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魔族の処遇会議

 魔王とこれからの事について腰を据えて話すために一旦魔族軍を魔族領に帰還させて魔王をクラルフェラン共和国に連行した。


 「つう訳でファメルテウス民主国は魔族と人や物資、その他諸々の交流を始めてえんだが...お前らどう思う?」


 ファメルテウス民主国の国民から選ばれた偉いさん連中と各部門の官僚達、それにヴァランティーヌと爺、セレナ、魔王で会議中だ。


 「我らの答えは何があろうとフォルティーナ様に従うのみ。それに魔族との交流、我らも良い考えだと思います。」


 偉いさん連中と官僚達の答えに満足した俺はゆっくりとみんなを見回しながら頷く。


 「...えー、私が言うのも何ですがそんなに簡単に魔族を受け入れて良いのですか?国民の反発も多いのでは...。」


 「それについては大丈夫です。ファメルテウス民主国の国民が一番恐れているのはフォルティーナ様の気分を害してクラルフェラン共和国に逃げられる事ですから。」


 官僚が平然とした顔でそう魔王に答えた後、俺をチラ見してくる。


 ...何だよ、その逃がさねえぞって顔はよ!


 「まあ、あれだな。ファメルテウス民主国とクラルフェラン共和国に限って言えば俺とヴァランティーヌに慣れ過ぎてるから魔族位なら大丈夫なんじゃねえの?クラルフェラン共和国に至ってはモンスターと共存し始めてるしよ。」


 「...噂では聞いていましたがそれは本当なのですか!?」


 「あん?マジだよ。どうやら俺とヴァランティーヌが居ればモンスターも大人しいって気付いたみたいだからよ。今クラルフェラン共和国で共存している奴らも人間にかなり心を許しているようだし...人間が奴らを裏切らなければ大丈夫だろうな。」


 「なるほど。ならば私達、魔族も人間達やモンスター達を裏切らないとわかって貰えたら受け入れて貰えるかも知れないですね。」


 これからの展望を考察している様子で魔王が腕を組む。


 「よっしゃ!ファメルテウスはこれで大丈夫だからクラルフェラン共和国の方の王にちょいと確認すっか!」


 エミリアとの会話に集中するために瞳を閉じてエミリアを呼ぶ。


 (おい、エミリア。近くにワイナールは居るか?)


 (うん?どうしたのフォルティーナ。丁度目の前に居るけど...)


 (おっ、グッドタイミングだな!ワイナールに魔族と交易なんかの交流をやらねえかって聞いてみてくれ。)


 (ほいほい、ちょっと待っててね~!)


 俺は目を開くとワイナールの解答待ちの時間を潰すために茶を飲み始める。


 (...フォルティーナ、聞いたんだけど...細かい詰めの話は必要だけど歓迎するって言ってるよ。)


 (おう、わかったぜ。今度魔王をクラルフェランに連れてくって言っとけ!近い内にまた帰るからな。仲介、あんがとさん。)


 (はいよー。頑張ってね~!)


 よし、ワイナールの了解は得た。


 「クラルフェランの王も詰めの話はいるけど歓迎するってよ!」


 「...ファメルテウス民主国は代表があなただから話が早いのはわかりますが...クラルフェランの王とホットラインでも有るのですか?」


 俺が言ったワイナールの答えに魔王がこの場で答えが貰えると思っていなかったらしく不思議そうな顔で尋ねてくる。


 「あん?俺の召喚主がクラルフェラン共和国の王の嫁だからな!そいつを通じて聞いてもらった。」


 「...便利ですね。なるほど、だから今はファメルテウス民主国とクラルフェラン共和国の繋がりは強固になっているのか。納得しました、この国からクラルフェラン共和国に姫を后に出してるのと同じ様な物ですね。」


 「つうより俺も本当はクラルフェラン共和国に帰ってだらだらしてえんだがコイツらが帰してくれねんだよ!」


 周囲を見ながらそう言うと偉いさん連中や官僚達から刺すような鋭い視線を感じる。


 「「フォルティーナ様がここまで仕上げた国なんだからある程度までは責任をとって居続けて下さい!!」」


 人間達の叫び声にも似た罵声に俺は眉をひそめる。


 はぁー、いつになったらゆっくり出来るんだよ...。




 その後も会議は進み、一旦魔王は魔族の部下達への報告のために帰ることとなった。


 「それでは私は一度魔族領へ帰ります。」


 「おう!...おっ、そうそう。お前の剣を俺が叩き切ったから今武器がねえだろ?コイツを貸してやっからもってけ。」


 俺は爺に持たせてた魔剣レーヴァテインを掴むと魔王に向かって放り投げる。


 「は?魔剣レーヴァテイン?...まさか...これを私に預けるって事ですか!?私はこの間まであなたに戦争を仕掛けてた相手なんですよ!?」


 「そうだな。だが俺はそんな物を使うより素手んが強えからな!仮にお前がそれで俺に切り掛かって来たとしても髪の毛すら切ることが出来ねえよ。...民の為に自分の死を選ぼうとした奴だ...まあ、信用してやんよ!」


 「.....フォルティーナ殿...。」


 俺が放り投げたレーヴァテインを握り締めながら俯いた後、床に片膝を着き頬に涙を伝わせながら俺を見上げてきた。


 「だぁー、男が泣くんじゃねえよ!おら、ハンカチもやるからちゃんと拭き取ってから帰れよ!...民が不安に思うような表情を出すのは止めとけ。シャキッとしろ!シャキッと!」


 「.....はい。...はい!」


 目をつぶったまま小刻みに震える魔王の背中をポンポンと叩いた後にハンカチを手渡すと俺は会議室を後にした。



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