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オタチート会長(まとめ)  作者: とりモヤシ
1/1

1~6

1.オタクの会長はいかが?


真夏の蒸し暑い体育館。そんな中で異様な雰囲気を放つ一人の男がいた。

「生徒諸君!!夏期休業も終わり、新学期を迎えることとなる!1年2年はより一層、部活、勉学に勤め、3年は間近に迫って来てる受験の為に己を磨きつつも、最後の行事を楽しみ、悔いのない新学期を送りたまえ!以上!」

強気な発言を続けたこの男は波田中学3年であり生徒会長の大駒 雄である。

そして1時間ほど経ち、集会は終わり、雄は生徒会室に戻ってきた。

「お疲れ様です。生徒会長。」

この落ち着いた雰囲気の女子生徒は波田中学2年、副会長の幹屋 彩月である。落ち着いた雰囲気の反面、それなりのドジ属性がある。

「生徒会長、相変わらず強気ですね。余計暑くなりましたよ。」

下敷きをうちわにしながらさりげなく皮肉を言うこの女子生徒は波田中学3年、書記の谷屋 美久莉である。

彼女はまるで相手を透視できそうな目をしている。

波田中学は全校生徒200人程度だが、ほのぼの出来るだけ良かった。

「ところが思うんだ、俺。」

「どうしました?生徒会長。」

「ん?何?イキリ会長。」

「書記、お前は後で指導な。まぁ、それはいいとして一つおかしいんだ。」

「何がおかしいって…部費の振り分けでしょうか?」

「違う。」

「ついに己の頭のおかしさに気がついた?」

「違う。」

「じゃあ何よ。」

「普通、生徒会と言ったら巨乳、ロリ、姉属性がいると思うが何だここは!いるのは貧乳ドジっ子と生意気ちびっこじゃねえか!」

雄は我やりきったりの表情で立ち尽くしていた。一方、彩月と美久莉はまるでドライアイスを配合したかのような冷たい視線を送る。

冷たい冷笑を浮かべながら彩月は言う。

「今、貧乳って言いましたね?後で少し遊びましょうか。」

一方、まるで快眠してたら起こしてきた親を見るような鋭い目で美久莉は言う。

「おい、今ちびっこって聞こえたぞ?聞き間違いじゃなかったら次から鏡を見れないような顔にしてやるからな雑魚会長」

さすがの雄も二人の気迫におされて怯み、そのままカバンからアニメ誌を取り出して読み始めた。

彩月と美久莉はそれぞれの職務に戻った。

「これが現実か…」

「「殴るよ☆」」


2.休日会長はいかが?


「日曜日!それは学生に約束された休息の日!世の学生はそれぞれに楽しむ!

なのに何で僕たちは生徒会の仕事なのですか?」

彩月は笑みを浮かべながら言う。

「人の上に立つというのはそういうことですよ。生徒会長。あ、お茶どうぞ。ってアチャっ!」

美久莉は退屈そうにしながら言う。

「何やってんの美久莉。相変わらずドジなんだから。あ、それでイキリ会長、

「生徒会長だ。」

「どうでもいいわ。それでなんだけど先生があと2時間したら帰れって。」

「2時間…なげぇよ…20分アニメ6本だから半期分ぐらい見れるぞ…第一に平日でいいじゃん…」

「何言ってんですか生徒会長?部費の振り分けに生徒会広報の作成、コンクール会場の予約に他学校への挨拶。新学期はただでさえやることが多いのにそれをサボっていた生徒会長の責任じゃないですか。おまけに…」

「あーーー!もういい!やります!やりますから!」

「そうしてください。」

「そうだ。イキリ会長。」

こうして雄は生徒会の仕事に取り組む…

「もう2時間?」

「まだ5分です。」

「もう2時間?」

「まだ10分です。」

「もう2時k…」

「うるせぇぞ!イキリ会長!」

美久莉はおもむろに時計をいじりだした。そしてアラームを設定する。

「いい?これが鳴ったら終わりの合図!オケ?」

「お、オケでーす…」

それからしばらく経ち、アラーム音が鳴る。

「っしゃー!終わったー!帰るぞ!」

「ですね。時間ですし。」

「やっと帰れる…」

そうして波田中学生徒会は活気を取り戻した。

しかし…

「おっ、大駒!ちょうどいい所に!この件についてなんだが…」

「えっ…」

「お疲れ様です。」

「ザマみろww」

そうして連れてかれる大駒を楽しそうに彩月と美久莉は見つめながら昇降口へと向かった。


3.不運会長はいかが?


「ふぅ…天上網羅の剣眼を持つ俺には過酷な仕事だったぜ…」

「何言ってんですか。その天井甲羅の健太の俺ってそんなのありませんよ。」

「何だよそれ…」

生徒会の仕事を終えた雄たちは家に帰る途中だった。

「ねぇ、それよりこれ見て。」美久莉はスマホの画面を見せる。

「ん?何だ?」

そこにはこう書かれていた

【連続通り魔、近くには学校も】←new!!

「あらあら、最近は物騒ですね。」

「通り魔か...この俺の天上網羅の...」

「あんたらバカなの?ちゃんと下見なさいよ。」

「「ん?」」

そこにはこう書かれていた。

なお、通り魔により、近辺にある市立波田中学校は登下校の際に集団で帰るように指示し...

「俺聞いてねえぞ!!これ!」

「先生たちはおっちょこちょいですね♪」

「おっちょこちょいってレベルじゃあねえだろ!」

すると突然、美久莉は何かを察したように突然黙りだし、二人の肩を叩いた。

「ねえ。感じるわ。」

「そうか…ついに俺の魅力を…」

「バカ!って分かるわけないか...いいわ。教える。実は生まれつき私には特殊な能力があって漢字で心臓透視って書いてルック・ザ・ハートっていう能力があるの。その能力は相手の心拍、感情、思ってる事を読み取れる力があるの。今、その能力で感知したんだけど前から来てる灰色の服を着てる男がいるでしょ。その男のことを読み取ったら異常なくらいに心拍数が高くてそのうえ、殺すっていう感情、そして、、、次はあそこの三人組にしようっていうことが読み取れたの。もうわかるでしょ?」

「何?お前まで俺たちの世界に来たってことか?」

「バカなの?あんた。あいつが例の通り魔で間違いないってことよ。」

「はいはい。ようこそ。ようこそ。」

すると、その瞬間、例の男は、三人組の方へ走りだしてきた。

「おいおい、、嘘だろ」

そして、隠し持っていたナイフを雄へ突き出す!!

「「嘘..」」


4.チート会長はいかが?


「うひゃひゃひゃはyはやひゃyっはyはyはやはやはyはやあh!!!!!!!」

ナイフを突き立てながら奇声をあげる通り魔は雄の腹へ一直線に走ってくる

「く、狂ってやがる...」

突然の出来事に雄はただ立ち尽くしているだけだった。

「死いいいいいいいいいいいいいねえええええええええええええええ!!!!!!」

そして、通り魔のナイフは雄の腹に食い込んだ...

「うひゃひゃひゃはyはやっはやひゃはあh...次はお前らだ...」

「おい、どこに俺が倒れたって書いてあったんだ?」

「何!?」

すると、通り魔のナイフが食い込んだはずの雄は何事も無かったかのように通り魔のところへ歩ってきた

「ば、バカな!?何故生きてる!?確かに腹を刺したはずだ!」

「ああ。確かに刺さったさ。」

「じゃあ、何故!!」

すると、雄は美久莉の方へ向きだした。

「おい、生意気野郎。」

「その呼び名は気に入らんけど何?」

「お前、さっき心臓透視とか言ってたよな。」

「それが何よ。」

「それのお返しに俺の能力を教えてやる。俺の能力は同位変換と書いてチェンジ・ザ・イコールと呼ぶ。

この能力は同じ状態っつったって分かりにくいから簡単に言うと1つの液体を他の液体に、1つの固体を他の固体に、1つの気体を他の気体に変えられるっちゅうこと。それで今は俺の制服の中に着てる下着をプロテクターに変えたってことさ。ただ、それだけじゃ不安だったからあんたのナイフも変えたけどな。」

「な、何!?」

通り魔は自分のナイフの頂点を押して確かめた。

「ほ、ホントだ...おもちゃに変わってやがる...」

「さて...あんた、神経か肉体のどちらかが壊されるのだったらどっちが...いい?」

まるで雄は弱者を嘲るかのような目で通り魔に問うた。

「し、神経で…」

「へえ...神経...ねえ...ところで...誰があんたの望みを聞くって言った?」

「へ、?」

「あんたは永遠に苦しめ。俺があんたを一番苦しい手段で罰してやるぜ...」

「や、やめてくれ...頼む...」

その瞬間、雄はまるで処刑を楽しんでるかのような冷たい笑みを浮かべた...

