11.気づくと目の前にリード様がいました
王太子リードとの婚約解消保留が決まった数日後……
マリリンは、王都にある図書館へと来ていた。
マリリンは、この世界でどれほどのオーガニック的なものがあるのかを調べていた。
マリリンは、何冊か気になる本をピックアップして机に運んで選んだ本を積み上げて、一冊づつ念入りに目を通した。
(この世界では、オーガニック的なものの進歩はほぼ0に等しいと言えそうですわね…確かに、前世の日本でもオーガニックというものが世に知られたのはそんなに昔ではなかったものね…この世界にもきっとアレルギーがある人や肌が弱く敏感な人がいるはずよね…そんな人達の為にも少しでも役立てる様な物を研究して作れるといいのだけど…一先ず、この世界に使えそうな薬草やその他の植物などないか調べて採取してみるのもいいかもしれないわね…)
マリリンは、この世界でも人々の役に立てる事を出来るならしたいと思い、真剣に本を読みながら情報を収集していたのだった。
役に立ちそうな本に一通り目を通し、必要な情報一通りを紙にメモしたマリリンはグーっと体を伸ばしていた。
マリリンは、体を伸ばした後にフッと前を見た。
すると、マリリンがいる机の向かい側にいつの間にかリードが座っていたのだ。
マリリンは、目の前にリードがいる事に驚いていたが図書館に居るだけに声を出すわけにもいかず、両手で声が出そうだった口元を押えたのだった。
マリリンは、とにかく何故目の前にリードがいるのかが分からなく混乱していた。
目の前に座っているリードは、ニコニコした表情でマリリンを見ていた。
(え?待って…何故ここにリード様がいらっしゃるの?ここは王宮の図書館ではなく、王都の図書館よ?リード様がこの様な場所に用なんてないわよね?あまりにも本に集中していて気づかなかったけど…いつからいらしたのかしら…?この状況どうしたらいいのかし?それよりも、推しであるリード様がこの様に目の前にいるなんて…尊すぎて困るわ…)
マリリンは、目の前にリードがいる事に驚くあまり必死で考えていた。
そして、マリリンは思い切って目の前にいるリードに声をかけた。
『あの…リード様…リード様が何故こちらにおられるのでしょうか……?』
マリリンは、図書館内の為小声でリードに尋ねた。
『王宮内にはない本がこちらへ置いてあると聞いたから、こちらへ足を運んだのだ…そうしたらマリリンが居たので驚いたよ…私が、マリリンの目の前に座ってもマリリンが本に集中しているせいかなかなか気づいて貰えなくてね…』
リードは、クスクスと笑いながら小声で応えた。
(推しの笑顔尊し……)
マリリン、リードの笑顔にhshsしてしまいそうになるのを堪えた。
『そうだったのですね…王都にリード様がおられるのでびっくり致しました。お目当ての本は見つかりましたか?』
マリリンは、目の前にいるリードのオーラに負けまいと平然を装い小声で尋ねた。
『ああ…見つかったよ。本を借り王宮に帰ったらゆっくり読むつもりだよ…それにしても…マリリンは凄い量の本を選んだものだね。』
リードは、マリリンへ小声で応えた。
『え?あ…はい。調べたいことがありましたので一通り参考になりそうな本は全て持ってきてしまったのです。』
マリリンは、苦笑いしながら小声で応えた。
『そうなのかい?もしかして、先日言っていた勉強したいと言っていた事なのかな?』
リードは、小声で尋ねた。
『はい。左様でごさまいます。わたくしが勉強したいと思っていたことの第一歩として情報収集致しておりました…』
マリリンは、リードに小声で説明した。
『そうか…マリリンは立派だね。私も、君の勉強は応援するよ。ただ、無理はしない様にね…』
リードは、微笑みながらマリリンへ小声で言った。
(リード様…何てお優しい方なの…)
マリリンは、リードに言われた言葉にジーンとしていた。
『はい。ありがとうございます。リード様。』
マリリンは、リードの優しさに感動しつつ笑みを溢しながら小声でお礼を言った。
『マリリンは、この後は何か予定があるのかい?』
リードは、小声でマリリンに尋ねた。
『この後ですか…?特には…ございません。ある程度調べておきたい事は調べる事が出来ましたので後は邸に帰るだけですが…』
マリリンは、不思議に思いながらも小声で応えた。
『そうか…では、帰りに少し王宮へと寄ってお茶でも飲んで帰らないかい?』
リードは、微笑みながらマリリンへ小声で尋ねた。
『王宮へでございますか?』
マリリンは、驚いたろうに小声で言った。
『あぁ…せっかくだから話でもしようと思ったのだが…どうだろう?』
リードは、マリリンへ小声で尋ねた。
(まさかの、お誘いですわ…リード様からのお誘いなんて恐れ多くてお断りなんてできないですわ…ですが、わたくしが伺う事でルカ様との大切なお茶のお時間を邪魔してしまわないかしら…んー……)
マリリンは、どうすべきか悩んでいた。
そして……
『畏まりました。それでは、少しお邪魔させて頂くことにしますわ…』
マリリンは、ニコリと笑い小声で応えた。
『本当かい?良かったよ。それでは、早速だが王宮と向かおう…』
リードは、小声でそう言うと椅子から立ち上がりマリリンの方へと歩いてきた。
そして、リードはマリリンを優しく椅子から立たせて馬車まで案内したのであった。
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