表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界遊戯ー公園発着ー  作者: 竹中雫
2/2

二日目 景品のたわしの主張

 鳥の声が部屋の中に流れ込んでくる。あくびをしながら、起き、時計を見てみる。8;30。いつもより、遅く起きたが、問題ない。今日は、春休みだからね。

 あれ?そういえば、今日何日だっけ?カレンダーを見てみると、5月8日。あっ、、、。春休みじゃねーじゃん!何日前の話だよ!ヤバイ。完璧に遅刻だ。急いで制服に着替えて、階段を降りて、キッチンへ向かう扉をあける。テーブルの上には朝食と、置き手紙があった。

 

 (ぐっすり眠っているようなので、そのままにしておきます。今日は休日だけど、用事ができたので、出掛けます。お昼ごはん、さやとで食べてね。昼から雨降るみたいなので、洗濯物とりこんでおいてねー。もう、受験生なんだから、しっかり勉強してね。もし、それでも暇だったら、さやに宿題教えてあげてください。母より)

 

 何だ、これだけか。そう思いつつ、何かが気になった。あら?何かおかしい。手紙を読み返してみると、今日は休日と書かれていた。うそ、、、。驚いて、テレビをつけてみると、お天気キャスターが天気予報をしていた。


 (今日は、せっかくの土曜日なのに、昼から雨。残念ですー。)

 

 そうか、休日か。よかったー。安心しながら、トーストを食べていると、1つ下の妹、さやが起きてきた。さやは、中学校2年生で、ロングヘアー、しかも学校中で噂になり、先輩・後輩も教室に見に来るほどの美少女だ。性格はとても、優しく、ひっこみじあんなところも、もてる理由だろう。学校では、みんなが憧れるほど、器が大きい。兄であるあれにも普段は優しい。機嫌が悪いときと言えば、今みたいに寝癖がついているときだ。何で機嫌が悪くなるのかは、本人にも分からず、避けることの出来ない大きな壁だ。


 (おはよー。さや。)

 

 と、言ってみるが、返事がない。よく見てみると、さやは、泣いていた。さやの泣き顔は、俺も萌えるほど可愛いのだが、今回はガチ泣きだったので、近づいた。すると、


 (おにーちゃん、とって。)



と、だけ言った。何をとればいいのか分からないが、とりあえず探してみると、1ヶ所怪しいところがあった。胸が膨らんでいたのだ。ここに何かあるのかと思って、触ってみると、プニプニした感触が伝わってきた。と、同時に


 (ひゃん、、、、。)


 え、と思って何回も触ってみると、再び


 (あん、、、、、やん、、、。)


 やばい、これは、妹の本物の胸だった。なにか、風船のようなものが入っていると思ったのだが、成長していただけのようだ。


 (、、、、、、、。)

 (、、、、、、、。)


 沈黙が続いた。と、妹が口を開いた。


 (、、、おにーちゃん。なにか言うことあるんじゃない?)

 

 明らかに怒っている。そりゃ、おこるよな。


 (、、すいませんでした。)


 俺は謝った。すると、妹は、


 (しょーがない、許してあげる。)


 さすが、俺の妹だ!


 (その代わり、ちゃんととってよ。)


 もう一度よく見てみると、頭に何か絡まっていた。これは、たわしだ。しかも、俺が昨日商店街の福引でもらった、ハズレの景品だ。なくしたと思ったら、さやの部屋にあったのか。眺めていたら、


 (はやくとってよ。もー。)


 さやの言うことに逆らうなんてことは、基本しない。たわしに絡んでいる髪をゆっくりと、はなしていく。どうしたら、こんなにも絡まるのかと思うぐらいに絡まっていた。10分くらいかかって、ようやく外れた。すると、妹が笑顔で、


 (ありがと、おにーちゃん。ところで、何で制服なんか来てるの?今日は、土曜日だよ?)


 あっ、しまった。休日って、ことをさっき知ったなんて、言ったら、からかわれるに決まってる。と、思っていたら、


 (あっ、しまった。休日って、ことをさっき知ったなんて、言ったら、からかわれるに決まってる。って、考えてたでしょ?)


 (ひゃっ!え、、え?何でわかった?)


 驚きながら聞くと、満面の笑みで、


 (にひひー。だって、おにーちゃんの妹だもん。)


 さや、まじでいいね。ありえないくらいの兄おもいで、親とも、ケンカした試しがない。とは、いえ、たわしがさやの部屋にあるなんて、おかしい。


 午前中は、自分の宿題を終えて、昼からはさやに勉強を教えた。俺は理数系だが、さやはまったくの逆で文系だ。俺にとっては得意で、さやにとっては苦手な、数学を教えた。最初は頭から湯気が出ていたが、しばらくするとすぐに解けるようになった。さやはもともと、学習能力は高いので、すぐになれた。18;00ごろに母が帰ってきたときには、俺もさやも、机に座りながら寝ていた。

 気がついて起きると、すでに19;00を過ぎていた。夕食を食べて、風呂にはいり、自分の部屋にいき、椅子に座った。そして、たわしについて考えてみた。もしかすると、これは、白い紙を変化させるための、道具ではないかと思った。だが、非現実的すぎるため、その考えは、抹消された。すると、

 

 (あーあ、せっかくあってたのにー。)


 なに?幻聴?いや、違う。一瞬だが、確かに聞こえた。何が正解なんだ?と考え直すが、記憶から消されたため、思い出すことなく、眠った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