一日目 ハズレアタリハズレ
今の時刻、16;30。夕方だ。今日は学校が早くおわったから、急いで帰ってきて、家でゲームを満喫してたら、お母さんが帰ってきた。少し驚いた顔をしたかと思うと、まさかのおつかいに行かされた。
今日はいつもよりはやくおわったことはうれしいのだが、おつかいにいかされると、全部パーだ。
ブツブツつぶやいていると、商店街についた。お肉屋さんで牛を買い、八百屋でにんじんやピーマンを買った。ひととおり買い終わり、メモを見ると、一番下に福引券もらえるはずだから、いってきてねー、と書かれていた。ほんとに福引券が2枚もらえたので、お母さんこわー。運試しにでも行くか、と思いつつ商店街の中央まで歩いた。
商店街の中央では、人がたくさん集まっていた。そこでは、福引きをしていた。どーせ、いいものなんてないなー、と思いつつも、景品をみてみると、5等・たわし 4等・ティッシュ4箱 3等・レストランのお食事券1000円分 2等・温泉旅行ペア券 1等・クルーザー客船旅行ペア券 特賞・商店街お食事券2000円分とある。まあまあいい感じか。
そのなかに不思議なのが1個混ざっていた。運命賞。なんだこれ。内容は、お楽しみ、と書かれている。と、周りで見ていた人が俺の代わりに聞いてくれた。
[この、運命賞ってなんだ?]
すると、そこの店主が申し訳なさそうに、
[俺もわかんねーんだ。普通の白い紙を渡されたんだ。おもしろいかなって思ってやってみたんだが。]
ふむ、なるほど、そーゆーことか。いいかもしれないが、どーせティッシュがいいとこだろう。そう思って2回引いた。
1回目はいつものこと、こうれいのたわしくんゲット。
そして、2回目は、運命賞。当てちゃったー。店主は、笑いながら
[運がいいねぇー、あんちゃん。]
まじ、なぐりてぇー。そう思いながらも、嬉しい顔をしてみせた。すると、周りの人たちがヒソヒソ話しはじめた。
[やぁねぇー、あの子。なにわらってるのかしら、気味が悪い。]
このおばさまがたもずいぶん俺の怒りを増大させるのが、お上手なようで。おれは、知らん顔してこの場を立ち去った。一応もらえたのでなんのへんてつもない白い紙を握りしめたまま、家に帰った。
自分の部屋で見てみると、さっきは真っ白だったのに、そこには地図が表されていた。その地図に示されている場所は、驚くことに家のすぐ近くだった。あしたにでも、行ってみるか。このかみにかいてあることを信じているわけではないが、何か、探求心がくすぐられるのだ。子供っぽいことは、承知だが、暇なんだから仕方ない。
気づくと、よるになっていた。夕食を食べて風呂に入り、眠くなってきた。時計を見ると、21;30。少し早いが明日の冒険にそなえて、もうねるか。ベッドにもぐり、あっという間におちた。あした、いいことがおきますようにーーーー