「う、うああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

通り魔は突然その場から消えた...

彩月と美久莉は恐ろしくて雄に何をしたのか聞けなかった...


5.処刑会長はいかが?


昨日の出来事から一夜、普段にもまして憂鬱な月曜日の朝を迎えた。

結局あの後、警察が通り魔の目撃情報を辿って雄たちのもとへ来たが、雄は

「僕たちを無視してどこかへ行きました」

と言って警察を走らせたのみだった。

3人で帰る道はいつもは賑やかなのに聞こえるのはサイレンと野次馬の囁く声しかないせいか、自然と会話も起きるはずなく、いつもは短い帰り道が異様に長く感じられた…

しかし雄には悔いが一つある。

「CD買うの忘れてた…」

しかし、後悔する暇はない。なぜなら生徒会長として校門前で挨拶しなければいけないからだ。

校門に着くと既に彩月と美久莉の二人がいた。

「おはようございます。昨日は不幸でしたね。」

「よっ。イキリ会長。」

二人はいつもとあまり変わらない様子で雄に挨拶してきた。

「ういー。」

「生徒会長らしからぬ挨拶ですね。」

「そりゃ昨日のことあればイキリ会長も疲れるだろ。」

「まぁな。」

そのあとは特に何も話さず、ひたすら挨拶してた。

そして終わった時に彩月と美久莉は一瞬、見つめあってから雄に美久莉が効いてきた。

「ところで昨日のあいつはどうしたの?」

「あー…聞くか?」

「うん。」

「本当に聞くのか?」

「だから聞くって言ってるじゃん。」

「いい加減答えてください。生徒会長。」

「しゃーない。後悔しても知らんぞ。」

「「ゴクリ。」」

「俺の同位変換であいつはこの学校の女子トイレの便器に変えた。」

「「おい!!」」

「ん?」

「それではこっちの損ですよね!生徒会長!」

「そーだ!今度からトイレ行けねーじゃねーか!」

「あー…安心して…職員トイレだから。」

ちなみにだがこの学校の教員の平均年齢がおかしく、男性教員の平均年齢が32に関わらず、女性教員の平均年齢が59であり、若くて57である。というか2年後にはほぼ男やん。

「「なるほど。それなら大丈夫…」」

「って完全な差別ですよね生徒会長。」

「そーだ!女性は何歳になっても可憐な花だぞ!」

二人のまるで犯罪者を見るような目が俺に注がれた。怖い。死にそう。というかメンタル死にかけてる。

「じ、冗談ですよ~い、いやだなーあはははは(棒)」

「「そうかそれはよかった(棒)」」

「で、どうした、年齢差別イキリ会長」

しどい。

「まぁ、聞きたいというのなら…いいか。」

「「ゴクリ。」」

「アイツは、今、俺の下だ。いや、細かく言えば俺の足の外か…」

「いや!靴って言えよっ!イキリ会長!冗談はいいから!」

「じゃあお前の心臓透視を使って俺の靴を見てみろ。」

「はいはい、なんで茶番に…

「どうしたんですか?書記さん。」

「ウ、ウソッ…でも…ありえない…なぜ靴から鼓動を感じるの?まさか…本当に…」

「ああ。アイツの意志だけを残して靴に同位変換した。」

「ま、まさか、書記さんまで…わ、私にドッキリ仕掛けてもむ、無駄ですよ?ドッキリはやめてください?生徒会長?」

「お前はあの男がどこかへ行ったのを見たか?」

その時、放課後の賑わう外とは対照的に生徒会室は沈黙に包まれた…


番外編.黒歴史会長はいかが?


どうも。雄の母です。今日は雄の黒歴史を話せって言われたので話します。

雄が同位変換で最初に変えた物ってなんだと思います?

実は最初に変えたのは小4でとった0点のテストなんです。

ただ、変換して本人は100にしたつもりだったのでしょうが、00点になってたのですぐ分かりました。

6.メンタルクラッシュ会長はいかが?


雄が同位変換チェンジ・ザ・イコールの能力で通り魔を靴に変えたのを知ってから彩月と美久莉は何も言葉にできなかった。

結局、仕事も手につかず、それぞれが自分を落ち着かせるために各自行動をしてその日は帰った。

雄は家に帰っても何もすることなく、ただベッドの上でボーっとしているだけだった。

いや、実際は何もできなかったのかもしれない。同位変換だって何も副作用がないわけではない。

強い力を手に入れたいなら大きな何かを失わなければいけない。それがこの世のルールの一つだ。

同位変換の副作用は使った相手の過去のトラウマや苦痛の記憶が流れてくるというタチが悪い精神攻撃だ。

それが怖くて俺は動けないのかもしれない。そんなことを考えてたらそいつは来た。

「ウッ!うあああああ!グァッ!」

俺はベッドの上をのたうち回っていた。通り魔の記憶が流れてくる。

イヤダ。イヤダ。ダレナノカアサン。ソノオトコワダレ?パパワドコ?ママナンデヘヤニイレテクレナイノ?

ママ?ママ?ママ?ママ?ママ?ナンデデンキケシテルノ?ナンデママワ


クビヲヒモ二ヒッカケテアソンデルノ?デモナンデタノシソウジャナイノ?


アレ?ママ?ママ?ママ?


「ウアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!やめてくれ…やめてくれよ…頼むからもうやめてくれ…」

気づいたらベッドはすっかり涙でびしょ濡れになり、全身からは汗、唾、涙が出ていた。

もう俺は嫌になり、部屋の中の凶器を探した。

「あった…小学校の頃の彫刻刀か…まぁ、ありかな」

俺は彫刻刀を手に取り、それを首に近づけていく…

あぁ…もう少しで楽になれる…はやく…ラクになりたい…

あと少しというところで邪魔が入る。

「ユウー!風呂入っちゃいなさい!」

俺は舌打ちをし、風呂に入りに…そうか…風呂でも死ねるじゃないか。そうしよう。

そうして俺は階段を降りてったところで母に止められた。

「アンタ。また使ったでしょ。」

チッ…邪魔だ…第一にゲームして負けてイラついたんだろとかいうんだろ。

「同位変換を。」

その言葉に俺は耳を疑った。なぜ見てないのに分かるんだ。まぁ、いい。とっとと死のう。

そう思って脱衣所に歩ってった所で突然俺は意識を失った…


7.オドロキ会長はいかが?


ふと、俺は意識を取り戻した。見覚えのある天井だ。ここはリビングか。

一回意識を失ったからか大分落ち着いていた。

そんな時に母の声がする。

「やっと目ぇ覚ました。おはよう。」

「あぁ。それよりなんで同位変…」

「あぁ、同位変換をなんで知ってたかってことね。簡単よ。昔は父さんが持っていたからね。」

「父さんが!?」

「えぇ。おそらく父さんのが受け継がれたのね。」

ちなみに俺の父親は一応、会社員だ。

「でも…何で俺の意識が…」

「あぁ、それは私の能力。」

「へ?」

「あー…説明めんどくさいけどまぁ、言うなら個人停止ストップ・ワンってとこかな。」

完全に俺は意味がわからなかった。それが顔に出てたのだろう。母は説明を加えた。

「まぁ、簡単に言うならその人だけの時間を止めると言うような感じかな。仮にゲームでいうとポーズモードにしたらゲーム内のキャラクターの時間は止まってるけどプレイヤーである自分の時間は止まらないというのがいい例えかな?」

いや。待て。いきなり新事実を知りすぎじゃないか?もしかしたら「お前は知りすぎた」って言って消されるんじゃねえか?そんな不安も全くの無駄でその後はいつも通り普通に飯食って普通に風呂入って普通に部屋に戻った。

あ…布団に汗と唾と涙こぼしまくりだったじゃねえか…

「まぁ、いいや。そのうち慣れるか。おやすみー」

…結局ベッドにいたのは2分くらいだった。

「仕方ない。床で寝るか。」

あぁ、どうか神様。目の前にベッドがあるのに床に寝るという苦行を行なってるので朝起きたらベッドの中に全裸の女の子がいるというお恵みください…


8.ポジティブ生徒会はいかが?


