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白い人、再び

 「ほんじゃあ、魔族領内に俺がヴァランティーヌにぶちのめされて牙が抜かれた様に大人しくなってるて触れ回れや!ただし、国民にはクラルフェラン共和国やファメルテウス民主国へ怒りを向けさせないようにしろ。怒りの矛先は聖都ウィルドレルにだ。」


 全員が頷くのを確認してから会議はひとまず終了した。


 「はあ...おい爺!茶だ...ってそういや爺はクラルフェラン共和国に居るんだったな。」


 執事の爺をクラルフェラン共和国に置いてきている事を思い出し少し肩を落とす。


 「フォルティーナ様...宜しければこちらをお飲み下さい。」


 「おう!あんがとさん。」


 差し出された茶に口をつけると...爺レベルまでは到達していないが近い味がする。


 「あん?爺の淹れる茶に似てんな...。」


 そう呟きながら茶を淹れた人物を確認すると...執事の服に身を包んだ生っ白い男が礼を取っている。


 あれ?コイツ何処かで見たことがあるんじゃねえか?


 「我が魔族の精鋭、魔影十傑が一人。白きガレオンですよ。」


 頭を傾けながら執事みたい奴を眺めていると魔王が苦笑を浮かべそう言ってくる。


 ガレオン...どっかで聞いたような気が...あんときの...奴か!!


 「お前、ファメルテウスの城をぶっ壊して俺からぶっ飛ばされた奴か!」


 「はっ!その節は誠に失礼を致しました。」


 ガレオンが俺に頭を下げたままの姿勢でそう返答する。


 「おう、気にすんな。頭を上げろや、過ぎたことだしよ!まああれだ、俺も頭に来たからって速攻でぶっ飛ばして悪かったな。」


 「いえ、フォルティーナ様は魔族領を救って戴いた大恩人。その御方を救って貰う前の事だとはいえ...自分が自分で許せません。」


 かぁ~!コイツもまたクソマジメそうな奴だな~!!


 「お前も面倒くさそうな奴だな~。俺は大した事をやったつもりはねえんだから気にすんなってえの!うぜえからさっさと自分を許せやボケ!」


 「...それをフォルティーナ様がお望みならば...もう一度言わせていただきます。魔族領の事、誠にありがとうございました。」


 そう言った後にガレオンは頭を上げ魔王に茶を差し出している。


 「ガレオンさんはレスターさんから執事としての指南を受けたんですよね!弟子みたいなもんですよレスターさんの。」


 笑顔で茶をすすっているセレナが茶菓子に手を伸ばしながらそう言う。


 ほーん、だから爺は大人しくクラルフェラン共和国に残ったんだな~。


 「よし!じゃあガレオン、俺がここにいる間お前に爺の替わりをしてもらうかな!!」


 「元よりそのつもりでこの服に袖を通しております。何なりと御命令を。」


 「うん。今は何もねえ!待機だな!」


 「はっ!」


 ガレオンは返事と共にビシッとした姿勢で微動だにしなくなる。


 うーん、しっかしヨアヒムと聖都ウィルドレルは上手いこと乗ってくるかな~。


 <まあ今は待つしかないよね。>


 まあな~。





 何の動きもないままひと月たったが、ヨアヒムと聖都ウィルドレルの間の通信の傍受で事が動き始める。


 魔族領と俺に異端宣言を出し、魔族領へと進攻を開始するとの事だ。


 ヴァランティーヌの居るクラルフェラン共和国へは俺と魔族を殲滅した後に戦力を再び整えてから攻撃するとなったようだ。


 ...どうやら計画通り行きそうだな。


 「おい!魔王!!クズ共が進攻してきそうなコースで魔族領に被害が出ないような場所をピックアップしろ。...どうやらかなり大規模な準備をしている様だから戦力を複数に分けての波状攻撃で俺達を一気に押し潰そうとしてくるだろう。」


 「わかりました。どの様なコースを取るか予想を立てて戦うに都合の良い場所を考えましょう。」


 魔王は俺の言葉に頷いた後にそう答え、部下に地図を持って来るように指示を飛ばす。


 ...ヴァランティーヌと連絡を取り合ってアイツがどう動くつもりなのか確認しとかねえとな。


 アーティファクトを使った通信では俺達がヨアヒムと聖都ウィルドレルの通信を傍受しているみたいに盗聴されるおそれがある。


 そのための俺とエミリア以外の通信係にコイツを魔族領に来させたのだ。


 「おう、セレナ。爺は今何処に居るのか確認しろ。」


 「はい!わっかりました~!!」


 セレナは瞳を閉じ爺と会話を始めたようだ。


 「ちょうどヴァランティーヌ様にお茶を淹れてる最中で目の前に居るみたいですよ~。」


 目をパチッと開け俺の次の指示を仰ぐような表情で俺を見つめてくる。


 「んじゃあ、ヴァランティーヌに聖都ウィルドレルと戦闘する時にどうするか聞いてくれ。」


 セレナは再び眼を閉じぶつぶつと口を動かしている。


 「えーと、戦闘に参加するそうです!万が一、クラルフェラン共和国が襲われる事になってもエリュセル様、エミリア様、レスターさんが各自私達を召喚出来るのだから大丈夫だろうっと仰ってるようですよ~。」


 ...確かにそれで大丈夫だろうがなぁ...まあ大丈夫だろ、エミリアは俺のステータスの10%がプラスされてんだし。


 「おっし、じゃあその予定で行くって爺からヴァランティーヌに伝えさせろ!」


 「ラジャーです!」



私事で申し訳ないのですが...ぎっくり腰をやってしまいまして...


なるべくがんばって更新は続けたいのですが無かった場合は...床で転がってるんだろうなっと思って下さい。


頑張って早く治しますので宜しくお願いします。

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