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ガレア高地の奇跡

 「むー、この辺でやるか?」


 「...ですね。大丈夫だと思います。」


 「おそらくこの辺りが中心部だと思います。」


 魔王と俺と爺でガレア高地の中心ぐらいで相談をしていた。


 そう、今からドラゴンオーブを使ってガレア高地を肥沃な土地に変えるのだ。


 おい!天の声!ドラゴンオーブにはどんぐらいMPを込めればいいんだ?


 <そうだね~。...良い土地にしたいのなら全力かな?でも全力で込めると多分君は寝ちゃうよ?>


 あん?何で俺が寝るんだ?


 <MPを使いすぎると寝ちゃってたでしょ!...使い切ったのが昔過ぎて忘れてるね君。>


 ...そういや、そんなこともあったな。


 まあどうせ寝るって言っても2,3日位だから別に良いか。


 魔王や爺も居るしな。


 <まあ、そだね。じゃあ全力でやってごらん。面白いことになると思うから!>


 「おう!今から全力でドラゴンオーブに魔力を込めるからな!多分俺は数日くらい寝ることになると思うが...後は任せたぜ。」


 「かしこまりました。お任せください。」


 「ええ、安心して下さい!我が城まで丁重にお送りします!」


 魔王から受け取ったドラゴンオーブを大地に置き、俺は自分の体に力を込めて元のリヴァイアサンの姿に戻る。


 元の姿に戻った俺はドラゴンオーブオーブに巻き付く様に囲むと寝そべりMPをドラゴンオーブへ送る。


 初めは何の反応も無かったドラゴンオーブがある程度おれのMPを吸収すると次第に淡い光を放ち始める。


 おっ、確かに魔王が使った時より俺のMPを送っている今の方が遥かに強い力を感じるな。


 <うん。いい感じだね。これはかなり期待できそうだよ...やりすぎるかもしれないけど。>


 まあ、あれだな。


 やりすぎたらやりすぎたらで後で考えるわ!


 集中してMPをドラゴンオーブにどんどんと注ぎ込んで行くと徐々に眠気を催して来た。


 ふぁ~、眠くなって来たぜー。


 そういや、MPを使い果たしたら龍人モードには戻れるのか?


 <ああ、僕が戻しとくから大丈夫だよ。>


 ほほう、んじゃあこのまま...ねる...か....


 波の様に寄せてくる眠気にあらがう事をやめると俺の意識は遠くなった。




 ....む、うん。


 ふぁー、あー、めちゃんこよく眠った気がするぜ~。


 ゆっくりと目を開くと魔王が俺の顔を覗き込んでいた。


 「....お前、何やってんだ?」


 「いえ、美しい寝顔だと思って...眺めてました。」


 「意味わかんね。バカかお前は。...よっこらせっと!」


 ベッドから体を起こすと爺が俺がいつ目覚めても良いように準備していた様で茶の注がれたカップを手渡してきた。


 カップを受け取り一口、口をつけると茶が身に染み渡っていく。


 「フォルティーナ殿、何か食事はしますか?」


 「あん?別に食事はいらねえぞ?腹が減らねえからな。...それよりガレア高地はどうなった?」


 「ええ、もう少しあなたが身体を休めた後に説明しましょう。あなたにこれ以上無理をさせてしまうと私があなたの国の官僚達から刺されそうなので。」


 魔王が苦笑いを浮かべながら俺が寝た後の話を始めた。


 俺が眠った後、爺と一緒に直ぐに首都へと俺を連れて帰ったらしいが死んだ様に眠る俺の姿を見てファメルテウス民主国から一緒に魔族領の視察について来ていた偉いさん達と官僚達から詰め寄られて大変だったらしい。


 「我らのフォルティーナ様を酷使しないで下さい!!」っと...お前等が一番俺を酷使してんだよ!何言ってやがんだ!!ボケ共がぁ!!!!


 「...まあいいや。目覚ましに風呂に入るか...爺!!準備しろ!!」


 「はっ、かしこまりました。」


 「では私も執務室でこれから会議があるのでガレア高地の事は後でお教えします。」


 「ほいほい、後でな。」


 うーん、爺が風呂の準備が終わって呼びに来るまでまどろむか~。


 部屋から出て行く魔王と爺を見送りながら背伸びをし、まどろみはじめていた。





 風呂に入ってさっぱりした俺は久し振りにだらだらとした時間を過ごしていた。


 いいね~、だらだらするんはサイコーだわ~。


 ドアがノックされる音が聞こえるので爺に視線を飛ばすと爺が確認の為にドアを開く。


 「フォルティーナ様、魔王殿下が執務室にお呼びのようです。」


 「おう!じゃあガレア高地の事を聞かせて貰うかな。」


 椅子から立ち上がると爺を共に従え魔王の居る執務室へと移動した。


 「っと言うわけでかなり凄いことになってます。」


 「マジかよ!!...完全にやりすぎちまったな...。」


 魔王からドラゴンオーブ使用後のガレア高地の現状を考えてもらい俺は愕然としていた。


 まさかの1日程で樹木などが生い茂り、深い森へと変貌したらしい。


 しかも...作物の種を植えると直ぐに収穫できる位の急成長を見せているとの事だ。


 <あら~。やっぱ君の全力だと多すぎたか~。>


 お、おう。


 やりすぎたみてえだが...どうにかなるんか?


 <うーん、暫くしたら普通の肥沃な土地位に落ち着く...と思うから暫く...放置?>


 それしかねえよな...やっぱ...。






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