痛い。流石に床に寝るのはアウトだった。だが、後悔してもどうしようもないからとりあえず学校に行くしかないよな………全裸の女の子いないかな。

そんな期待を込めて布団をめくるが迎えたのは自分の体液の匂いだけだった。

「…まぁ、流石に男子中学生の体液モリモリ布団に誰も入りたくないか…」

謎の失意と共に俺は学校へ向かった。

結局、今日も彩月と美久莉の方が早かった。というかこいつらいつ来てんだよ。

「おはようございます。生徒会長。」

「ういーす。シューズ会長。」

「よーし。美久莉は後で指導としてとりあえずおはよう。」

昨日はあんなに暗かったのに一晩明けたらとっくに気持ちはふりきれてるようだ。

「あ、そうでした。伝えたいことがあります。生徒会長。」

「ん?何だ?告白か?ラブコールか?それともわ・た・し・?」

「キモいですよ。生徒会長。」

「流石に引くわ…書記として記録しとくか…」

「すまん。それで何だ?話って」

「生徒会長。」

「あなた、遅刻してますよ。」

「ん?」

手元の時計を見てみたら明らかに家の時間と1時間以上ズレていた。

「何でだよ!」

「ということで記録しといてください。書記さん。」

「うい。残念だったな。遅刻会長。」

ちなみに、この後俺は顧問に長々と叱られた…

そして!時は経つ!放課後!それは(以下略

「今日は初っ端から災難だったぜ…」

「自業自得です。生徒会長。」

「ざまーみろ」

さて…俺は朝から気になってたことを聞くとするか…

「ところでよく俺の能力にビビンねぇな。」

「いくら恐ろしい力でもそれを使うのが生徒会長なので全然恐ろしさがありません。」

「だって アンタの母に聞いたし。アンタの能力の副作用。」

…え!?何話してくれちゃってんだよ。

「えーと、たしか…」

「半径500m以内の女性を妃として迎えようとするんですよ。書記さん。」

「あっ!そうかっ!さすが彩月!」

おい。

「全然ちげぇよ!」

「「ん?」」

結局、俺は昨日の出来事を話した。

「…ということなんだ。」

さて、どんな反応を…

「「生徒会長、体洗った?」」

覚えてろよオメェら。あ、そうだ。もう一つ聞いとこう。

「ところでだけどどうしたら布団に全裸の美少女が来るかな。」

「金ですね。」

「だな。諦めろ。ボッチ会長。」

なんかいやにリアルな答えじゃねえか…チクショウ…


9.お困り会長はいかが?


さーてみんな。雄お兄さんの予算会議のコーナーだよー

…クッソめんどクセェ!

「ふざけてないで進めてください。生徒会長。」

「そうですよ。早く始めましょう。生徒会長。」

ん?美久莉がいやに上品…からかってやろう。

「美久莉さーん。書記の美久莉さんはいらっしゃいませんかー。」

「私はここにいますよ。生徒会長。」

「アンタ誰?」

「私は書記の谷屋美久莉ですよ?生徒会長。」

…仕方ない。ボイスレコーダー使うか。

ガシッ。

ん?ってあー…そうだ。こいつ心臓透視持ってるんだった。

「始めましょう?生徒会長。」

表情こそは上品だったがその目は余計なことしたら殺すぞと言っていた…

結局、その後は順調に進み、最後の部になった。

「あー…予算変えてほしいんすけどーイイっすか?」

彼はサッカー副部(この学校ではあまりにも問題児が多くて二つに分けられた)の部長。3年の淵矢 政。女子からの人気が高く、実際モテてる。しかし、それは風貌であり、サッカー副部は遊んでしかいないことで有名だった。一言で言えば、クソウザいやつだ。

まぁ、いいや。ここは落ち着いていこう。

「はい。どこをでしょうか?」

「ここの合宿費あるじゃないっすか?」

「ありますねぇ!」

「これ、少ないんで増やしてくりーw」

ウッワ。引くわー。これは流石にと思って女子をみたら彩月と美久莉以外笑ってた。というか彩月と美久莉は無表情だ。この二人、好き!さて、バカの相手するか。

「第一に何に使うのでしょうか?」

「カラオケっしょ?ボーリングっしょ?ゲーセンっしょ?とりあえず部員5人なんで15万増やしてくりーw」

ウッワ。引くわー。(2回目)どれどれ、女子の反応は…

「マジうけるーw」 「さすが政くんw」 「政くんカッコいー♡」

この学校終わったな。でも相変わらず彩月と美久莉は無表情だ。Youは最高

「ところでー君達かわいいねw部費上げてくれたら彼女にしてあげていーよ?w」

…おいおい…嘘だろ…でもまぁ、それはないよな…と思い、彩月を見てみると…

「有難いお話ですね。」

嘘だろ。美久莉は?

「わーい!美久莉うれしー!」

…え。


10.連携生徒会はいかが?


美久莉さん。嘘でしょ?彩月さんも嘘だよね?

俺は呆然としすぎて固まってしまった。結局、話も覚えていない。やめてくれ。なんか分かんないけどすごいいやだ。そして、時は来てしまった。

「じゃあ部費あげてくれるんすね?」

もう聞きたくない。

「おつかれさん。アホ部長。」

「え?」

思わず俺は驚いてしまった。

「あ!?んだとコラァ!」

「彩月。入れ替わりと思って書記の内容話しといて。」

「ええ。けれども私のイメージが壊れそうなので生徒会長。読んどいてください。」

そう言われて俺は一枚の紙を受け取った。

「えーと…何々?政の考えてたこと?

1.この二人は軽く口説けばいいっしょw

2.その後は適当に捨てるかww

って何これ?」

その時、俺の脳内に何かが来た。

(聞こえる?イキリ会長。私よ。美久莉よ。)

(お前なのか?というかどうやってんだよ。)

(心臓透視にはテレパシー機能もあるのよ。)

(へー…じゃあ、彩月も…)

(はーい。彩月っちだよー♪)

(あ、これはネットになると性格変わるパターンだ。)

(聞こえてますよ。生徒会長。)

(とっとと話すと政のことを心臓透視で見て人格を見てたの。)

(なるほど。で、俺はどうすればいい?)

(どうぞお好きに。)

よーし。楽しくなって来たぞ。

と思った矢先、彩月が大変なことになってた。

「おい!殺されてえかコラァ!」

仕方ない。

「おい。そこの気持ち悪いナルシ野郎。」

「んだと?」

「貴様、金が欲しいのか?」

「ああそうだよ。とっとと金よこせよ!」

「いいだろう。くれてやろう。30万でどうだ。」

「分かってるじゃねぇか。よこせよ。」

「ほい。」

その瞬間、政は30万円の札束となった。

「そんなに欲しいならいっそ自分がなれよw」

マズイな…これでは女子達から報復が…と見てみたら、

「すごい!生徒会長意外と強いんだw」 「待って。政クズすぎやん。」

手のひら返しすげぇな。こいつら。

そんな感じで予算会議は終わった。

今日はもう疲れたからアニメ見て寝よう。


番外編.政のトラウマ


さて、政のトラウマに悩まされなければいけない。

怖い。怖い。怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い

あ、始まった。

あ、終わった。

結論から言うと金欠がトラウマらしいが、別に毎月経験してる俺にはなんのダメージもなかった。

11.運動祭会長はいかが?


「ああ、運命とは何と皮肉なんだろう…神にちゃんと祈ったのに…」

雄は地面に伏せるようにかがんでいた。

「もう諦めてください。生徒会長。」

一方の彩月はまるでケガしてる鹿を見る女子小学生のような目で雄を見ていた。

「そーだぞ。諦めろ。オタ会長。」

冷たい言葉を放つ美久莉はまるで、決勝で負けて地面にうなだれるサッカー選手を見るサポーターのような目で雄を見ていた。

今日は何しろ体育万年評価3の人間からしたら地獄の一日、そう。運動祭である。

「なんでこんな日に限って晴れるんだよ…」

体育評価万年3の雄にはこれから来る苦痛はもう大体予想できていた。

「まぁ、もう始まることは仕方ありませんから頑張りましょう。生徒会長。」

そらぁ、体育評価万年5からしたら頑張ろうと思えるだろうな…

「さっさと取り掛かるぞー運動会長。」

なんか色々と不満はあったが敢えてここは言わないでおこう。

そんな時に放送部のやたら抑揚がついた連絡が放送された。

「これより、運動祭の準備に取り掛かります。各部の部長、実行委員会、生徒会の皆さんは体育倉庫前に集まってください。」

「しゃーない。行きますかー。」

「がんばりましょう。生徒会長。ふぁいと、おーです。」

「そういうのは美少女キャラがやるからいいんだよ。」

軽くからかうつもりで言ったら意外と本気で受け止めた。

その瞬間、覚えてるのは彩月の右ストレートが俺の頰に飛んできたことくらいか…

「べぁう!」

俺は無残な叫び声を上げて吹っ飛ばされた。さすが体育評価万年5の右ストレート。これは俺、相当飛ばされたな。

「グハァ!」

痛い。土が背中にチクチクくる。

「アハハハハ!ザマァ見ろ!」

美久莉は人の不幸を思いっきり笑った。いゃ、まぁ、種、撒いたの俺だけどさ…それよりも気になることがある。

「なぁ、美久莉。俺はどんくらいぶっ飛んだ?」

「んー。だいたい変身する力を手に入れる前のヒーローが怪人に投げられた時くらいかな。」

「とても分かりやすい例えをありがとう。でも、ということは彩月は?」

「「怪人だな!!」」

珍しく二人の考えが一致したところで察した。

ご本人のご登場でーす。

「ちょっと寝ててください。生徒会長。書記さん。」

こわい。その笑顔がこわい。しかもそれって漫画でめっちゃ強い奴が言う言葉やん。

「ンゴォ!」 「ベハゥ!」

美久莉には右アッパー、俺には立とうとした瞬間に肩にカカト落としが来た。

なぁ、これ、もう俺たち運動祭終わりでよくないか?

