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占い

作者: 紅井萬次

電話占い。


無料で、10分お試し出来るとか。

そう書いてあったから、電話した。


指名したのは、霊感占いの中年女性。

サイトでの評価は、星5つ。


俺は訊いた。


「文筆業で、生計を立てられるようになりますか?」


彼女は言った。


「発想力に関しては、中の上程度のモノがある。しかし、それを表現する能力は……著しく低い」


「じゃあ、無理ということですか?」


「ほぼ不可能。ただし、1人でやるのであれば。あなたを見守り世に出る助けとなってくれる、そんな人物と出会えたなら、不可能ではなくなる。そして、そんな出会いの可能性があるのが、来年か再来年」


「そ、そうなんですか!?」


「そうなんです――だから努力を続けながら、待つのです。北斗の拳における武論尊のような、そんな人物が現れるのを」


 噴きそうになったので、電話を切った。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 実話ベースとはいえ、ショートショートとして相当面白いと思いました! [一言] 本作を、もっとみんなが読めばいいのにと思った!
[良い点] 笑わせてもらいました、ありがとうございました。 発想力に関しては占い師さん、当たってます。 [一言] うまくいくといいですね、文筆業。
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