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crying star

作者: 青木ユイ

お久しぶりです、生きてます。詩っぽいなにかです。

 



 最初から誰もわたしに期待なんかしていないんです。あれしろこれしろってそうやって、命令されるだけの人間。

 誰だってわたしの代わりができるんです。

 わたしなんかいなくたって、地球は回る。



 すれ違う人にもそれぞれの物語があって、

 それを考えるのも楽しくて、だけどわたしには関係ない。

 知ってる、わたしに価値なんかない。いなくなったって誰も困らない。

 だけど必要だって言ってくれる人が現れるって、ちょっとだけ信じてる。


 バカなことだって分かってるの、信頼されるわけがないし。

 重い、うざい。そうやって、突き放されるって、最初からわかっていたはずなの。

 だから関わらなくてよかったのに

 どうして、どうして、

 わたしに近づいてくるの?


 そうやって君は誰にでも笑って接してるんでしょ。わたしに話しかけてくるのも、義務感があるだけでしょ。

 一人でいるわたしがかわいそうだって思ってるんでしょ。

 わたしは、ひとりでも平気だもん。

 君に話しかけられなくたって、一人で歩んでいけるんだから。


 早くしてって命令されて、それに従って。

 わたしってそんな人間なの、つまらない人間なの。

 やっと自由になれたんだから、放っておいてよ。

 わたしは、ひとりで飛び立てるんだから。




 笑って君は手を差し出した。


「ひとりじゃ寂しいでしょ」って。


 知らない、そんなの、わたしの勝手でしょ。

 わたしは、寂しくない、寂しくない、寂しくないってば!


「ほら、ぼくも一緒に行ってあげるから」


 君は笑って、


「手を繋いで一緒に行こう」


 そう言って、わたしの手を取った。

 頼んでないのに、おせっかいなやつだ。



 わたしは、小さく笑った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして、お初にお邪魔いたします(..)詩っぽい何か、拝見させて頂きました。自分じゃなくてもいい。そう言えばわたしもいつか、よくそんなことを考えたなあ、そんなときのことを思い出させる作品…
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