しかしっ!運動祭は続くっ!


12.くたびれ会長はいかが?


結局、雄たちが準備に向かった頃にはとっくに終わってて、案の定、顧問に叱られた。

そんな中、またわざとらしい抑揚の放送が鳴る。

「これより、開祭式を始めますので、関係者は壇上前に集合してください。」

当然、生徒会長は参加しなければならない。

「では、生徒会長挨拶お願いします。」

「はい。」

生徒会長だからしっかりやらねば。

そう思い、壇上へ向かう。

この学校のルールとして生徒会長は挨拶の最後に

「エイエイオー」をやらなければならないというのがある。

よし。心を落ち着かせていくぞ。

「生徒諸君!!日頃の鍛錬の成果をここにて(以下略

では、腕を拝借!


エイ!エイ!

さあ、行くぞ!

オー!

思いっきり腕を天に突き上げる!天に努力を約束するように!…しかし、この時すっかり忘れてた。

さっき彩月に肩にカカト落としくらったことを…

「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

この醜い叫び声の主は無論、俺だ。

美久莉は必死に笑いをこらえ、カカト落としを食らわした彩月はというと、

…さっさとやってください。生徒会長。という目でこっちを見てきた。

いや、原因アンタだから。

俺は惨めな思いのまま壇上を下りた。

…あとで泣くか。

もう俺のメンタルは始まる前にボロボロだ…


13.スポーツ会長はいかが?


さて、いよいよ魔の祭典、運動祭の幕開けだ。

もうこうなったら覚悟を決めよう。

なにしろ、3年が最初なのだから。

「では、3年生によります。600m走です。」

よーし…600…ん?

その瞬間、3年の男子たちがざわつき始める。

だってプログラムには250mって…

あっちも察したのか突然、放送は運動祭担当の体育教師、神田 三雄が出てきた。そして言う。

「えー…君たちはまだ若い!臨機応変に対応してくれ!ガッハッハッ!」

ちなみにだが、これは後から聞いたら90%の男子がその時思ってたことらしい。

それが…

「かぁぁぁぁぁぁぁあああんんんんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

結局、俺たちは600m走らされた。

え?結果はって?

いや、だって、同じ組が陸上部とサッカー部と野球部だし?

俺、帰宅部だし?

察してくれ。

そんなこんなで次に来たのが3年女子200m走だった…が!

女子は結局、500m走らされた。

これは、後に生徒会所属、Mさんから聞いた感想です。

「神田アホじゃないの?」

Me too.

しばらくして2年女子の出番が来た。

とりあえず心の中で思う。

「彩月行けーーーーーーー!」

そんなこんなで彩月の出番は来た。

結局、彩月さんは1位でした。

さて、そこからは別に何事もなく進んだからいいだろう。

問題はこれからだった…


14.不満会長はいかが?


そして、その時は来た。運動祭最大の種目、学年リレーである。

この競技はまさしく王道と言ってもいいだろう。

さて、みんなは盛り上がっているが、俺は違う

俺の至福の楽しみ方はみんながワイワイ盛り上がってる中、生徒会長としてしっかり復習するのだ。

「たしか…先週はキングマイザーパースを使った代わりにツィンが永遠の死を被って…」

あ、彩月の出番だ。

彩月の手にバトンが渡った瞬間、彼女の目が明らかに変わった。

そこからどんどん2位との差を広げて行き、最終的に半周以上差がついていた。

「いいぞ!さすがだ!」

俺は熱くなっていたが、アンカーを見てその情熱は冷めた。

「あいつか…」

それは3年の江見木 ウユカである。

別に何でもいいじゃないかと思うかもしれないがどうしてもアイツは負の感情を抱かずにはいられない。

バトンが渡った瞬間、一気に3年女子の歓声が響き渡る。

「ウユーーーー!!」 「いっちゃえーーー!」

ゴール直前になった瞬間、彼女の悪い癖が出た。

それは、勝利を確信した瞬間、力を抜いてしまうことだ。

「イエーーーイ!ゴールルー!」

ウユカは後ろ向きに走ってゴールへ向かっていた。

そうしてゴール直前になった瞬間、事件は起きてしまう。

レーン上にあった小石に躓いて…思いっきりコケた。

その瞬間に一気に歓声は途絶え、2位の人間がウユカを抜かし、ゴールする。

すると、ウユカに近寄ったのは教師でも生徒でもなかった。

「ウユカ!!大丈夫!?怪我はない!?」

それは…ウユカの親だった。


15.対処会長はいかが?


いやに大袈裟な母親はまだ大声をあげ続ける。

「こんな石のせいでこけたのね!!校長を呼びなさい!校長を!」

なんだろう。生まれて初めて校長に同情する。

「は、はい…校長は私ですが…」

あぁ、代わってあげたい。代わらないけど。

「あと、生徒会長も呼びなさい!」

えー…俺は顧問に目で聞いたら静かに顧問は頷いた。

「あ、あの…僕ですが…」

「あんたなのね!!どうしてくれるのよ!!!うちのウユカがコケて傷でもついたらどうするの!!」

さ、流石に娘は常識あるよな?と思い、チラッと見てみたら、

「はー!?マジダルゥ…この石キモいんだけど」

…俺、泣いていいかな。

しかも、

「ちょっと!?あんた何よそ見してんのよ!!」

あー…こりゃまずい…そしてモンスターペアレントの怒りの矛先は前ランナーだった彩月にまで来た。

「そもそもアンタが遅いせいでウユカが最下位になったんでしょ!!普通、先輩が余裕でゴールできるようにするのが後輩の役割でしょ!!」

あー…彩月よ。今回は哀れに思うぞ。

その時、明らかにわかった。流石に彩月も怒っていたのが。

だけど、何かおかしい。まるで、彩月の表情は冷酷な暗殺者そのものだった。

そして、彩月は言い放つ。

「消えてください。」

ん?彩月さんよ…それを言ったらさらにモンスターペアレントの怒りが増幅されるだけでは…

しかし、いやに静かだった。

どうしてもモンスターペアレントを確認したかったが何故か見る気になれない。

無性に嫌な予感がするからだ。

そして…

その予感は当たった。

聞こえる…

生徒たちのどよめく声

聞こえる…

何かに怯えるウユカの震えた息

聞こえる…

彩月の静かな笑い声…

ウユカは声を震わせながら言う。

「い、いや…どこ行ったの?ママ…」

俺はもう見なくても分かってしまった。

消されたのだ。

ウユカの母が…

その時、彩月はいきなり声を出した。

「江見木 真由、36歳、誕生日は1981年5月26日。旧姓 上田、出身学校は波田小学校、波田中学校、組期女子高等学校、海空大学、過去に勤めた職場はヘックマート波田南店、印刷会社エミア。夫は江見木 メヂホフ、ロシアと日本のハーフ。出会いは印刷会社エミア内で同僚同士で恋愛。間違いないですね?ウユカセン、パイ?」

「は、はい…」

どういうことだ。彩月はなぜ情報を手に入れたんだ。

しかし、ウユカは何かを許さなかったのだろう。いきなり開き直って彩月に言った。

「あのさ、勝手にうちのママ消さないでくれない?と言ったってどうせ聞かないんでしょ?じゃあいいよ。彼ピッピ呼ぶから。言っとくけどうちの彼ピッピまぢ強いから。」

すると、ポケットからスマホを取り出した。っというかそれ、校則違反。

しかし、彼氏は出なかったらしく、舌打ちをしながら電話を切る。

すると、生徒席から誰か歩いて来た。

「あー!ウユタン困ってるの!助けて?」

どうやら彼氏のようだ。

近くなり、誰だか見える。

そいつは…俺が前、30万円に変えてやった淵屋 政だった…ちなみに何で戻ってるかというと、1時間程度で戻してやった。流石に後処理が面倒だからな。しっかし、こんなとこで来るなんて…流石に二次災害を覚悟した俺は政の言動の意外性に驚いた。

「悪いけど、アンタの彼氏やめるから、んじゃ。っと生徒会長ではないか!先週のツィンの死はマジで泣いたな!あの仲間を思って己の命をいや、魂をかけて敵を倒して自分も消えるなんてよ!先週はマジで死ぬほど泣いたぜ!なあ!一緒に言おうぜ!ツィンの最後の言葉!」

