笑顔でカミラへと言った。
「はい。マリリン様…お任せください。」
カミラも、笑顔でマリリンへ応えた。
そうして、二人は邸へと戻ったのだった。
邸へと到着した二人は、カミラの淹れたお茶を二人で飲みながら一息ついてきた。
「あぁ…やっぱりカミラの淹れてくれるお茶は絶品ね。」
マリリンは、嬉しそうにカミラへと言った。
「そう言って下さると淹れる甲斐がありますわ。」
カミラも、嬉しそうにマリリンへと応えた。
「お茶を飲み終えたら、離れへ行くわね。せっかくの採りたての薬草を無駄にはしたくないから早速試してみたい事があるから…離れを使う許可はお父様に取ってあるし、昨日のうちにロバートとバットへ用意しておいて欲しいものを頼んでおいたのよ。」
マリリンは、笑顔でカミラへ言った。
「マリリン様は相変わらず行動が早いですわね。私にも何かお手伝い出来ることがありましたら、何なりと仰って下さいね。」
カミラも、笑顔で言った。
「カミラ、ありがとう。」
マリリンは、笑顔でカミラへお礼を言った。
そして、動きやすい洋服に着替えてエプロンを持って離れへと足を運んだ。
離れへ着くと、既にロバートとバットがいた。
「ロバート、バット。昨日、急にお願いしたのに色々と動いて用意してくれてありがとう。本当に助かりましたわ。今度、わたくしの得意なクッキーを作って差し入れしますわね。」
マリリンは、ニコニコと微笑みながらロバートとバットへ言った。
「いえ…お嬢様のお申し付けならいつでも歓迎でございます。お力になれる事がありましたら今後も遠慮なく仰って下さいね。」
ロバートは、笑顔で応えた。
「?お嬢様…前髪をお切りになったのですか?」
バットが、マリリンを見て尋ねた。
「そうなのよ。今日、カミラと薬草を摘みに行ったのだけど今までの前髪の長さだと前が見えづらかったから思い切って切ったよ。そうしたら前が見えやすくなり薬草を沢山採ってきたわ。」
マリリンは、笑顔でバットとロバートへ説明した。
「何だか、お嬢様の可愛らしい瞳を数年ぶりにきちんと見られた気がして私は嬉しく思います。」
ロバートは、ニコリと微笑みマリリンへ言った。
「ロバート、ありがとう。」
マリリンは、ロバートへ微笑みながらお礼を言った。
そして……
(さぁ…いよいよ始めるとしましょうか。前世の記憶を思い出したからある程度の知識はあるから手順は問題なさそうね…あとは…前世とは使用する器具やその他もろもろが違うから、そこを上手くある物で活用しながらやるとしましょうかしら…まずは、先程、採ってきた薬草を使い薬用化粧水的なものを作っていきたいところね。森にあった薬草は無農薬だから肌が弱い方が使っても問題なく、尚且肌にもいいってものを開発したいものね…元・腐女子研究職の知識を思い切り活かしてやりますわ。)
離の中へと入ったマリリンは、そんな事を考えながらエプロンを着けて作業を開始したのだった。
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