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双翼の精霊騎士王  作者: 星丸
冒険家になりました
17/40

酔うと性格変わる人っているよね

「ぷはぁ〜〜!!やっぱり酒は美味いのう!!」


「フェイ様、お酒に飲まれてしまいますよ」


「問題ないぞリナ!ほれ、お主らも飲みたまえ!!」


あのあと、エストールと一緒に眠ってしまったが、リナが起こしてくれた。

そしてパーティーをしている......いや、フェイさんが一人で食べまくってるんだけどさ


「ふ、フェイさん。そんなに飲んだり食べたりしたら......」


「なんじゃ〜エレイン?ん〜?」


「ち、ちょっと......っ」


......だめだこの妖精。完全に酔ってやがるわ。

まさにセクハラ大妖精......はあ、ヴィヴィアムさん良いんですか。こんなのが上位妖精で......


(逆に、こんなんじゃないと上位妖精なんてやってられないんじゃないかな?)


(それは一理ある)


「おん?エルシア〜、お主逞しくなったのぉ!!」


「はあ!?ちょっと!!」


いきなりオレの胸を揉んできた。

いやいや、揉むほど胸ねえぞオレ!?確かに毎日訓練してるけど!!

にも関わらず、フェイさんは慣れた手つきで触ってくる


「良い胸じゃ〜。硬い筋肉のなかに確かな弾力と柔軟性がある。まさに騎士じゃ」


「男の胸を解説とか誰得ですかそれ......」


「え、エルシアさんの胸......!!」


......ここに居たわ。なんか「ふんす!」って鼻息荒くしながら顔赤くしてるんすけど......

エレイン。一体君はどこで間違ったんだ......


「......」


ケイトさん、一体どうしたんだろうか。

帰ってきてから、というよりも、父さんの名前を聞いてから様子が変だ。

まるで始めて会った時のようなオーラが出てる。

いや、数日でここまで心を開いてくれるのも謎だけど。


(話しかけてみれば?)


中々コミュ症には辛いけどやってみるか


「ケイトさん?どうかしたんですか?」


「エルシアくん......いえ、考え事をしていただけよ」


「考え事、ですか?」


「ええ。でも、貴方には関係ないわ」


......関係ない、か。



(エルシア?)


言ってくれんじゃねえかよおおおおお!!

こちとら絶対父さん絡みだから滅茶滅茶心配しとるのに!その言い草はひどい!ひどすぎる!!

なんか最初の頃に戻ってるよぉ!!」


「......なにがかしら?」


「はっ!?い、いや、こっちのことです!はい!!」


あぶねえ......口に出てた。

うわぁ、滅茶滅茶怪しがる目で見てらっしゃる。

怖い


(それはどう考えてもエルシアが悪いね、うん)


(ショックが思ったより大きかったんだよ。エストール)


(わからなくもなーい)


なんでやねん。剣の癖に。

まあ良い(剣だとぉ!?)......よし、知らないフリだ


「とりあえず、ケイトさん。何か心配事でもあれば遠慮なく言ってくださいね。力になります、仲間ですから」


「......ふふっ、ありがとう。エルシアくん」


「だ〜!も〜エルシアしゃ〜ん、いっつもそうやって女性を口説く〜!!」


「は!?」


な、なんだエレイン!?何故そんなに蕩けた顔を......っていうかフェイさん!貴女なに「やらかした......」って顔してるんですか!!


「すまんな、エルシア。まさかエレインは酔うとここまでなるとは思わんくてのう」


「酔ってましぇんよフェイさん!私は酔ってまへん!ええ!!」


「いやいやエレイン、酔ってるぞそれ......」


「だーかーら!酔ってまへんってば!エルヒアひゃん!!」


「ち、近い近い」


どれだけ飲ませたんだよフェイさん。

出来上がってるなんてもんじゃねえぞこれ、酒臭いし。なんかエレインが酒臭いのやだ......


「なんで離れるんでしゅかぁ!わらひをずっとみへいへくらさいよぉ!!」


「うおっ!?」


いきなりエレインに顔を掴まれ、目を強制的に合わせられる。

彼女は酔っており、目がトロンとしていて頬が赤く染まっているため、とても......なんというか、はい。イヤラシイ


「でへへ〜、このままゴールインでふ〜」


「な、なに言ってんだエレイン......」


「ぶっ、ちゅ〜〜」


「うわぁ!やめろぉぉぉ!?」


エレインがキスをしようと迫ってくる。

だが寸前で止まり、エレインはオレにうな垂れた


「え、エレイン?」


「......すぅ......エルシアしゃぁあん.....」


「ね、寝てらっしゃる?」


「間に合って良かったわい」


「あ、ケイトさんが眠らせたんですか?」


「うむ。このままじゃと一線を超えそうじゃったからな」


「あはは......」


完全に超えてましたね、はい。

ゴールインとか意味わからないこと言ってたしエレイン


「さて、そろそろ御開きとするかのう」


「そうしますか。では私は片付けをしますね」


「あ、オレも手伝おうか?リナ」


普段迷惑かけてるから、こういう時くらい手伝わないとな


「良いのですか?では、よろしくお願いします」


リナは微笑んだ。

う〜ん、大妖精ギルド。美女揃いだこれは


(可愛い系のエレイン、お姉さんキャラでセクシーなケイト。そして優雅で美人系のリナ。......ついでに顔だけは良い大妖精)