意外すぎて俺はポカンとしてたが、

「「おい!!俺はお前たちと出会えてよかったぜ!言っとくがこんなとこで俺の仲間に死なれたら困るからな!俺の魂、無駄にするなよ!!そこの角野郎!お前の相手は俺だ!!俺の魂!あいつを倒してくれ!行くぞ!キングマザーパース!!!!!!!!!」」

俺たちはやり遂げた。久々に気持ちいい汗かいたぜ。

静まり返っていた生徒席は一瞬で湧き返し、ノリいいーwと騒ぐ女子、キングマザーパースを思い出して涙を流す同士、それぞれが違う盛り上がり方をしたが、まるでそれは一つのことで騒ぎ合う学生そのものだった。

…あ、やべ。顧問来た。

「ツィン!アンタの死は無駄にしないカラァ!」

アンタもか。…あとで語り合おう。

結局、呆然とするウユカはほっといて運動祭の準備は終わった。

みんなが帰って残ってるのはいつもの生徒会のメンバーだけだった。

「ねぇ、アイツは戻さないの?彩月。」

「ああ、そうですね。戻しましょう。美久莉さん。」

その瞬間、彩月は深呼吸をし、

「帰ってこい。愚者よ。」

そしてモンスターペアレントは帰って来てウユカと帰った。

さーて帰るか…の前に、

「なあ、その能力は何なんだ?」

「めんどくさいのでご想像にお任せします。生徒会長。」

「ふられてやんのーwマザーパース会長」

あ、ヤバイ。その言葉でツィンを思い出し涙が、

そんなムードは一言で消えた。

「おい。大駒。ちょっと来い。あ、二人は先帰ってろ。」

「「さよーならー」」

俺は顧問に呼び出された。とにかく、二人の裏切り者!


番外編.呼び出され会長はいかが?


結局、あの後、呼び出されて何を話したかというと…

「なあ、今日はなかなかよかったぞ。」

ん?

ところでだが…その後は3時間くらい語り合った。

そして、二人共涙目で帰ったのであった。

いい顧問をもったなぁ…

16.休日登校会長はいかが?


「あー…クソ眠いしめんどクセェ…」

今は土曜日の午前7時30分だ。

なぜハイパークールイケメンジャス(以下略)な俺がなぜ朝から気力を失いかけてるのかというと今日は土曜日。そう、普通は休日なのにバザーで登校しなければならない。(生徒会強制)

一応俺たちの集合は9時だ。きっと他の生徒は遊んでるんだろぅなぁ…いや、政は1人でアニメ見ながら盛り上がってるか…まぁそんなことはどうでもいい。今日の俺たちの役割はバザーの見回りくらいだ。と言ったってこんな田舎のバザーなぞ来るのはせいぜい近所の人くらいだし何かやったところですぐ分かるから実質見回りと言う名のウォーキング状態だ。結局俺は全てを諦め、支度を始めた。

「おはようございます。生徒会長。」

「ういーす。オタ会長。」

「ういー…」

ってん?ここって俺の家だよな…周りにいる様子もないしこれは

「そう。私のテレパシーよ。何しろちょっと伝えたいことがあってね。」

「あぁーん…さっさと言ってくれ…」

「今日私、急用できたから顧問に伝えといて。んじゃ。」

プツン。

ん?顧問に伝えといて…急用…顧問に伝えといて…急用…

「今日あいつこねぇのかよ!!」

ツイてない…俺…何か悪いことした?

まぁうるさくないからいいか。

そして時計を見ると8時30分になってたことに気づき俺はトーストをくわえながらダッシュで学校へ向かった…


17.見回り会長はいかが?


「遅刻遅刻!!私、大駒 雄、普通の15歳!!今日は朝から変なヤツら(主に美久莉)のせいで時間をめちゃくそ奪われて遅刻の危機!やっばーい!遅刻しちゃう!!」

この独り言を言ってる途中に俺は気づいた。クラスのコミュ力の塊みたいな奴に全て聞かれてたことを…

俺は心にダメージを負ったまま学校に着いた。

「クソ…今日学校さえ無ければ…」

「おぅ、来たか大駒。幹屋なら生徒会室で待ってるぞ。」

「ありがとうございます!」

俺はダッシュで生徒会室に向かった。朝から走るな…

「遅かったですね。生徒会長。あ、どっち先行きます?」

一応今日見回るのは全部で5時間。分で言うと300分だ。それを生徒会メンバーで3等分、そう、100分ずつだ。しかし、美久莉が途中退場したため2等分になり、150分になったわけだ。

「じゃあ俺が行く。」

「分かりました。行ってらっしゃい。」

そう言うと彩月は参考書を取り出して勉強を始めた。マジメかよ。

俺はバザー中の学校を見回る。ちなみに売られてる品物は様々だ。ちょっと面白いから見回りついでにどんな物売ってるか見てみるか…

…60分後。

ワクワクドキドキ波田中学校バザー珍品プレゼーン!わーい。パフパフー

第3位~なんかワケわかんない牛の置物~

誰得。

第2位~ワクワククルクル肉じゃが製造キット~

いや、普通に作れよ。

堂々の第1位は~いやらしい本~

いや、何故学校許可したし。てかこれ18禁じゃねえか。

おまわりさーんここでーす(棒)

いいかい?俺はこんな事を考える程暇だということを分かってくれ。

「もしかして…ケフェウス様でしょうか?」

一言言わしてくれ。

「は?」

俺は全くワケわかんなかった。


18.知ってしまった会長はいかが?


俺は一体この男が誰なのか分からなかった。

「あの…どちら様ですか?」

「やっぱり自覚はあるんだね。」

「いや、自覚って…ケフェウスって誰ですか?」

「無意識のうちの自覚か…」

会話かみあってねぇ!!!!!!!!!

くそ、どうすれば。

「おっと…失礼。遅れました。どうぞ僕をレグルスとお呼びください。」

そういうとその男は深々とお辞儀した。

「いや…それよりケフェウスって…?」

「一つお聞きして良いでしょうか?」

「ん?いや…こっちが…」

「なぜあなたはケフェウスと呼ばれて自分だと分かったのです?私は呼んだ以外は何もしてないですよ?肩を叩くなどの行為も…」

「…!?」

俺は驚きのあまり声が出なくなった。確かになぜ俺はケフェウスで反応したんだ?奴が言ってた通り俺は無意識に反応していた。仮に俺に何か関係があるなら…

「私はとある組織から来ました。今回はあなたの能力、そう。同位変換について説明したいのです。30分ほどいただけるでしょうか?」

「いや…流石に今は…」

当然俺は見回り中だ。一応トラブルが起きる可能性がほぼ無いとはいえ、その可能性が0というわけではな

い。実際少し前に通り魔も現れたくらいだ。油断はできない。

「左様ですか。では、【終わらせますね。】」

「え?」

そう言うとレグルスはいきなり詠唱を始めた。

「天地天王の時系よ。太陽暦において我々の空間のみを…何分くらいです?後。」

「え…70分くらいですかね…」

「分かりました。はぁ…天地天王の時系よ。太陽暦において暦、70ほど狂わしたまえ。」

そう言うと…何も起こんなかった。強いて言えばいきなりいくつかが完売していたのと目の前に彩月がいたくら…くらい!?

「何やってんですか生徒会長。早く生徒会室戻ってください。」

「え?」

俺は校舎についている時計を見るとその時計は11時35分を指していた。

本当にいつのまにか70分経っていた。

「あ…ああ…後は任せた。」

俺はとりあえず生徒会室へ戻る。レグルスと共に。

「では、率直に言います。なぜ貴方の同位変換を知っているのか。なぜ貴方をレグルスと呼んだか、なぜ貴方だとすぐ分かったか。それは…」

男はフードを取る。

すると目の前に現れた顔は俺と瓜二つだった。

「大駒 雄さん。私はレグルス。そして人間としての名が…」

その時、後から思うと俺はその時耳を塞いででも聞かなかったらあんなことに巻き込まれなかったのかと思う。だが、思春期の男子の好奇心というのは一度抱くといい方向にも悪い方向にも暴走してしまう。

そう。俺は抗えなかった。たとえ後ろに大きな運命が待っていようと…

「大駒 刃と申します。そう。雄。貴方の先祖にあたる人物です。」

その時、俺はただどうすればいいのか分からなかった。目の前に自分と同じくらいの年代の先祖がいるのだ。

「まぁ、雄。これから君が知りたいことを全て話す。何でも聞いてください。」

「じゃああんたの能力は…」

「僕が持ってるのは時間流操作タイムコントロール。まぁ一言で言うと世界を巻き込むタイムマシンでしょうか。あとは同位変換イコールチェンジ、そして個人停止ストップ・ザ・ワンというところでしょうか。」

