表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/58

1.前世の記憶を思い出しました

お時間ある時に、お気軽にご観覧頂けると幸いです♡


※話が進むにつれて、BL要素が多少なりと出てくる回もありますので苦手な方はその回スルーして頂いても構いません。






私は、ダール王国にあるストラム公爵家の令嬢のマリリン・ストラム。

十五歳です。


そんな私は、ものの数時間前に自宅の階段を下りていた時に足を踏み外してしまい、そのまま転げ落ちた際に頭を打ってしまい意識を失った……


私は、気を失っている間不思議な体験をしたのです。


そして、魘されながら意識が戻ったのです。


先程、不思議な体験したと言いましたがそれは何と………

前世の記憶を見ていたのです。


その記憶とは…


私は、日本でオーガニックの物を扱う会社の研究所で働いていました。

歳は二十歳で、名前を藤堂あんなといいました。


昔から就きたいと思っていた職業だったので、仕事は毎日忙しかったけども楽しくしていました。

しかし、休みの日は日頃の仕事の忙しさのせいもありましたが、特にこれといった趣味がなかった私は朝から掃除をし終わるとダラダラと家で過ごしていました。


そんなある日、同僚からおすすめの漫画があるからと言われてその漫画を借りることになりました。


休み前日に、試しに読んでみようと思い借りた漫画を読み始めました。


その漫画は、何と最近巷で人気が急増しているというBL漫画でした。


私は、初めて見るBL漫画に驚きつつも興味本位で読み進めました。

一巻を読み終える頃には、すっかりハマってしまっていたのです。


私が、借りたBL漫画は

【彼らの秘事〜王子と騎士の密かな恋〜】

通称・彼秘♡

という題名の漫画でした。


主人公の王太子・リードと騎士・ルカ様が王宮内で出会い恋に落ちるが、王太子という立場から好きでもない相手と結婚をしなければならない秘密の恋と立場の葛藤が描かれているという内容の漫画でした。


私は、完全に彼秘♡にハマってしまったのです。

最終巻までを揃えるほどでした。


私は、彼秘♡自体にもハマりましたが何よりハマったのが主人公のリード王太子でした。

美しい容姿に、優しさと聡明さを兼ね揃えているにも関わらず純粋に禁断の恋を貫いていたのです。

気づけば部屋の壁には、リード様のポスターを飾り、フィギュアを飾り、グッズも買いで、完全に私の推しメンとなったのです。

その後も、私は休みの日の度に推し活をする程でした…

私は、俗に言う腐女子化していたのです。


しかし、彼秘♡の最終巻の発売日に本屋に向かう途中に事故に遭いあっけなく死んでしまったのでした…


そう………

今、私がお話した前世の記憶を意識を失っている間、全てを思い出したのです。



ですが前世の記憶を、思い出した私は前世に思い残す事があったのです。

一つ目は、彼秘♡の最終巻を読めぬまま死んでしまったこと…


二つ目は、もう少しで完成間近であった新作のオーガニック商品を未完成の状態で死んでしまったこと…


そして…最後の三つ目は、彼秘♡の最終巻を買いに行った時に着けていた下着の事です。

私は、最終巻を購入したらすぐ帰宅して読むつもりでいたので服装もラフでしたし下着も適当でした…

そして、よりによってパンツは彼秘♡のグッズであるリード様の顔が描かれたものだったのです。

きっと、事故に遭ったという事は救急隊員の方はもちろん…お医者様もにも見られたに違いありません…推しのパンツを履いていることに誇りを持っていましたが、さすがに死に際に人様に見られるのは恥ずかしいです。

時を戻せるなら、上下同じ下着をつけたかったです……


って……

今は、そんな心残りの話なんてしてる場合ではないのです。



私は、どうやらあんなとして死んだ後にストラム公爵家の令嬢マリリンとして転生した様なのです。


前世の記憶が蘇った事は、多少なりと驚きましたが事態はもっと深刻な状況でした…


そう…

私が、転生したこの世界はあろう事か…彼秘♡の世界そのものだったのです。


そして、更に追い打ちをかけたのが私が転生した公爵令嬢マリリンは彼秘♡内で、リード王太子が騎士のルカ様との恋心を秘めたまま好きでもない相手と結婚をした…

まさにその…好きでもない相手がマリリン……

そう…私なのです。


「まずいわ!これでは私自身が推しであるリード様の幸せを、そして自分の生き甲斐を壊してしまうことになるわ…」


私は、思わず呟きました…


更に、何というタイミングなのか昨日、王宮から申し込まれたリード様と私の婚約話を父上が受けてしまったのです…


このままではまずいと思い、私はある決断をしました。


それは……

リード様との婚約をなかった事にして貰う事です。

この婚約さえなければ、リード様はルカ様との愛を育む事か出来るのですから…

それによって、私の推しメンのリード様の尊さを失わずに済むのですから。


そうと決まれば行動あるのみです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