(そう言ってやるな、エストール


わからんくもないが。あのスケベ妖精はどうしてもカウントしたくない。美女には


「ああ、勿論」


「私は寝るわ。頭が痛くてね......」


「む、気をつけろよケイト?ワシはエレインを運んでくる。あとは頼んだぞ。エルシア、リナ」


「はい」


「任されました」


まず、なにをしようか。

とりあえず、役割分担した方が良いかな


「じゃあ、オレが食器を運ぶから、リナが洗ってくれるか?」


「はい。かしこまりました」


リナは台所へ早足で向かっていった。

それを確認し、空の食器を重ねて持っていく


「あっ、危ない......これ意外とトレーニングになるな」


バランス感覚を鍛えられそうだ。

あれ?そういえば前にリナは大量の食器を姿勢を崩さずに持ってたな......


(あ、エルシア?言い忘れてたけどあの娘、多分まともに戦ったらエルシアに余裕で勝てると思うよ。体捌きがめちゃめちゃにうまいもん)


(ま、まじか......食器運び恐るべし)


「ありがとうございます」


「い、いや。まだまだあるからオレも頑張るわ」


「はい」


......この優雅に微笑む少女が、オレより強いなんて思えないけど......まあ、良いや。

明日からより一層厳しく体を鍛えないとな


(良い心がけだよ!)


(そうか?ありがと)


まずはこの食器をバランスを崩さずに運ぶことだな。

うし、とりあえず両手で持って......


「よし、良い感じ......っと、危ない危ない」


バランス崩しかけ、うぉ!?


「ば、バナナの皮ぁ!?」


盛大に滑った。

まずい、皿の回収!!

オレは急いで立ち上がり、宙に浮かぶ皿を取っていく。

だが、6枚が限界だった


「やっべ」


「あらあら、お気をつけくださいエルシア様」


「!?」


なんと、オレの目の前には衝撃の光景が広がっていた。

器用に落ちかけた食器類を指で挟むことで取り、それでも足りない分はあげた右足とその太ももで優しく受け止める、リナの姿があった


「お怪我はありませんか?」


「え?あ、ああ」


リナは「よっと」、と言いながら足の上にある食器を上げ、手にとって何事もなかったようにスタスタと歩いていく


「世界は広いんだなぁ〜」


身近にこれほどまでの強者がいたとは。

うん、やっぱり冒険者になった方が良かったかもな。こんな経験は滅多にできない


「驚いたかのう?エルシア」


「あ、フェイさん。てっきり寝たのかと」


「ワシはまだこれから仕事があるからのう」


「そうですか......にしても、リナ。すごいですね」


鼻歌を歌いながら食器を洗っているが、その動きには一切の無駄がないように感じる


「まあ、世界最強のくノ一と呼ばれていたからのう」


「くノ一?なんですかそれ」


「簡単に言うと、極東の国の女暗殺者じゃ」


「へー、そうなんですか」


「驚かんのか?」


「いや、逆に納得しましたよ。あの動き......」


それもそうか、とフェイさんは続ける


「あいつは2年前くらいじゃったか。任務の途中に来たここが気に入ったらしくてのう。まあ、くノ一とやらも嫌々やっていたようじゃから、ワシが引き取ったんじゃ」


「ええ。その方が驚きですよ」


「こう見えてワシも腕っ節には自信があるからのう」


腕を叩き、豪快に笑いながらそう言うフェイさん。

たしかに、それなりの実力者じゃなければ個性派のリナとケイトさんをまとめるのは難しいだろう。

そう考えると、このギルドは化け物揃いなのだろうか


「ま、お主も気にするでない。いつかは強くなる」


「......ありがとうございます」


なんか、割と嬉しいな


「さて、ワシはもう寝る。リナのこと、頼んだぞ」


「はい」


それから皿洗いを再び始めた


ーーーーー


「はあ......らしくないわね」


ついイラついていてエルシアくんに当たってしまった。

簡単に言えば、私はエルシアくんに嫉妬している。

アルは私を助けてくれ、私が尊敬する人物。その息子であり、彼と長くいれたエルシアくんにだ。


「......どうしようもないわね、私」


明日絶対彼に謝ろう。

そう決心して眠りについた

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