「何だと!?つまりは俺の…いや、俺の父親と俺の母親の能力を持っているということなのか!」

「そういうことです。」

「でもなぜ…父親の方は分かるがなぜ俺の母親の能力も!!」

「ではお聞きしますが池の同じ地点からAさんとBさんがそれぞれ逆方向に池の周りを同じ速さで出発しました。さて、AさんとBさんは合流しますか?しませんか?」

「そんなの池は大体円状だから合流するに…まさか…」

「そう。元々貴方の母親と貴方の父親の遠い先祖は姉弟でした。そしてその姉弟の父親がこの僕ということです。」

「でも何でそんなことわかんだよ!」

「僕が個人停止を自分に使って見たからね。僕にとっての【未来】。君にとっての【過去】を。」

「まさかこの時代に来たのも個人停止で…!」

「That right.」

「そうか…でも本当はアンタから何か伝えたかったからこっちの時代に来たんじゃないのか。」

「勘が良いね。流石は僕の子孫だ。その通り、同位変換について教えてあげようと思ってね。」

「一体何を俺に教えるんだ。」

「ところでだが君は同位変換をどこまで知っている?」

「固体を他の固体、液体を他の液体、気体を他の気体に変えられ、その変えた人物や物のトラウマが副作用としてくるという能力だろ?」

「まぁそんなところか…」

「そんなとこって何だよ!!」

「まだ君は知らなすぎる。あの能力を。」

「別にいい。知りたくもない。」

「ホントにかい?」

「ああ。どちらにせよそろそろ彩月が帰ってくる。」

「そうかい。まぁ、また今度来るとするよ。ただ一つだけ言えば能力を使うのは【ほどほどに】しときなよ。それじゃ。」

そう言うと刃はいきなり消えた。おそらく時間流操作でも使って未来に飛んだのだろう。

「ただいま帰りました。生徒会長。」

「おう。おかえり。じゃあ帰るか。」

「そうですね。」


20.お疲れ会長はいかが?


「ふぅ…疲れた…」

俺は疲労のあまりすぐベットへ飛び込んだ。

「さて…寝るか…」

zzz…とないかず、地味に眠れん。

仕方ない…ゲームで何か来てないか見とくか…

そして俺はしばらくたち、ふと思う。

案外大駒 刃を検索したら何か出てこないかと。

俺は試しに検索すると上の方はほとんどSNSのプロフィールだった。

「ま、こんなもんか。」

俺はボーッとした状態でスクロールすると

【大駒 刃、最大の未解決事件】

俺はそのまとめを開き、記事を読むと間違いなく俺の先祖の大駒 刃、そのものだっ…

あれ?意識が…










「見てしまいましたね。」


番外編:副生徒会長のバザー巡り


やあーみんな!さつきんだよ☆「あれ?普段と違くない?」って思った奴は容赦なくポイ☆だからね♪

さて、バザーをめーぐるとー

もう何もありませんでした。以上、脳内から幹屋がお送りしました。

21.先祖おもてなし会長はいかが?


「なんでなんですかー?ハカセー。」

「ヴェッフェッフォツガビュガビュ」

「何言ってんのか分かんねえよ!!!」

バシッ!!助手の綺麗な回し蹴りぃ!!

「フォォォォォォォォォオオオウォッオッ!」

「うるせえ!!このくそドチビ!!」

バシッ!!助手の鋭いカウンター!!

そして投げ捨てられる靴下ぁ!!



…みなさん?決してあなたたちは読む小説を誤ってるわけでもとりモヤシが書く小説を間違えてるわけでもありません。山の中なのに何故か校名に波がつく学校の生徒会長の大駒 雄です。今日は久々の休みというわけで

「デパート行こーーー!!!」とか「友達とスポーツ!!」という事を考えておりましたがいざ起きてみると既に昼、そして時間を無駄にしたという喪失感で30分ボーっとし、なんか昼から外出るのがメンドくさくなってしかも何より…

「雄!僕の子孫の家は画期的ですね。マジナウい~」

そう、僕の先祖がいます…

~1時間前~

「う…あっ!!30分も無駄にしてしまった!!どうしよう…さすがにこの時間から外出るのめんどくさいしな…仕方ない。もう少し寝るか…」

「そんなことではまた時間を無駄にしますよ。僕の子孫として情けない…」

「そんなこと言ったってよ…ご先祖様…!?」

俺は床を見る。

「誰もいない…幻聴か…寝よ。」

俺はベッドに横になる。そして寝る方向を変えると目の前に俺と瓜二つの顔が…

「ウワアアアアアアアアアア!!!!!!!いつの間に!!」

「雄が寝てから。」

「クッソ!!なんで初めて一緒に寝た他人が男なんだよっ!!」

「こら。そんなに騒いではいけませんよ。雄。」

「どこかの副会長みたいな喋り方するなっ!俺と読者がわけわかんなくなる!!」

「それより何ですかこの女子の破廉恥な絵は。」

「ヴォアアアアアアアアア!?」

俺の先祖が持っていたのは「きゅーとくつした☆」に出てくるキューティ・ソックの水着タペストリーだった。…あ、読者の皆様。今検索しようとしてるのならおやめなさい。あなたたちの世界には無い作品だから。(たぶん)

「まったく。こんな破廉恥なのは…斬り捨てますっ!!」

「うおああああ!?というかそもそも何で俺の部屋に入れてんだよ!!」

よし、時間稼ぎできた。

「何でって子孫の嫁に説明したら快諾してくれた。」

…大丈夫か大駒家。

「さて、では斬り捨てますっ!!」

そう言うと刃は近くのペンを刀に変えた。

「ま、待てっ!!考えてみろ…その作品、見てみたくないか?」

「いいでしょう。見てみます。」

しかしまずい…この作品は好き嫌いが分かれまくるのをすっかり忘れていた。どんくらい分かれるかというと山か里かくらいだ。

~そして今~

「おんなのこくつしたわーいわーいくつしたけんきゅうがんがんばろばろー」

…一言言うならさすが俺の先祖、どハマりしてた。ちなみにだがこれは「きゅーとくつした☆」のOPの「くつしたけんきゅう!」のサビの一部だ。わかる。俺も初見の頃2時間くらいああなってガチで親を心配させた。

あ、再度言うが聞いてみたいと思って検索しても無いよ(たぶん)

普通俺がどっちかといえばボケなのに…


22.驚き会長はいかが?


結局俺の貴重な休日はきゅくつに絞られた。おんなのこくつ(以下略

それはいいとして急に集会だ。そして何が何だか分かんないまま壇上に登らされた。

そして行事担当教師が声を大にして宣言する。

「緊急で1週間後に全校生サバゲー大会を実施するっ!」

「は?」たぶん全校生がそう感じた。

「安心しろ!銃と弾は支給する!!」

あ、そうなんだ、違う、そこじゃない。

「質問ある生徒は挙手!!」

すると一気に手が上がりまくった。そりゃそうだろう。

「そこのメガネ!なんだ!」

「フィールドどこですか!」

「校舎だ!ガラスブチ破っても構わん!!」

「ありがとうございます!」

違うだろ!確かにガラスブチ破りOKは魅力的だがっ!

「そこのポニテ!」

「食糧は!!」

「自己持ち込みだ!」

よーしピザもってってやるぅ

「もう無いか!よし、では終わる!」

よし、創作特有の謎の高適応能力堪能!じゃねえよ!

そして全校生徒かいさーん。

1時間目、数学。

「この銃の射程距離を求めよ!」

「射程距離25mです!」

「よし!正解だ!」

正解だじゃねえだろ…ノリ良すぎか…

あ…消しゴム無い…仕方ない、この配られた鉛筆を変換するか…

2時間目、国語

「そしてヨニケルは隕石の力で魔王を倒し…」

昨日までやってたの説明文だろうが…というか作者もちゃっかし宣伝すな…

3時間目、英語

「Yuu was died three yearsago.」

何俺3時間前に死んでるんだよ…

4時間目、理科

「この銃の衝撃を求めなさい。」

なあ、みんなどうしたんだよ(泣)

5時間目、体育

「そこの標的を狙え!!」

何?その内マッハ級の怪物でも来るの?

結局、放課後に俺は生徒会室へ向かった。

「ういー…ってウォッ!!」

そこにいたのは手榴弾を持った美久莉だった…

「おっ!ツッコミ会長!爆風で消え散れ!!」

すると美久莉は俺に手榴弾を投げてきた。

「うわっ!危ねえだろ!」

すると後ろからBB弾炸裂!!

「いてててててててて!!!!!!」

「倒れてもらいますよ。生徒会長。」

「彩月さぁん!いてててててててて!!!!!!」

「きゃっ!」

そういうと彩月は何も無いとこでコケた。そういうドジ属性お兄さん大好きだよ。

じゃなくて、

「何で狙ってきた!!」

「ちょっと書記さんと連携プレーしてみました。」

「だって個人だろ!」

「そうですが途中まで同盟を組めば…」

「なるほど…彩月っ恐ろしい子っ!じゃあ俺も入るよ。」

「いいですね。確かに生徒会長の能力があれば結構役に立ちそうです。」

「結局道具か…」

そして1週間後…悲劇は訪れる。


23.サバゲ会長はいかが?


「ではこれよりサバゲ大会を始める!!」

「「うおおおおおおおおおお!!!!」

俺以外の生徒が雄叫びをあげてエアガン片手に校舎を走り出した。

そして攻撃開始の合図と共に銃撃音が聞こえてくる。

ん?銃撃音?エアガンって銃撃音鳴るのか?それもこんなリアルな…

「大駒君。楽しみだね♪」

そう言ってきたのは同じクラスの富谷さんだ。一言で紹介するなら、コミュ力結晶ってところだろう。

「よーし!撃っちゃおー!大駒君!バー…」

そう言いかけたらいきなり床に倒れた。

「隙がありますよ。生徒会長。」

「お前が撃ったのか?彩月…」

「ええ、そうですが何か?」

「ちょっと待っててくれ。」

俺は富谷さんの様子を見てみたら富谷さんは息をしていなかった。

「なぁ、一回弾を貸して…

「ログアウトしてください。生徒会長。」

そう言いかけた瞬間、彩月は消え、目の前にいたのは刃だった。

「雄。大変ヤバした。」

「ご先祖様…影響されすぎだ…」

「そんなしたしたより大変な事が起きソック。」

読者のみなさん。ウチの先祖がすみません。今後は俺が訳します。

「雄。非常にまずいことになった。悪いがいっしょに来てもらうぞ。」

「おい、それより彩月はどうした。」

「一時的に時計になってもらってる。」

俺は刃の胸ぐらをつかみながら

「もし彩月のことを戻さなかったらどうなるか分かってるんだろうな。」

「ああ、もちろんだ。戻すのは約束する。ただ、戻すまでがかなり厄介だがな…」

「俺は彩月が戻るならこの体を犠牲にしてもいい。」

「分かった。俺に掴まれ。ちょいと謎解きタイムツアーが始まるぞ。」

「タイムツアー?」

「ああ、もうこの時間で何もなかったことにするのは無理だ。実際死人も出ている。」

「もう死人が出ているのかよ…つまりこれはサバゲーではなくバトルロワイヤルだったのか…」

「まあ、そういうことだ。一応最後に聞くが、【死にに行く覚悟】はできたか?」

「ああ。さっさと終わらしてきゅーとくつした☆見るぞ。先祖。」

「普通に刃様でいいよ?」

「どこが普通だよ!」


24.タイムツアー会長はいかが?


「よし、始めるぞ。」

そう言うと刃は目をつぶりつつ、集中しだした。

「Il mio stimato tempo e spazio God Cronos.

(わが尊敬する時空の神クロノスよ。)

Trasferisci i due ragazzi qui tre mesi fa.

(ここにいる二人の少年を3カ月前に転移させたまえ。)」

そう刃が唱えるといきなり周りの景色が変わり、校舎内だったはずがいつの間にか自分の部屋になっていた。

「よし、これから雄には面倒事に付き合ってもらうぞ。この時間帯はちょうど家に誰もいないからな。」

「面倒事?」

「ああ。今回の...そうだな...仮に【サバイワル】としよう。まずはサバイワルの首謀者を特定しなければならない。そのためにお前の部屋に来たというわけだ。」

「特定するにも手段はあるのかよ。言っとくが住所特定とかは出来ないぜ?」

「そうだな…雄。サバイワルが宣言された日に何か変わったこととかは無いか?」

「変わったことって言ったってな…たしかあの日はなんか朝に変な鉛筆が配られて…その後に消しゴム忘れてたからその鉛筆を変換して…」

「おい待て。その鉛筆について何か言ってなかったか?」

「何かったってな…そういえばこれ使えばテストの点数が100点になるとか言ってたぐらいだが別に俺には必要なかったからな…」

「ん?待て。…そういうことか。」

「何か分かったのか?」

「恐らくその鉛筆に何らかの精神系催眠が移植されていてそいつを使ったから闘気が異常にあがっていたということか…」

「でも俺も一応変換してだが使った事は使ったぜ?」

「恐らく変換した時に催眠が解除されたんだろう。実際、菌というのは熱すれば死滅するやつが多いだろ?それと同じさ。」

「ということは俺以外の生徒が鉛筆を使った時にみごとに操られたという解釈でいいのか?」

「おそらく。」

「としたら鉛筆の出所を突き止めれば…それにしても何で3か月前に戻ったんだ?何も1週間前に戻ればいいだろ。」

「まずは作戦を立てる必要があったからな。だがもういい。1週間前まで進むぞ。」

「うーい。」

そして再び刃は目をつぶりつつ集中しだした。

「Il mio stimato tempo e spazio God Cronos.

(我が尊敬する時空の神クロノスよ。)

Trasferisci i due ragazzi qui in tre mesi dopo due mesi.

(ここにいる二人の少年を2カ月3週間後に転移させたまえ。)」

するといつの間にか周りの風景はがらりと変わり見覚えのある校門の前に転移した。

「さて、集会は何時からだった?」

「大体8時くらいからだったかな...」

「いいか。一歩間違えれば大パニックだ。くれぐれも見つかるな。」

こうして俺たちの戦いは始まった。


番外編.時計になった彩月殿

かっちこっちっかっちっこっち(以下ループ)

25.潜入会長はいかが?


「それにしても変な気分だ…何で自分が行ってる学校でコソコソしなきゃいけないんだ…」

「仕方ないだろ。俺たちがやってることは実質空き巣みたいなもんだろうが。まぁ、見つかったら研究施設行きだろうな。」

俺と先祖である刃は鉛筆の出所を探るために学校に潜入していた。

「とりあえず教室行ったらいいのか?」

「そうするか。この時間帯に鉛筆は?」

「まだ配られてない。」

「そうか。なら教室で待ち伏せするのが一番だな。」

3F【3年生教室】

俺たちは待ち伏せすることにした。

10分後

「なぁ、本当に今日なのか?」

「まだ10分しか経ってねえよ…」

「10分って…来たな。」

「ああ。」

そこに来たのはやや小柄な人間だった。服装から見てこの学校の生徒だろう。仮にその人物をxとしたら

xは一人一人の机に鉛筆を置いている。当然、俺の机にも。

「どうする。今特攻をかけるか?判断はお前に任せる。雄。」

「当然、今から特攻かけるぞ。」

「ラジャ。」

そう言うと俺と刃でxを囲んだ。

「そこまでだ。正体を明かしてもらうぞ。散々俺の生徒を利用しようとしやがって…」

「熱血教師かよお前。」

先祖…覚えとけ

するとxは軽く舌打ちしてから走り出した。

だが、刃の同位変換で氷と化していた廊下に足を取られて見事にコケる。

その隙に…

「「ウォッ!!」」

見事に先祖とその子孫はコケた。

…なんとか捕まえたが。

「さて、正体を見してもらうぞ…x!!」

正体は…



























「いや、お前誰だよw」

とはいかなかった。

なぜならxの正体は…

「さ、彩月…?」

そう、正真正銘、波田中生徒会副会長の幹屋彩月だったのだから…

「なぜ貴方がここにいるのでしょうか?生徒会長。」

「そ…それはこっちのセリフだ…」

「私は先生に頼まれて鉛筆を置いていただけですよ?」

「そ、そうだよな。じ、じゃあその鉛筆俺が配っとくよ」

すると、いきなり刃は同位変換を使って変換した剣を彩月に向ける。

「な、何やってんだよ先祖…」

「なあ、一つだけ聞いていいか。女。」

「なんでしょうか?」

「お前は何故それに直接触れても平気なんだ。」

「チッ。」

「さ、彩月?」

「勘のいいお方ですね。私、そういうの…

    ウザくてキモいんで死んでください(笑)」

そう告げると彩月は刃に向かって走り出した。

「先祖!!逃げろ!!」

「外野は黙ってなっ!!」

そう言うと彩月は俺にクナイを投げて来た。

「ウォッ!!」

しかし、間一髪で避ける

「雄!!こいつは危険だっ!!撤退するぞっ!」

「あぁ!!」

「させませんよ!!」

「ウッ!!」

刃の背中にはクナイが深々と刺さっていた。

「先祖っ!!」

「マズイな…こりゃ…おまえ…が…元…の…」

「いいから喋んな!!」

妖艶な笑みを浮かべながら彩月は近づいて来る。

「これが先祖と子孫の絆というやつですか。いいですねぇ…美しいですねぇ…

滑稽ですねぇ…(笑)」

「ゆ…う…にげ……ろ……」

そして刃は動かなくなった…

「先祖ーーっ!!おいっ!!返事しろよっ!!」

「無駄ですよ(笑)さて、貴方はどう始末しましょう。ひき肉にでもしましょうかね…?」

「許さねぇぞ…このクソ野郎。」

「野郎?私は女ですが(笑)」

そして俺は決意した。

こいつを倒すと。


26.苦戦会長はいかが?


こいつを倒すと決意したが問題点があった。それは相手の能力を掴めないことだ。

そもそもコケてた時にクナイなんて無かった。としたら同位変換とかそこら辺なのだろうか。

しかしそれにしてもおかしい。そもそも持ってたのは鉛筆だけだった。そしてコケた時に全て遠くへ行ってそのままだ。

「考え事は後にしてください。【抹殺対象】」

またクナイが飛んでくる。

「ウォッ!!ウォッ!!ウォッ!!ウォッ!!」

そして一つが俺の右脚にヒットした。

「ウアッ!!」

なんだよこれ。クッソ痛え!!痛くて泣きそうになるなんていつぶりだ!

「外しましたね…次は取ります。」

そう言うと彩月はまた投げる。当然俺は避けられるはずがなく…

「ウガァッ!グフッ!!!!ガァァァァァッ!!」

どんどん体に刺さっていった。

復讐を誓っていた俺に下された現実は仇によってただ自らの肉が裂かれる痛み、音、血の匂いを感じさせられるという惨めな現実だった。

ついに俺の体の運動神経は断たれ、もはや血液が流れてるだけの人形に過ぎなかった。

マズイ…俺のから…だ…が……

「フゥ…邪魔が入りましたが何とかなりましたね。」

彩月は清々しそうに教室へ歩を進める。

「警告、歩行を停止せよ。警告、歩行を停止せよ。警告、歩行を停止せよ。警告、」

一人の声が彩月の歩を再び止めた。


27.無意識会長はいかが?


「何ですか?うるさいですね。」

「警告、殺気の放出を停止せよ。」

そこに立っていたのはクナイだらけの体になった雄だった…ただ、どこかおかしい。

目は虚になり、ロクに歩けていない。その上、痛みというものを感じていないようだった。

「な、何であんたが生きてるのっ!!」

「警告、殺気の放出を停止せよ。」

「クッ!!消えろっ!!」

彩月はクナイを投げつけ続ける。それらは全て雄へ刺さっていった。

「敵対行動を確認しました。自己修復を開始します。」

すると体に刺さっていたクナイがいくつか溶け、その他のクナイも皮膚と結合して傷を縫ってゆく。

「ま、まさか、同位変換で血液と皮膚を作ってるというの!?」

「肯定します。同時に警告します。敵対行動を停止してください。」

「うるさいわねっ!!」

そう言うと彩月はクナイを雄の心臓に投げる。

しかし、そのクナイは直前で紙くずに変換された。

「な、何でよ…」

「敵対行動を確認しました。モードh/powに移行します。」

「h/pow?」

するといきなり彩月へ槍が飛ぶ。

「チッ。このクソ根暗がっ!!とっとと死ねよっ!!」

彩月は槍の軌道を変え、槍は雄に飛ぶ。

「殺意を確認。モードd/powに移行します。」

すると雄の体が消えた。

「な、何なのっ!!」

すると次の瞬間には



彩月は生き絶えていた。

「目標の死亡を確認。手段は緊急気化からの血液をマグマへ変換。接続者ケーブラーの死亡も確認。

能力を一時的に後継。時間流操作タイムコントロールを使用します。

Il mio stimato tempo e spazio God Cronos.

(我が尊敬する時空の神クロノスよ。)

Prima di riportarci allo spazio-tempo originale

(我々を元の時空に戻したまえ。)

そして雄と刃の亡骸は元の時間へ戻った…


28.以後会長はいかが?


俺が目を覚ましたのはベッドの上だった。床には刃が寝て…

「先祖っ!!」

「なんだよ…雄…疲れてんだ…寝かせてくれ。」

「なんで生きてんだよ!!」

「こっちが知りてえよ…」

時間は7:00

本来なら今頃サバイワルに向けて…

「って校門挨拶遅刻するっ!!」

「行ってらー…スヤァ…」

「ったくこの能天気先祖はっ!!」

俺はダッシュで学校へ行く。

「すまんっ!!遅れたっ!!」

「ったく遅えな遅刻オタクが。」

「頼むから美久莉さんっ!!違う種類のオタクになってるからその呼び方やめてっ!!」

「うーい。」

「なぁ。」

「ん?」

「今日…お前にエアガンを撃つとしたら?」

「こ○す」

「よかった正常だ…」

「ぁあん!?」

結局俺は校門の前でお子様体型に説教され…

「心に出とるぞっ!!」

あー…

時間になり、俺と美久莉はそれぞれの教室へ向かった。

あれ?

何かおかしくね?

何か忘れているような…













サツキハドコ?











俺はその疑問に一日中考えさせられ、放課後を迎えることになった。

とりあえず情報収集も兼ねて生徒会室へ行く。

生徒会室の前に来た瞬間、

「大駒!しばらく生徒会の活動はできないって言ったろ!!とっとと帰れ!」

廊下に顧問の声が響いた。

生徒会の活動はでき…ない!?

俺はその言葉に従うしかなかった。

ここで頼れる情報持ちとしたら…政か。

俺は家に帰り、ゲーム機のチャットを開く。

幸いにも彼はオンラインだった。

よし、聞いてみよう。


雄【なぁ、彩月ってどうなった?】


政【どうしたんすか。雄ニキ。 】


雄【(事情説明) 】


政【そういうことっすか。副さんならつい最近死んじゃったではないですか。】


え?


政【あっアニキ、飯落ちです。】


雄 【了解 】


「なあ、先祖。」

「なんだ?雄。」

「彩月…死んでたみたいだ。」

「殺ったのか?お前…」

「俺にも記憶がない…」


そこから続くのは沈黙の時間だった。

調べてみて分かったのが

・彩月は廊下で倒れてた

・内臓が溶けていた

・硫酸などの激薬を飲んで自殺と処理されてる。

たったこれだけだった。

一体俺が覚えていない空白の時間に何があった!!

犯人は誰なんだっ!!

そして…

彩月はなぜあんなことをっ!!

俺は考えるのがバカバカしくなり、さっさと寝ることにした。


29.苦悩会長はいかが?


朝だ。今日は土曜日の朝。休みの朝だというのにこんなにスッキリしないのは久々だった。

まぁ当然といえば当然だが。

とりあえず出た謎は

・彩月はなぜ死んだのか

・彩月はなぜサバイワルを起こそうとしたか

・なぜ死んだはずの俺たちが生きてるのか

・なぜ彩月の内臓は溶けていたのか

・なぜ鉛筆を配る以前から教師の闘争心は掻き立てられていたのか

ダメだ。謎が多すぎる。

おそらく1番相談して頼りになるのは美久莉だろう。

だが、俺は怖い。

もし仮に俺が彩月を殺してたら

もしそれを美久莉に読まれたら

もし彩月が美久莉に伝えてたら


恐らく俺と美久莉の間にこの上ない溝ができるだろう。

それが嫌だ。

だから相談したくない。

何より、

今回の事件で真相を知らない生徒会メンバーは美久莉だけなのだから。

よって1番真相を知って傷つくのも美久莉だから。

たしかに能力者と言ったって所詮は普通の中学校3年生の女子なのだ。

あまりにも真相が重すぎる。

でも同時に思う。

仮に俺が隠しててもそれを読まれたら?

明らかに見える。

美久莉との溝ができる。

そう考えるとある意味話しても黙ってても溝はできるのかもしれない。

仮に俺が意識を失ってから今に至る空白の時間に目撃者がいればもっと楽にわかっただろうに。

神というのは非情だ。

能力を人間に与えるだけ与えてあとは頑張れって。

もし神が見えるのなら思いっきりぶん殴りたい。

そして…

真相さえも分からない俺を殴りたい。


番外編.先祖なのに


クッソ。俺にはわかる。自分の遠い子孫が今、部屋の中で選択に苦しんでいることを。

本来なら先祖にあたる人間が人生の経験を活かして子孫に教えるべきなのだろう。

でもそれができない。何しろ俺もアイツも同じくらいしか生きてないのだから。

もし俺がたすけてやれたら…アイツは迷わずにっ!!苦しまずにっ!!済んだのに…

俺は風呂の中で情けない自分に対する涙を流すことしかできなかった。

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